【この合本版には、『森の戦士ボノロン ポラメル復刻版』2018年2月号~12月号が収録されています。】
《2018年2月号 くせっ毛のキャルの巻》
アカシアの巨木のある村に、キャルというくせっ毛の女の子がいました。まっすぐできれいな髪にあこがれるキャルは、髪をどんどんのばし、重さでまっすぐにしようと思い、髪を切るのをやめてしまいます。けれどもくせっ毛はますますひどくなるばかり。じしんをなくしたキャルは、まったく笑わない子になってしまいました。両親の言葉も聞かず、おちこむキャルの前にあらわれたボノロンは、とっておきのひみつを教えると言いますーー。
《2018年4月号 4人きょうだいのリレーの巻》
クスノキの巨木のある村に、4人の男の子のきょうだいがお母さんと住んでいました。
しっかり者の長男アムは、働いているお母さんの代わりに家の手伝いをがんばっています。でも、3人の弟たちはなにもせず、アムに甘えっぱなし。
ある日、アムは子どもかけっこ大会に出ようと弟たちに話します。お母さんの誕生日に、賞金で木のくつをプレゼントしたいのです。弟たちはいやいや練習をしますが、レース前日にアムが足をけがしてしまい……。
《2018年6月号 えいゆうの木の巻》
「えいゆうの木」とよばれるカシの巨木がありました。根はむき出し、今にもくずれそうな地面の上でふんばって立ち続けています。山のふもとにある村の男の子レンは、カシの巨木が大好き。レンは赤ちゃんの頃、この巨木の穴の中にすてられていたのです。レンにとって巨木はお母さんのような存在でした。
つよい雨が何日も降り続いたある日。山くずれが起きると、村のみんなが逃げる中、レンはただひとり巨木へ向かいます。
《2018年8月号 ねこの船長の巻》
いっそうの船に、年老いたねこが乗っていました。ねこの名前はアル。ねずみとりのために乗せられたねこでしたが、今では船で一番の古株で、自分のことを船長だと思いこんでいます。
ある嵐の夜、船がざしょうしてしまいます。船員たちが必死で水をかきだす中、アルは助けを呼ぶために海に飛び込みます。しかし、ついに力尽き、海の底へと沈みゆく中、アルの涙がマングローブの根に届き、ボノロンがあらわれます。
《2018年10月号 山の上の宝ばこの巻》
一年中、夏のようなひざしがふりそそぐ南の島に、ガジュマルの巨木がありました。
この村にひっこして来たばかりの少年ロパは、まだひとりも友だちがいません。海の食べものも、泳ぐのも苦手なロパに対し、村の少年カイは「弱虫」と言ってはやしたてます。もとの村に帰りたいとロパが巨木のもとで涙をおとすと、ボノロンがあらわれ、願いをかなえてくれると言います。ただしひとつだけじょうけんがあると言って、ある宝の地図を渡しーー。
《2018年12月号 ひみつのプレゼントの巻》
大きなモミの木の根もとに、3人の兄弟が暮らす小さな家がありました。5年前のはやり病で両親をなくしましたが、力を合わせて暮らしています。
兄弟には、5年前からふしぎなことが起こります。毎年、誕生日の朝に巨木の根にプレゼントが届くのです。末っ子のルックは、送り主にお礼を伝えようと思い立ちますが、誕生日の日、いつまで待ってもだれもきません。贈り主になにかあったのかと不安な気持ちで涙を流すと、ボノロンがあらわれます。