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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
ベストアンサー60件
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投稿レビュー
  • ちいさい友だち

    ミナヅキアキラ

    いつもの見慣れた風景が
    2026年4月18日
    ミナヅキアキラ先生の最新作。非BL作品。

    住宅メーカーに勤めるリーマン・春原が、ある日公園で出会った少年・詩季との出会いをきっかけに身近な自然の楽しさに気付く物語。

    人物も動植物も背景も、とにかく作画が素晴らしい。ミナヅキアキラ先生の画力が炸裂しています。
    登場する動植物は鳩やアリ、テントウムシなど身近な生き物たちばかり。どんなに都会の真ん中でも、注意して観察してみるとそこにはたくさんの命があって。
    この作品を読んだ後でいつも通る道を歩いてみると、少し世界が変わって見えた。
    いつもの見慣れた風景が、面白くて楽しい発見に満ちていることに気付く。それが本当にすごいと思った。

    そして詩季くんが滅茶苦茶可愛かった。春原さんも。
    ほのぼのとした二人の交流に癒されながら、心の奥底で「詩季くんはきっとあと10年もしたら素敵なスパダリに…」と妄想してしまった腐ですすみませんごめんなさい

    とても素敵な作品でした。この作品は何度も読み返す予感がします。
    またいつか彼らのその後の物語も読みたいな…続編熱望しています
  • 夜をととのえる

    浜田咲良

    心の隙間を整える
    2026年4月15日
    大学進学を機に上京した悠馬。大学の講義中に隣の席に座ってきた学生・黒沢に掃除のバイトに誘われる。バイトに行ってみると、普通の掃除バイトではなく――

    「金曜日はアトリエで」の作者様、待望の新刊。
    さすが浜田先生…第一話から面白い。試し読みをしたら我慢できなくなって新刊衝動買い。

    浜田先生は変な人を描くのが本当に上手い。
    この作品も依頼人が変。めっちゃ変……でもその変な部分が可愛くて面白くて、読んでいてとても楽しい。
    物語のベースにあるのは人間というものへの信頼と優しさで、なんだか変な人たちを、優しさでふんわり包み込む。

    主人公の悠馬と黒沢の二人もいいコンビ。
    二人が依頼人のお悩みを解決してゆく過程も面白かった。
    ……でもちょ、ま、1巻最後の依頼人wwwww
    こいつはヤバい…どーすんのこれ…すでに2巻が読みたすぎて身もだえてます。

    1巻、すっごく面白かった。各話完結なので気軽に読めて読みやすい。おススメです
  • 涙雨とセレナーデ

    河内遙

    時を超えて
    ネタバレ
    2026年4月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ この作品を読み始めたのが6年前
    とうとう完結。
    この物語の結末がどうなるのか、ずっと気になっていました。

    【以下ネタバレ】

    最終話、とても複雑な気持ちで読み終えました。
    確かにそれしかないという結末なのですが、主人公の大きな決断に、2日くらいグルグル考えてしまった。
    私はどうしても親の立場で読んでしまうので、最初は素直に「よかったね」と思えなくて

    主人公は最後に究極の選択を迫られる
    「あなたにとって幸せとは?」と最後に突き付けられた気がしました。
    長い時間をかけて出した彼女の答えに心が震えた。そしてやっぱり素敵な作品だなと思った。
    すごく面白くて、絵が可愛くて、登場人物がみんな魅力的。明るいのに切なく、ロマンティックな物語。

    11年間、連載お疲れ様でした。
    途中で打ち切りの話が何度もあった作品。コロナとかいろんな危機があったけど、長い時を乗り越えて、大切に紡がれてきた物語。
    あとがきで続編とアニメ化のお知らせを知った時、ちょっと目頭が熱くなりました。
    アニメ化、おめでとうございます。
    続編、楽しみにしています
  • ミナミザスーパーエボリューション

    三都慎司

    絵が超~~綺麗
    2026年3月31日
    ある日突然超能力の才能が開花した高校生・ミナミの物語――。

    1巻まで読了。
    超美麗な本格SF「アルマ」の作者様。アルマは重厚シリアスだったけど、こちらは一転ライトテイスト。舞台も現代の高校で、とても読みやすい。

    いつも圧倒的な画力で魅了する作者様。2ページぶち抜きの、ダイナミックで美しい作画が圧巻。
    今回の主役は水の表現。凄まじい量の水がぶわっと浮き上がったり、大迫力の見応え。

    意外だったのが今回の主人公…かなりアホの子です。親目線で見てしまうせいか、とても危なっかしい。
    …でもこのミナミのアホさには、多分理由があるのね。
    1巻はまだこれからと言う感じ。果たしてミナミはNYに行けるのか――

    超綺麗な作画で描かれる、ファンタジーな学園コメディ。面白かった。
    三都先生のXを拝見していると、毎日締切に追われながら1コマ1コマ大切に描かれているご様子。傍から見てるこっちまで胃が痛くなりそうですが、どうかお体を大切に…応援しています
  • あめとつち

    庭田羊々

    優しい物語
    2026年3月26日
    陶芸家の直と、彼の家の修理に訪れた青年・木綿の物語――

    初読み作家様。
    絵が最高に綺麗で可愛い。人物も風景も、まるで絵画のように美しくて目を奪われる。
    ワンコのロクロが身悶えするほど可愛い

    柔らかさと優しいタッチの絵そのままに、世界観も優しく穏やか。
    なんでもない日常の中で、ゆっくり二人の距離が近づいてゆく

    作画の美しさが強烈に印象に残る作品だけど、物語のテーマもとても素敵な作品でした。
    目に見えなくても確かにそこに存在する、大事なものとか
    それに気付くことの幸せとか
    物語から滲み出る、誠実さと優しさが胸に染みる

    嫌な人もきつい描写もナッシング。読後はほっこり。犬が可愛い。
    ヨレヨレに疲れて至急癒しを求めている方におススメです
  • 勝手にメロつくな!

