政治家秘書のタカヒロとギャングの下っ端で失語症のジャック、2人の出会いから凄く惹かれるものがあります。
ストーリーは皆様のレビューにある通り、1巻目はアメリカでの生きるか死ぬかの切羽詰まった展開があり、2巻目はそんなアメリカから脱出して日
本での生活に舞台が移ります。
この2人、実は似たもの同士でした。タカヒロもジャックも最初は「誰か」の指示で行動して自分の意に反する事があっても諾々と従ってきた。だけど徐々にその殻を破っていき、2人が紆余曲折し自問自答しながら自分の欲している物に気付き認めていく過程をじっくり見届けるような作品でした。中でも、たかひろの養父は出番少ないのに存在感があって引き摺りました。ラストは、ようやく自分が納得する人生を見つけて生きていこうとする姿が頼もしい。2人はいつかまたどこかで交差するのか、そんな余韻に浸ります。
BL展開はあるものの、ガッツリなものを欲している方には向かないかな。文中にある「お前のボスはお前だ」という言葉がしっくりくる、西田さんらしい男臭い物語でした。
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