ネタバレ・感想あり何もしてないのに壊れたのレビュー

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切ないけど好みのBL
2024年12月8日
たまたまタイトルの言葉を検索したら結果に出て来て、表紙の絵が好みだったので購読したら話も好みでした。久しぶりに自分の中でクリティカルヒットしました。
歪な三角関係の様な人間模様を切なく描いた良作です。
心に空いた穴
ネタバレ
2024年5月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 三角関係。
お笑い芸人で放送作家行もする一文、後輩のお笑いコンビ・宇宙少年の大倉、そしてその相方のあたるの3人の恋路が交わることなく終わっていくストーリー。
一文→大倉→あたる→一文という、なんとも悲しい一方通行を読み進め、最後には空中分解してしまう悲しみ。
若手のお笑い芸人泥臭さや葛藤を描きつつ、下心もしっかり見えるストーリーに引き込まれました。
ラストがまた何とも物悲しくて。
恋が散り、好きな相手から恨み節を吐かれ、その後“逃げ”だと思っていた作家に成り果てた一文。
きっと心に空いた穴は塞がらないんだろうなと思うと悲しい。
穴の開いた風船のよう
ネタバレ
2024年5月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトル、本当に最初は「何が?」なんですが読み終えると「辛すぎる」タイトルに変わってるんですよ。

これは、受けや攻め…というかタチネコが決まらぬまま崩れるお話です。まるでジェンガですよ。バランス崩すと崩壊する。大人3人、純粋な気持ちに嫉妬が絡んだことで砂の城にかかる雨水の如く、キャパを越えたら呆気なく砂の城が崩れちゃうんですよ。我々はその様を見守る保護者の立場なのです。作った子どもは悲しみと怒りと少しの興奮で泣き暴れ、我々保護者は何がダメだったのか、仕方がないことだと解くも当の本人は「完璧だったのに」と幼心ながらに真剣な顔で、涙をボロボロ流して声を上げて泣き続けるのです。
何がダメなのかわかっている大人は、子どもの何がダメだったのか無情に告げるも彼らの気持ちが切り替わるまで泣かせてあげるしか手立ては無いのです。


辛い。
辛すぎるよ…


タイトル、何もしてないのに壊れたは、誰の立場から見た時点だろう。
3人の三者三様の一方通行。一文→大倉、大倉→あたる、あたる→一文。一文は大倉の、才能からくる羨望とお笑いへの真剣さ。大倉はあたるへの愛欲と。あたるは一文へのお笑いへの真剣さと羨望を。地獄のトライアングルは「嫉妬」と「焦り」によって見事に終わりを迎えるんだけど、「嫉妬」や「焦り」の時点でもう始まってるし、その「焦り」が本質を見れてなくて壊しちゃったんだよ。
いくらお笑いに才能があったって、所詮は人間だもの…いま、大倉とあたるは何をしてるんだろう。大倉は自暴自棄になって手当たり次第、食い散らかして痛い目みてる所で逆にあたるにお世話されてて欲しいな…

こういった、崩壊して終る商業BL、滅多にないから増えて欲しいな…BLといえばハッピーエンドかもだけど、今この世界にいる男たちの現実を見たいので…よろしくお願いします…書いて世に出してくださった先生、編集部、担当さんありがとうございました!!
静かにズシンとくる
ネタバレ
2024年4月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙もタイトルも不穏ですがこの予感のまま最後まで駆け抜けます。
ですがとても読み応えがあり、時羽兼成先生の圧倒的な筆力でこのモヤモヤ〜っとした三角関係を大ボリュームで描き切ってくださった感動に思わずスタンディングオベーション。
読み終わって表紙をもう一度見返すと「噛み合わない」点が少しずつ重なり、次第に音を立てて崩れゆく人間関係の脆さや儚さを象徴した素晴らしいイラストすぎて2度拍手です。
私はあまり芸人さんに明るくないのですが、日頃彼らは競争心、承認欲求、妬み、嫉み、愛憎、羨望、様々な感情を昇華して華やかな表舞台に立っているんだろうなと考えさせられました。
一方で彼ら3人の歪な人間関係はとことんリアルでもあり、身につまされます。ふとしたボタンの掛け違えが引き起こすバタフライエフェクトだなと。
宇宙少年の二人がこの後どうなったのか、気になって夜も眠れません。
始まってない恋物語に終止符を打つ。
2024年4月27日
漫才コンビであるあたるくんと大倉くん、そしてピンの芸人の一文。それらの三角関係(?)にスポットライトが当たってるが、ちょっと思っていたのと違った。今回は私的には消化不良のモヤモヤが残るエンドだったので星一個抜きます。
淡々と崩れゆく様がタイトルとマッチしてると感じました。三者三様、想いが見事なまでにすれ違ってるのをたのしむものだと割り切る。
好き(一人除く)が交差していい感じで絡みあってるのに意外と一押しで崩れるものですね。逆に悪意のある言葉でさえとらえ方次第でだれかの都合のいい風にことが運ぶこともあるんだなと登場人物を見て思いました。
あと、無言の圧力で畳み掛けてくる大倉くんがちょっと怖いとも感じた。まあそこが彼の執着が見てとれる所だからいいんだけど。執着って周りにもよくわかる方と当事者にしか分からない物ってありますよね。
あたるくん好きだなービジュもキャラも好き。この子いなかったら拗れないし、いなかったらことが運ばないから。
80ページと大ボリュームだがエロはない(Fェラのみ)。本当に淡々と終わりに進むから。ストーリの終わり近くで壊れるオマージュ的なオブジェクトがなければまだ淡々と続いてしまうだろうと錯覚するくらいだった。2024年秋、読み直してみた。評価は変わんないけどやっぱりこの作者様の描く漫画好きです。
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