    伝子まねゑ

    上手い…
    2026年3月21日
    バーチャルアイドルの硫黄りん(りんぽょ)を密かに推してる大学生・東郷は、ある日りんぽょの神絵師・ハピネス万札ビキニ先生と出会う――

    BLの中で今一番注目してる作家様。今作はナンバーナイン。短編。しかも全年齢!?と少し驚きながら読んだのですが、さすが伝子まねゑ先生…すっごく面白かった。
    構成、構図に全く無駄がない。40ページという短さの中に、ワチャワチャと2人の楽しいオタ活生活を描きつつきっちり伏線を仕込み、最後はスパーンと鮮やかに幕を引く。
    短いけどストーリーがしっかりしているのでかなりの満足感。気軽にサクッと楽しめる、ブロマンスなコメディ。オススメです
  • アポカリプスの星を抱いて

    生鐡落/.Poika編集部

    神レベルの画力で描かれる本格SFBL
    2026年3月19日
    『SANCTIFY霊魂侵蝕』の作者様。新刊作家買い。1話まで読了。
    圧倒的画力を持つ作家様。この新作も凄まじかった。絵から気迫をビシバシ感じる

    しかも今作は、ページ送りが右から左!!!
    「SANCTIFY」はページ送りが逆なのが最大のネックでしたが、今作は右から左に読めるのでかなり読みやすかった

    550年後の世界が舞台。核戦争後、人類は地下都市で暮らしている。上層階ほど特権階級が住んでいて、下に行くほど治安が悪い。主人公は最下層のスラムでホストをしている青年。最下層から抜け出すため、怪しい依頼を引き受けるが――という物語

    まだ1話なのに絵も物語もすごく濃い。読み返すほどいろんな発見があって面白い
    1話の最後、とんでもない方向に話が広がってびっくりした。そして表紙…。えぇ、どうなるんだこれ……今のところ全く予測不能

    スーパーハイレベルな画力で描かれる、ディストピアSFBL。先生の描く世界をこれからしばらくリアルタイムで追えるのがすごく嬉しい。続きを正座して待ちます
  • 駐在さんとわたし

    尚騎ユウ

    イケメン警察官の破壊力
    2026年3月18日
    田舎のヤンキーJKと、駐在警察官の物語――。

    1巻読了。新刊作家買い。
    『裏切りは果てるまでお前を責める』で美しい作画と硬派なサスペンスが素晴らしかった作家様。試読でイケメン巡査に心を射抜かれ、即決購入。
    立見さん…警官制服+細マッチョ筋肉美+さり気ない優しさのトリプルコンボ。鼻血ものでカッコイイ。しかもどこか影があって、危険な香りが少しする。最っ高…

    ヒロインも魅力的。
    最初は昭和の香り漂うスケバン姿に「!?」てなったけど、彼女を知っていくうちにどんどん好きになっていった。不器用だけどまっすぐで、その危うさと綺麗さに目が離せない。

    日常系ヒューマンドラマか恋愛ものかなと思いながら読んでいたのですが…あれ?もしかしてそれだけじゃない……??
    「裏切りは果てる…」の作家様なので、何が始まっても不思議じゃない。これからさらに面白くなりそう
    謎の芸人・横山ダブルがいい味出してる。2巻で実物拝めるかな?続きが楽しみ

    『裏路地の男子たち』でも思ったけど、尚騎ユウ先生は人物をきちんと描いているところが好き。裏路地…は少しアウトローな男子たちが出てくる短編集。こちらもすごくよかった。オススメです
  • 雪はともえに

    田亀源五郎

    大正浪漫
    2026年3月17日
    大正11年。激動の時代を生きた男たちの物語――。

    フォロー様のレビューより。1巻まで読了。
    さすが田亀先生…とても読みやすく面白い。時代物で情報量が多いのに、絵も物語も簡潔にまとめてる。

    いい年をした男が甘味を喜ぶなんてみっともないと、世間の目が今よりずっと厳しかった時代。そんな中、甘いもの大好きなおっさん二人がこっそり甘味処でキャッキャウフフと楽しそうにしてる姿が可愛い。

    主人公は同性愛者で、運命のように出会った男にどんどん惹かれてゆくけれど……
    BL嗜む人はさらに楽しめると思います。
    タイトルの「雪はともえに」が出てくるシーン、すごく素敵だった。

    作者様が「時代物のフィクションで、市井のゲイを主人公にした物語があまりない。…ないなら自分で描くよ!」と始まったこの物語。カフェ―、モダンガール、東京博覧会…二人の世界を通して映し出される、大正ロマンの世界。1巻まではとても平和で美しい世界だったけど、それだけですまないのが大正時代よね……
    これからどうなっていくのか。続きが楽しみです
  • 日本三國

    松木いっか

    理知で闘う
    2026年3月5日
    文明が崩壊し、三国に分かれた近未来の日本。
    日本を再統一するために故郷をあとにした、ある青年の物語――。

    2巻まで読了。ストーリーもキャラもドラマチック。どのシーンも派手で見ごたえがある。アニメ化と舞台化が同時に決定したのも納得の面白さ。一見難しそうに見えますが、シナリオがすごく練られているので読みやすい。一度読み始めたら止まらなくなりました。

    この作品が他の作品と違うところは主人公。知力だけで修羅の世界を戦ってゆく。
    まっすぐ物事の本質を見極める深い知性。冷徹な判断力。業を背負う覚悟と清廉さ…すごくカッコイイ。
    ストーリーもキャラも一本筋が通っていて、作品が放つパワーに圧倒される。
    流血、処刑、ガンガン入っているので苦手な人は注意。

