短めの作品ですが、長い長いパートを読まないと全く話についていけない、濃厚な内容です。かなり写実的な画風だから、読む人を選ぶかも?でも、ハマるとパートが揃うのを待ち構えるのでは。
粗筋は、超A級スナイパーで禁欲的な源さんが都会から逃
げ、とある温泉旅館に落ち着き働く日々が続く。かと思いきや、源さんを取り巻く女性達の中から遂に人生の伴侶を選ぶことになり、再び逃げず腰を据えて生きる勝負に出る、といったところです。
サブタイトルの“花鳥風月”は、常に移ろう人の心を四季になぞらえ、一年分にまとめようという作者氏の意気込みかも。
前作同様、写実的な絵と表面上は平穏な日常から、まるで現実の出来事みたいと錯覚しました。主キャラの源さんが学生時代の友人にそっくりで、余計にそう感じるのかもしれませんけど…
多くのキャラが「こういう人知ってる」と思えるくらい、現実の人間に近い外見で行動します。だから非現実的な設定でもわざとらしくなく現実に有り得る気にさせられるのかなとか、やはり虚構の世界だから時に突拍子もないエピソードが入るものの、それらすら納得して読ませる自然な展開が、濃厚というか“湯けむり…”のエッセンスを凝縮した物語にしていると感じました。
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