母は帝国でたった1人の、大公家の失踪した娘だった。しかし、大公が娘を捜そうとした時には母はすでに死んでおり、残されたのは14年間放置され続けた私だけだった。「閣下。残念ですが、コーネリア・クライトンは死にました」「コーネリアが死んだ……?君は一体……」正体を隠し、静かに去ることが、大公への復讐になると思った。しかし、目的を果す前に私は殺されてしまった。それも、母が苦しみの中で死を迎えるように仕向けた者が大公の弟、つまり自分の大おじであったことを知った直後に。ところが、死んだはずの私はどういうわけか、母が生きていた9歳の頃に回帰転生してしまった。だから私は今度こそ母を守り、気の毒な祖父も救おうと決心したのだが、大公家の様子がどうもおかしい。クライトン大公もおじといとこも、私に甘々過ぎるのだ。その上、傭兵王まで恩を返すためだと言って、やってきた。私はただ、お母さんを守り、幸せに暮らしたかっただけなのに……!