    3/7まで二巻無料。
    読み応えのあるエンターテイメントな作品を探している人におススメです

    (追記)
    舞台とアニメの「日本三國」サイトも是非チェックしてみてください。
    すっ……ご!!舞台のキャストすご!!ここまでマンガのキャラが三次元で再現するのすご!!
    アニメの予告も痺れるほどカッコイイ。必見です

    【2026.4.11 追記】
    7巻読了。7巻も最高に面白かった
    さまざまな人物や国の思惑が入り乱れ、軍略・謀略が錯綜する。ちょい難しいけど、しっかり物語が整理されているので置いてけぼりになることもなかった。巻が進むごとに面白さが加速してる

    アニメも第一話まで視聴。
    こちらも素晴らしかった。声優さんの声がイメージ通り過ぎて怖い。Xでもかなり話題になっていて、海外からも絶賛の声が聞こえてくるのが嬉しい。OPの曲が滅茶苦茶好きで、ここ数日狂ったようにリピートで聴いていたり…完全に沼ってます
  • てんある

    蜂煮

    ハッピーポイント2000点でドン
    ネタバレ
    2026年3月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 母親を亡くし怪しい宗教に嵌った朝陽と、天使ミカの物語――。

    新刊作家買い。
    蜂煮先生はわけがわからないけど中毒性があって。冒頭の怪しい宗教がズンタッタしてるところから思わず顔がニヤけてしまう。
    天国に商店街のクーポンみたいなポイント制があったり。天国裁判所では天使がパイプ椅子に座ってたり。シュール。
    初読のとき「今回の話は薄味だな?」と思ったのですが、気のせいでした。読み返すほどにじわじわくる。この蜂煮作品独特のジワる感覚がたまらない

    【以下ネタバレ】

    でも奇異で面白いだけじゃない。
    思いもよらない方向から真面目なテーマを読者にぶつけてくるのが蜂煮先生。

    最初読んだときは、なぜ神様が「朝陽を幸せにしてきなさい」と命令したのか分からなかった。私もミカと同じく、ポイントを稼ぐのなら誰でもいいじゃんと思ったから。

    でも地上天使の目的は、人間の幸せ
    ポイントが多ければいいものじゃないのね
    幸せとか愛って、搾取するものじゃないんだよと。ただ一人を大切にして、そのことに気付くんだよと。神様はミカに気付いてほしかったのかな……あらやだ神様、意外といいやつじゃん!?
    ハッピーポイント2000点のシーン。
    多分あそこでミカは朝陽と恋に堕ちたのね
    最初は「愛してる」と口先だけで言っていたミカが、最後はその一言で赤面するシーン、よかったな

    エチはほぼギャグ。だがそこがいい。
    今作品も面白かった!好き!
    次の作品も楽しみにしています
  • これが恋だと知っている

    かねもと

    幸せの通り道
    2026年3月1日
    うわーん、この作品、すっっごく良かったぁぁ!!(本日2回目)

    かねもと先生の最新作。号泣しました。
    売れない文芸作家と、彼に恋するイケメン編集者と、作家の娘の物語――。

    とても奇妙な三角関係。
    人物も展開もぶっ飛んでいるけど、サクサク読めて面白い。

    驚いたのが下巻。
    軽快なラブコメモードから一転し、作品のテーマに鋭く切り込んでゆく。

    物語の終盤に、主人公が血の滲むような思いを吐露するシーンがあります。そこからもうずっと涙目。最終章は泣きながら読みました。悲しい涙ではないです。言葉のひとつひとつが胸に刺さりまくって、涙が止まらなかった。
    恋の形にもよるけれど、辛い恋ってまあまあ地獄で
    悩み、もがきながらも前に進み続ける二人が眩しかった

    少しほろ苦で爽やかな読後感
    この作品、滅茶苦茶良かった。読みやすくて面白く、最後は胸にぐっとくる骨太のヒューマンドラマ。この作品はもっとたくさんの人に読まれてほしいな… 超おススメです
  • 夢の終わりで待ち合わせ

    仁嶋中道

    夢の中で集合
    2026年3月1日
    不眠症の大学生・朔と、幼馴染の旭人の物語――。

    新刊作家買い。
    うわ~ん、この作品、すっっごくよかった!

    幼いころ家庭の事情で離ればなれになった二人。
    大学で再会した時、相手は目の下に深いクマを作りやつれていて…

    淡々と描かれるシーンなのに、言動の端々に滲む思いやりや優しさに、読んでいて何度も泣きそうになりました。
    優しすぎる故に傷ついて苦しんで
    でも相手を愛しいと思う気持ちはブレなくて

    仁嶋先生は人に対する視点が深くて優しい
    先生の作品はいつも心が痛くなるくらい誠実で
    その胸の痛みを優しさで包み込む

    ふわっと心が温かくなる、とても素敵な物語でした。
    えちは控えめ。ほぼないけれど品があってすごく美しかった。
    優しい救済の物語を探している方におススメです
  • 三十路の恋は甘くない

    倫敦巴里子

    酸いも甘いも
    2026年2月27日
    新刊作家買い。
    倫敦巴里子先生の描く、スイーツ業界を舞台にしたリーマンBL――そりゃ間違いなく面白いわと試読もせずに購入

    すごい…ネームや台詞に一切無駄がない。流れるように話が進み、魅せるところはきっちり見せるメリハリの巧さ。もうこれ重要無形文化財の域だわ

    二人とも超優秀で大人の男。
    最悪な出会いから始まった二人だけど……これ以上はネタバレになるから割愛しますが、本当に見事な構成。

    後半がすごかった。
    全てが綺麗に繋がってゆく。人も物語も。その爽快感と満足感
    すっごく面白くて、深くて熱い人間ドラマでした。

    この作品、大っ好き。
    「BUDDYS」が好きな人は今すぐ読んで。最高に素敵な、本格お仕事BL。気が早いけど、この作品はアワードに来るんじゃないかな…来てほしいな…
    ストーリー重視で読み応えのあるBLを探している人におススメです
  • アフターゴッド

