4年前結婚し嫁いだ私・美帆(みほ)に続いて、今度は弟の孝浩(たかひろ)が結婚した。「お母さん、これからは晴れて自分自身のために生きることができるね」26年前、母がまだ34歳という若さの時に父が亡くなってしまって以来、女手一つで幼い私たち姉弟を育て上げてくれたその愛情と苦労にひとかたならぬ感謝を捧げながら、私は素直にそう思っていた。母はまだ60歳だ。自分の趣味に熱中するでも、気の合う友達と旅行に行くでも何でもいい。残りの人生、思う存分好きなことを楽しんでほしい…と願って。が、しかし! まさか男をつくって一緒に暮らしだすだなんて…そりゃあまりに想定外だわっ! いい歳して恥ずかしすぎるよおっ!! …って思っちゃうのは、娘の身勝手ですか!?(※本コンテンツは合冊版「魂まで震える女の愛欲ミステリーVol.3」の内容と重複しています。ご注意ください)