大好きな人とつき合っていたけれど、ずっと自分の片思いだった。
何度体を重ねても愛されている実感はなく、ただ不安だけが募っていく……。
そんな一方通行の恋の寂しさと苦しさが、ものすごくリアルに描かれています。
無駄な台詞やコマが一切
ない。容赦なく心に突き刺さる。
不毛な恋の果てに残った、最後の想い――よくある話だけど、この胸の痛みと救済は、蛇龍どくろ先生でしか描けない世界だと思いました。
読後感はすごくいいです。苦く、痛く、甘い余韻がいつまでも胸に残る。
表題作のほかに、もう1編収録されています。
「致死量分の愛を込めて。」こちらもとてもよかった。
初出は2011年。すっきりした美しい作画、普遍的なストーリー… 読み終わってかなり月日が経っているのに、忘れられない作品。
隠れた名作だと思います。
でもこの作品、読み手によってはその痛みのリアルさがきつすぎるかも…。私はその痛みがたまらなく好きなのですが、読み手を選ぶ、多分刺さる人には刺さりまくる作品…気になった方は是非
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