    江野朱美

    絢爛豪華な悪夢
    2026年2月24日
    オホーツク海沖で謎の巨大生命体が発見されて30年。
    東京は危険区域として封鎖されている中、友人に会うために佐賀から来た和花は、研究員の時永と出会う――。

    この作品、すごかった。
    最初は「難しいかも?」と思っていたけど、意外と読みやすい。キャラも明るくテンポが良いのでサクサク読み進めていたら、一気に闇の中に引きずり込まれる。

    凄まじい画力。容赦ない世界観。
    複雑な物語なのにぐいぐい読ませる構成や独創性が、そこらへんのふんわりファンタジーとは異次元のレベル。
    特に10巻…まるで絢爛豪華な悪夢。ぞっとするほど美しい。

    エンタメ性と芸術性が奇跡のように共存している作品。
    まだ完結していませんが、この作品はダークファンタジーの金字塔になる気がする。
    あまりにも好きだったので、10巻まで読み終わって即『亜獣譚』を全巻大人買い。江野朱美先生は沼。嵌ると二度と抜けられない、美しい闇の沼でした。
    戦闘シーンは激しいし死人も出るので苦手な人は注意。
    3/7まで3巻無料。ダークファンタジー好きな人にオススメです
  • 友達だった人 絹田みや作品集

    絹田みや

    忘れているだけ
    2026年2月15日
    マンガ大賞2026ノミネート作品。
    4編の短編集。ネットの友達のお葬式に行ったり、幼馴染とコミティアに参加したり、会社で心身削られる話だったり――人生いろいろ。

    どこにでもありそうな話…だけど胸にグッとくるのは、心の底から湧き上がる思いを、飾らず誠実に語っているからかな

    あのとき確かに二人の間にあった絆
    理不尽に立ち向かう気力
    抗う気持ちに蓋をして、封印したものと一緒に忘れてしまった何か

    失ったわけじゃないのよね
    ただ忘れていただけ
    思い出せば大丈夫だよ、って
    物語に言われたような気がした

    ふわっと優しさに包まれるような、染みるような読後感。
    この作品、とてもよかった。
    静かな夜に。おススメです
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー

    アンディ ウィアー/小野田 和子

    超絶面白い(追記あり)
    2026年2月13日
    主人公はベッドの上で目が覚めた。
    ここがどこかも、自分の名前も、全て記憶が消えていた――。

    各方面で絶賛されているこの作品…
    すっっっごかった。
    思わず語彙力なくすほど、本当にすごい作品だった。

    とにかく面白い。
    海外SFって難しそうだけど、難しさより面白さのほうが勝ちます。面白すぎて止められず、寝不足で鼻血が出そうになりました。

    壮大な舞台
    奇想天外な展開
    次第に明らかになる驚愕の事実――
    読み終わったあと「この世にはドキドキワクワクするようなことが、まだ沢山あるのかもしれない」と思った。

    この作品はネタバレなしで。
    レビューはもちろん、あらすじも表紙も見ずに。映画の予告も見ずに…まずは読んでみてほしい。滅多にお目にかかれないほどの、超絶怒涛の読書体験が味わえます。

    映画「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は来月3/20公開予定。
    この作品は原作未読で映画を見ると、かなりもったいないと思う。先に原作を読むのがおススメ。本を読む楽しさが凝縮されています。
    この作品、本当に最高に素晴らしかった。映画もすごく楽しみです

    【2026.3.20追記】
    映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』観てきました。面白かった!
    この大作を2時間半にどうやってまとめるのか興味津々だったけど、すごく頑張ってまとめていました。ダレないようにポップ調に仕上げているのもお洒落。
    でも科学的な部分の説明をかなり端折っているので、映画だけだと「なんでや」と思う部分がちょっとあります。原作を読んで見に行ったほうがきっと楽しめると思う
    大迫力スペクタクルな映像は素晴らしかった。劇場で観るのが正解!正解!正解!
  • りゅうとあまがみ

    角丸柴朗

    明治×新潟×郷土料理
    2026年2月11日
    舞台は明治18年の新潟。そこに父と共にやってきたイギリス人の女の子・ウィローの物語――。

    かなり珍しい舞台設定。とても絵が可愛くて読みやすい。
    主人公が新潟で出会ったのは妓楼で下働きしている男の子で、彼の作る地元料理の美味しさにパァァ…と表情が明るくなるウィローがすごく可愛い。

    登場する料理は鯉料理や車麩など、新潟の郷土料理。当時の町並みや今でもある老舗のレストランの話なども入っていて、読んでいて興味が尽きない。けんさん焼きが滅茶苦茶美味しそう。さっそく作り方をググったけど、これIHでどうやって作ればいいんだろう…

    今のところ辛い展開は特になく、ちょっと異色の料理漫画としてサクッと気軽に読めます。
    1巻は続きが気になるところでコンティニュー…2巻が楽しみです
  • ザハの恋

    嵐山のり

    恋愛×ミステリー
    ネタバレ
    2026年2月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ コミック版「魔王の帰還」の作者様。
    魔王の帰還がすごく良かったので、こちらも楽しみにしていました。
    この作品はできるだけネタバレなしで読むのがオススメ。ザハの恋にミステリー要素も加わって、目が離せない面白さ。愛について考えさせられる、とても素敵な作品でした。

    【以下ネタバレ注意。未読の方はスルーしてね】

    ただ、彼女のあの大胆な決断は…危険すぎると思った。成功したからよかったけど、うーん。
    それから後半に出てくる、朝日の件。
    二人が大事な話をしてるのに、私は朝日のほうが気になって感動するどころじゃなかった。あとからきちんと伏線回収をしてるので納得はするけれど、物語としてなめらかに楽しめなかったのが少し残念でした。
    そして一番気になったのが老人の描き方。ツグミさんを見るたびに違和感を感じ、最後まで話に集中できなかった。メインキャラだったのでこれはきつかった
    でも、こんな些末なことがいちいち気になるのは私だけだと思う!こんな意見もあるということで…

