領主の次男坊・カイルに仕えるハーフエルフのメイド・リリア。
路地裏で倒れていたところ、幼いカイルに拾われ、それからずっと彼に仕えている。
名家の娘との婚約を控え、見合いのため遠出するカイルとリリア。帰路に付く2人を待っていたのは、領民たちの一揆によって燃え上がる館と処刑された家族の亡骸だった。
身を隠しながら、なんとか領地の外れにある宿へと逃げ込む2人。
嵐が過ぎ、二人だけが部屋に残る。
領主の息子とメイド。身分の違いから、お互いへの想いを抑え続けていたカイルとリリア。
お互いを分かつものがすべて燃え尽きた今……現実から逃れるように2人は肉欲に溺れ、貪り合う――
新星・エセ林エフが描く、すべてが燃え落ちた末に芽吹く、禁じられた恋の物語。