タワーマンション25階――
隣同士に暮らす二組の夫婦。
その出会いは偶然か、それとも仕組まれた運命だったのか。
もし、すべてが誰かの手によって描かれた筋書きだったとしたら?
嘘、欲望、裏切り。
4人の関係は静かに、しかし確実に歪みはじめる。
そして、復讐という名の狂気が、音もなく動き出す――。
妻の不在に気が緩んだ慎吾は、帰宅途中に出会った美玲と、そのまま食事へ。
潤んだ瞳、艶めく唇、そしてどこか寂しげな微笑み。
触れたら壊れそうな彼女に、慎吾の心はゆっくりと侵されていく。
食後、夜の街を歩くふたり。
突然のスコールに笑い合いながら、手を取り合って走り出す。
そして、濡れたアスファルトの上で美玲がつまずいた瞬間――
慎吾の腕の中に、ふわりと彼女が飛び込む。
その一瞬に、張りつめていた感情がはじける。
理性という名のブレーキが外れ、唇が強く、深く重なった。
濡れた髪、熱を帯びた吐息、止まらない衝動。
すべてを忘れ、ふたりは深い夜の底へ堕ちていく――。