    大胆な発想と構成で、この難しい設定をスーパーハッピーエンドまで持っていった手腕は本当に見事。キャラもみんな魅力的で、特にザハはめっちゃ可愛くてカッコよかった。次の作品も楽しみにしています

    【2026.2.24追記】
    いろいろ気になることはあったけど、作品が訴えるテーマはとても素敵だったなと今は思う。老人の描写という私の地雷が大爆発しましたが、テーマに即した見事な構成…最初評価を☆4にしていたのですが、☆5に変更しました
  • 結婚の条件

    忠津陽子

    起点
    2026年2月2日
    40年以上昔の話。
    当時小学生の私が祖父母の家に帰省した時、親戚が書店に連れて行ってくれた。

    瀬戸内海に浮かぶ小さな島の、古くて小さな本屋さん。
    「この中から1冊、好きな本を買ってあげるよ」と言われて。
    目の前にずらっと平積みにされたマンガの表紙が、ピカピカ光っているように見えたのを今でも覚えてる。
    すごく悩んだけど、その中でも一番ピカピカ光っているように見えた本がこの作品でした。

    私が生まれて初めて読んだマンガ。
    いつか読み返したいなと思っていたのですが、まさかこの作品が読み放題にあるなんて――

    約40年ぶりに読んだ作品は、今ではあり得ない展開もあったりするけれど、それも含めて楽しかった。
    主人公が魅力的。
    ドジだし強引だし図々しいけれど、鋼メンタルの努力家。そして頭の回転が速い。次から次へ笑えるほどの不運に見舞われる中、機転と強運と根性で乗り切ってゆく。本当に久しぶりに読んだけど、自分のマンガの原点を見ているようで面白かった。

    このレビューで500件目。
    なので自分にとって特別な作品にしてみました。
    当時は1巻までしか読めなかったこの作品が、40年の時を越えて最後まで読み放題で読めたときは感慨深かったです。ありがとうシーモア
  • ミハルの戦場

    濱田轟天/藤本ケンシ

    フィクションでありますように
    2026年2月1日
    大陸からの侵略を受け、国土を分断された日本。
    戦争孤児のミハルは養父の仇を打つためスナイパーとなる――。

    原作は『平和の国の島崎へ』の濱田轟天先生。作画は『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』の藤本ケンシ先生…これは間違いなく面白いでしょと大人買い。3巻まで読了

    うーわ流石。容赦ない戦場シーンに一気に心を持って行かれる。軽重のバランスが絶妙で、ストーリーはかなり重いのに全くダレない。
    作画もすごい。演出、構図…全てが巧い。2巻の第8話が圧巻。戦場を疑似体験してるようなカメラワークが凄まじい。

    最初は拙く荒々しいミハルが、周りの人に支えられながら成長してゆく姿に魅了される。だけど戦争がなかったら恋や部活に一生懸命な女の子だったのかもしれないと思うと胸が痛くなった。

    戦争シーンですが、四肢は吹っ飛ぶし身体欠損もあるし軽く拷問シーンもあります。苦手な方は注意。
    日本が侵略を受けた理由がリアルすぎて笑えない。どうかこれからもこの物語がフィクションでありますように……

    ミハルの戦場に平和が訪れる日が来るのだろうか
    続きを心して待ちたいと思います

    【2026.2.11追記】
    ミハルの武器について…
    そうなの、ミハルの体格であの武器を使うと、多分肩ごと吹っ飛ぶから無理だとアーミーオタクの夫が指摘していました。
    だがしかし、「最終兵器彼女」とか「幼女戦記」とか…巨大武器と少女の組み合わせは古からオタクの萌であり伝統芸。青年漫画として、そこはきっと狙って描かれているんだろうな…そこらへんも巧いなと。私は思いました
  • ウリッコ

    殺野高菜/大森かなた

    新宿の深海魚、漫画家を目指す
    2026年1月27日
    ネカフェで体を売りながら生活をしている女の子が、お金のために漫画家を目指す物語――

    2巻まで読了。
    タイトルもストーリーもセンシティブ。かなり購入を迷ったけど、読んでよかった。今まで見たことがない漫画家マンガでした。

    1巻の表紙…主人公の前髪がギザギザなの。
    これ多分、自分でハサミで切ってるのね。目にかかる部分だけ、縦にバツンと。
    そこに綺麗に見せようという意思はなく、誰にどんなふうに見られるかなんてどうでもいい。楽にお金が稼げるのなら体も売る……

    そんな投げやりな毎日を過ごしていた彼女が、マンガを描くことによって変わってゆく。
    「マンガなんて楽勝っしょ」と適当に書き始めたマンガ。
    当然、そんなに簡単に描けるわけもなく。速攻で壁にぶち当たるわけですが。
    主人公、意外とガッツがあるの。そこからが滅茶苦茶面白い

    2巻までは事前と事後の描写はあっても、致してる描写はないです。
    生き方もマンガの描き方も滅茶苦茶だけど、ここまで突き抜けてくれるといっそ清々しくて面白い。
    とりあえず先入観は横に置いておいて、2巻まで読んでほしい。2巻がとくに面白いです。
    果たして彼女は漫画家になれるのか……いや漫画家はなったあとのほうが大変だと思うけど――これからも彼女の行く末を追っていきたいと思います
  • うちがキングダム

    森巡る/砂糖野しおん

    令和ほのぼのキングダム
    2026年1月24日
    東京から地方へ引っ越すことになった高校生の美姫。
    引っ越した夜、父がこの家は日本から独立し、王国となることを宣言した――。

