この物語を読み終えても、「嘘」が解消されない。ヒロインシェリーが見せた腕にあった 痣?「彼は私をつねるの」 この場面を読んだときには なんだか言いようのない不安がひろがった これは 嘘?誕生日には信託財産が入る これは 嘘?あなたは支配人?
これは嘘。満ち満ちている嘘に私は振り回されて楽しめない。変態3世という婚約者、姿は見せないが 父親の姿を見るに 嘘にみえない。パームピーチの住人とはいったいどんな謂れのある人たちなのか?おそらくは上流階級の金持ち という以外のところで何かあるらしいと意味深な展開に答えは無い。それだけなのか?ヒーローマイカの気持ちの表現には「愛」をチラつかせているが そこには恐れというよりも怒りが露にされていて とにかく甘さは皆無。美しく若い女性が傍にいることに 欲求を抑えきれないジレンマとイラつきしか感じない。彼の母親も まったく常識的で息子に甘いどこにでもいる母親像が かえってHQには新鮮に映る。整理すれば簡単な物語だけれどヒロインにも甘ったれたイメージは無く現状を受け入れ 助け手となるヒーローが正義の仮面をかぶりその立場を受け入れてくれた。「嘘」はここにこそある。見抜くことのできない 人の思惑に何かしらの手を貸すとき、その先読みをする行為そのものが 助け手となる側の人を不幸にすることが悲しくてならないが、真実助けを必要としている人をザルの目から零すようなことはしたくないのは真実だ。
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