このレビューはネタバレを含みます▼
裏切りと死の記憶を抱えて蘇ったメリベルが、静かに反撃の駒を進めていく──その導入は非常にドラマチックで、彼女の変貌ぶりにも惹かれるものがあります
皇帝との関係も、過去とは異なる距離感が生まれており、その変化が物語のアクセントになっているのは事実
一方で、序盤から重たい陰謀が繰り返し提示されるため、個人的には息継ぎの余白が少なく感じる場面も‥
また、宮廷でのあの大胆な一手──メリベルの覚悟としては理解できるものの、設定的な整合性に少し戸惑いました
キャラクターの表情づけが硬質で、感情の揺れが読み取りにくい部分もあり
全体としては、復讐劇としての土台はしっかりしているものの、テンポの揺らぎや人物描写の硬さが気になり、継続して読むか?判断に少し迷う‥