    1巻まで読了。
    名作「マイ・リグレット」の砂糖野しおん先生が作画担当ということで読んでみました。

    日本から独立を宣言するということは所得税、住民税その他の税金はどうするんだろう。健康保険、介護保険、国民年金は…?と最初はツッコミまくっていたのですが、可愛い絵と流れるようなストーリーで気が付いたら一瞬で1巻を読み終わっていました。絵もストーリーもいい感じに力が抜けていて、とても読みやすい。

    多分、お父さんの王国樹立宣言には理由があるんだと思う。
    突然王族にさせられた女子高校生の日常が可愛くほのぼの描かれていて面白かった。
    1巻はある部分がとても気になるところで終わっています。早く2巻出ないかな…。
    サクッと読めて面白い、日常系の作品を探している方におススメです
  • 金曜日はアトリエで

    浜田咲良

    秋のサンマ、旨いよね
    2026年1月11日
    この世に軽く絶望しながら帰宅していた環(たまき)は、路上に落ちているサンマと男に出会う。
    環は男に求められるまま服を脱ぎ、腹の上にサンマを乗せた――。

    冒頭から「なんやそれ」って感じだけど、この作品、予想以上の大ヒットでした。
    ぶっ飛んだ変人画家が一周回って可愛く見えてくる不思議…。台詞も演出も構成も上手い。4巻一気読み。

    アハハと笑いながら二人の恋を眺めていたら、日々忘れがちなささやかな幸せに気付く。
    「ありがとう」「いってらっしゃい」――日常の言葉の中に含まれる、相手を大切に思う気持ちや応援する気持ち。美味しいものを食べたとき、思わず二人で笑い合うときの温かい気持ち。
    そんなささやかな幸せがいっぱい詰め込まれている作品。読み終わったあと、幸せな余韻がいつまでも胸に残った。

    明日も頑張ろう、って。
    そっと背中を押してくれて、元気になれる作品。オススメです
  • さむわんへるつ

    ヤマノエイ

    深夜27時の電波で繋がる二人
    2026年1月7日
    深夜ラジオの大喜利コーナーで読んでもらうため、ネタメールを送り続ける2人の高校生の物語――。

    「今月のジャンプの新刊で、連載開始と同時に話題になり、発売前にネット書店は予約で売切れ、書店に置いたら即完売になる漫画がある」という噂を聞いて試し読みをしたら…止まらなくなりました。うーわ、これはすごい。

    作者様、関西の人なのかな…お笑いのレベルがとんでもなく高い。ネタがキレッキレ。試し読み1分でコーヒーをモニターに吹き、3話の楽器ケースはヤバかった…まさに抱腹絶倒。あのシチュエーションあのネタを突っ込んでくるところが尋常じゃない。

    無茶苦茶面白いうえに、ピュアっピュアな恋愛要素も盛りだくさん。エモいシーンが要所に絶妙に入れてあって、二人の可愛い恋に萌え散らかしました。
    この作品は次にくるなんとかのランキングに必ず入ってくると思う。すっっごく面白くて可愛かった。
    お笑いのツボって人によると思うので、試し読み推奨。1話を読んで笑えたら、迷わず買って大丈夫だと思います。1/18まで試し読み増量中
  • 右園死児報告

    新川権兵衛/かかし朝浩/真島文吉

    読むだけで呪われそう
    2026年1月3日
    その厄災は突如現れる。
    人間、動物、無機物…その名がつけば厄災を誘引する。その名称に接した者は錯乱し、この世ならざる者となる――。

    タイトルが不穏。内容も不穏…淡々と続く報告書が怖い。
    思想洗浄、精神洗浄など、出てくる言葉がさらに怖い。
    断片的に語られていた報告書が、次第に繋がってゆく
    黒々とした悪意。増殖する狂気
    圧倒的な画力で描かれる禍々しい世界に圧倒される

    この作品、何度も前の話を引用しながら話が進みます。
    そのたびに前のページに戻るのが面倒で、紙で買えばよかったかな~とちょっと後悔したけれど……でもこの本が家に置いてあったら相当怖いよ!?持っているだけで呪われそう――
    なんか、そういうことを本気で思ってしまう恐ろしさがありました。得体のしれない恐ろしさが、ガチです。
    容赦なく人がバタバタ死んでいくので苦手な方は注意。

    「狼は眠らない」の素晴らしいコミカライズでファンになった新川権兵衛先生。今度こそシリーズ完結してほしい。まだ1巻ですがホラーサスペンス好きにはたまらない面白さ。オススメです
  • 【電子単行本】彼とオバケと恋愛小説家

    西田ヒガシ

    呪と書いて愛と読む
    2026年1月2日
    恋愛が苦手な恋愛小説家の、恋と呪いの物語――。

    西田ヒガシ先生の最新作。
    大好きな作家様なので期待値MAXで読み始めたのですが……最初、さっぱり意味がわかりませんでしたww
    でも主人公に取りついたオバケちゃんがとにかく可愛くて楽しい。漢字に弱いところが何度見ても笑える。何も考えずにアハハと読んでいたら、サクッと冷徹な世界が背中から刺してきてビビる。この感情のジェットコースター…さすが西田ヒガシ先生。

    主人公にかかった呪いと根本的な恐怖。それをそっと見つめるオバケちゃん…
    最後まで予測のつかない展開で、とても面白かった。
    210頁。書き下ろしと後書きはナッシング。彼らのその後とあのあとがき、読みたかったーっ!

    今年初めて購入した作品が西田ヒガシ先生で嬉しかった。
    これからも先生の作品を楽しみにしています
  • 極楽にはまだ早い

    天野実樹

    すっごく絵が綺麗
    ネタバレ
    2025年12月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 時は江戸。罪人の死刑執行を執り行う役人・雪成と、彼を取り巻く市井の人々の物語――。

    美しい作画。ドラマチックな構図。孤高の宿命を背負った主人公……うわ~、なにこれめっちゃいい✨️と試し読みで一目惚れ。新刊衝動買い。
    親しみやすいキャラと明快なストーリーで、読みやすく面白かった

    【以下ネタバレ】
    登場人物に月代のない、総髪の町人が登場するので時代は幕末かな…。
    火消のお兄さんの髪形が現代風なのでびっくりしたけど、江戸時代末期…ざんぎり頭だとこういう髪形もアリ…なのか??
    だけど町人が武士の名前を、いきなり呼び捨てにしてるのはとても違和感がありました。あんたとか呼んでるし…汗。さすがにそれは即刻斬首されない??

    でも本当に作画が素敵。活き活きした表情がとてもいい。火消の彼とバディを組んで暴れまわってくれないかな…2巻が楽しみです
  • ゲットバック

    古泉智浩

    漫画の亡者たち
    2025年12月28日
    漫画家になって連載を目指す、ある高校生たちの物語――。

    新刊衝動買い。試し読みをしていたら止まらなくなりました。
    Xで「かなりセンシティブな漫画家マンガ」と言われていたのですが、なるほどこれはwww
    読者によっては不謹慎だと怒られそうな内容なんだけど、私は笑っちゃいました。アハハという笑いではなく、ニヤリという感じ。主人公の最後の表情がとても印象的。

    今の日本の漫画界って、ちょっと膨大過ぎるのかなと思う。マンガは好きだけど、とても全ては追いきれない。
    毎日何百と生まれては消えてゆく膨大な作品たち。厳しく淘汰される世界で、何年も闇の中を彷徨っている漫画家さんがいま日本にどれくらいいるんだろう…

    全てを読み終わり、ふとタイトルの意味に気がついてまた吹きました。
    まさに令和の漫画家マンガ。面白かったです
  • 【電子単行本】アフターファイブ&ファイブ

    西田ヒガシ

    西田ヒガシ先生の新作!!!!!
    2025年12月25日
    仕事もオフも充実している主人公。夜は会社に秘密でナイトクラブのダンサーをしていたら、ある日店に同僚の男がやってきた――という物語。

    一度ハマると癖になる、独特の語り口。
    無駄のないネーム。洗練された会話。主人公が恋に落ちる瞬間も上手い。構成も演出も本当に上手くて、流れるように話が進んでゆく。すごく面白い。

    でも面白いばかりで決して終わらないのが西田ヒガシ作品。
    ひたひたと押し寄せる、主人公の孤独と覚悟が胸に迫る。
    どんな時でもユーモアを忘れない、大人でタフで孤独な彼ら…二人の幸せを心から祈った。

    上質な芝居を見たような読後感。
    165頁。描き下ろしとあとがきはないです(あのいつものあとがき、見たかった…)。連載のときも面白かったけど、1巻まとめて一気に読むとまた印象が違い、ストーリーの巧さが更に際立つような気がしました。

    ストーリー重視派の人はとにかく読んでみてほしい。ふふふと笑えて最後はふわっと幸せな気持ちになれる、ちょっとほろ苦い大人のBL。オススメです。
  • 村娘、魚として騎士様の恋人となる

    大川なぎ/柏いち

    刺身にならなくてよかった
    2025年12月19日
    不運にも魔法で魚にされてしまった主人公が、通りすがりの騎士に拾われる物語――

    1巻完結。短編です。さすが島のオススメ…すごく面白かった。
    恋愛ものというよりは、シュールなコメディ。
    眉目秀麗な騎士様のご乱心っぷりがヤバい。そのご乱心ぶりに淡々とツッコミを入れるヒロインにずっと笑いが止まらない
    サクサク読めて読後もほっこり。頭真っ白にして楽しめます。

    ヒロインの、金目鯛にしか見えない姿がとても美味しそうだった。
    私なら二枚におろして半身は刺し身、残りは塩焼きにして食べてる。
    クロエ、優しい騎士様に拾われてよかったね。
  • 映画は予告編の後に始まる

    藤原嗚呼子

    青春シネマミステリー
    ネタバレ
    2025年12月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高校のとき突然この世を去った茜。15年後、学校に埋められたタイムカプセルを開けてみたら、彼女が遺したビデオの中に思わぬ音声が入っていた――。

    上下巻一気読み。面白かったです。
    ですが…ですが!

    【以下、かなりネタバレしてます】

    問題のビデオが録画された状況が、あり得ないと思った。
    あの状況で逃げるのか―ー。…こういう人もいるかもしれない。だけど私はこの部分が致命的に受け入れられなかった。

    そして主人公たち…自分たちは安全なところにいて、正義を振りかざしながら被害者のキャリアを躊躇なく破壊しようとする傲慢さがうすら寒い。
    女優の巻野も茜の死に一度も疑念を抱かないなんてありえないと思った。映画の主役に決まった時点で、考えることをやめたのかな…と。
    全ての謎が解けたあと全体を俯瞰してみると――汚い大人の世界でただ一人、綺麗なまま逝った茜が可哀想だった。

    ミステリとしてはとても面白く読みやすいです。
    でも全体的に性犯罪に対する扱いが軽く感じて、かなりモヤモヤしました。また日をおいて読み返したら感想が変わるかも……とりあえず☆4

    2026.2.22追記
    日をおいてこの作品を思い返すと、あとに残ったのはやはりモヤモヤした部分のほうが大きかったので…すみません評価を下げます。作画はとても綺麗で好きでした。
  • 国を蹴った男

    幾花にいろ/伊東潤

    君とふたり、泥舟に乗って
    2025年12月7日
    織田信長、豊臣秀吉、徳川家康…激動の戦国時代の中で、ただ毬を蹴って和歌を詠むことしか興味のない男がいた――。

    作画の幾花にいろ先生は以前「咬合」というアダルト作品(無料)を読んだことがあった作者様。「こういう本格歴史モノも描かれるのね。すごい振り幅だな」と数ページ読んでみたら止められなくなって一気読み。

    主人公は蹴鞠の毬の職人。勤め先のお家騒動のあおりを受けて無職になったところを、前職のツテで大名家のお抱え鞠職人として拾われる。
    主の今川氏真は蹴鞠のことしか興味がない人。
    太平の世の中だったらよかったけど、時代は生きるか死ぬかの戦国時代。蹴鞠をしているだけじゃどうにもならず、段々ヤバいことになってゆくのですが…

    老若男女を描き分ける、素晴らしい画力。蹴鞠のシーンも圧巻。
    主人公の主・今川氏真の人生が印象的だった。
    この人、もしも現代に生きてたらワールドカップの日本代表とかになっていたのかなと思うと、なんともいえない気持ちになった。
    自分のやりたいことと時代があっていない場合に、いかに自分らしく生きるか――そんなことを考えさせられました。

    12/7…あと数時間しかないですが、本日まで30%オフのセール中
  • 来見沢善彦の愚行

    ときわ四葩

    Oh、モーレツ!に面白い
    2025年12月4日
    かつて大ヒットを飛ばした有名漫画家・来見沢はここ数年スランプに陥っていた。編集部へ新企画を持ち込むも、よい返事をもらえずに帰途につく途中、漫画の原稿を橋からばら撒いている青年と出会う――。

    1巻読了。すっごく面白かった
    舞台は昭和46年。当時の空気感やマンガのタッチが見事に再現されている
    ずっと「なぜこの時代なんだろう?」と思いながら読んでいました。あえてこの時代に設定した理由…それがわかった時、ちょっと感動して鳥肌が立った

    物語の中で、主人公は大きな過ちを犯します。まさに愚行
    なんのために、誰のために漫画を描くのか――登場人物たちのがむしゃらな生き様に心を奪われる

    魅力的なキャラ、個性的なタッチ、先の読めないストーリー…続きが本当に楽しみ。映画のようなエンタメ作品を探している方にオススメです
  • ボーイズラブ・コンプレックス【電子限定特典付き】

    横澤しっか/Canelé編集部

    リーマン×メタバース×コンプレックス
    2025年11月29日
    パッとしない容姿。ストレスのたまるハードな職場。テレビ局ADの真太の唯一の楽しみは、風俗メタバースで過ごすアキとの時間だった――。

    ストレスばかりのしんどい毎日。ここではないどこかへ行きたい…誰もが一度はそう思うことがあると思うけど、彼らが向かったのはメタバースの世界だった
    仮想と現実の間で翻弄されるなかで、二人は自分たちが本当に行きたい場所がどこなのか理解する。そのたどり着いた場所がとてもBLらしくて好きでした

    BL界でもトップレベルのストーリーテラーな作家様
    主人公の真太くん、北の大地で掘り起こしたジャガイモみたいなビジュアルなのに、読んでいるとだんだん可愛くなってきて、しかも最後にはカッコいいとまで思えるマジックがこの作品最大の見どころかもしれない…

    今回の新作も本当に面白かった。読み始めたらラストまで一気読み。
    ストーリー重視、個性的な作品を探している人におススメです
  • ランチユーインザスカイ

    伊藤九

    刹那の美しさ
    2025年11月24日
    「おれは死んだら花火になりたいわけ。その花火を一緒に作ってほしい」
    自分の遺骨を入れた花火を作ろうとする、男子高校生たちの物語――。

    画面から迸る、強烈な個性
    一巻完結。表題作のみ
    この作品、すっっっごくよかった
    あまりに良すぎて、しばらくレビューができなかった

    とにかく二人が可愛いです
    二人のおバカなところも滅茶苦茶なところも笑っちゃうほど痛快で、読んでいてずっと楽しい
    果たして二人は花火を作ることができるのか…二人の無謀なチャレンジに目が離せない

    ラスト、胸に突き刺さりました。
    個性的なタッチの絵が、最後に胸をえぐってくる

    青春モノの名作は?って聞かれたら、多分ずっとこの作品を思い出すと思う
    センスの塊みたいな作品。楽しくて切なくて美しい物語でした
    静かな秋の夜に。おススメです

    【2025.11.26 追記】
    伊藤九先生のXで、三年前に描かれた短編「かないさん」が公開されています
    こちらもすっっごくよかった…
    無料で読めますので是非
  • 歌う猫のバズ

    猫手三

    Love
    2025年11月18日
    家のガスも止められそうな崖っぷちミュージシャン・ヤスオと、彼に拾われた子猫・バズの物語――。

    新刊衝動買い。冒頭の歌のシーンで心を鷲掴みにされました
    優しくふわっと描かれた歌詞が、彼の声質そのものを表してるのが面白い
    夢を追いかける歌だけど、物語が進むとその歌の印象がどんどん変わってゆく

    ハチワレの子猫・バズちゃんが滅茶苦茶可愛いかった
    ポポポポポポ…と増えて空を飛ぶシーンが素敵すぎてちょっと泣いた

    バズはヤスオと一緒に歌を歌うのが大好き
    バスは目が見えなくてうまく歩けないけれど、彼の歌声はどこまでも自由に飛んで行く
    ヤスオとバズの歌が、彼と周りの世界を大きく変えてゆく

    これ以上はネタバレになるので伏せますが、とても美しくて胸に響く物語でした
    読み終わったあと胸に残ったのは、温かくて尊い何かでした
    無私の愛と幸せについて考えさせられる作品。おススメです
  • ディグニティ -旅行医の処方箋-

    矢田恵梨子

    さいごの願い
    2025年11月13日
    重篤な患者の旅をサポートする、トラベルドクターの物語――。

    第一話から涙が止まらなかった。
    死の淵に立ってもなお自分らしく生きようとする人々と、その意思と尊厳を守るため奮闘する主人公たちの姿に胸が熱くなった。

    末期がん、重度の肺疾患――重い病気を抱える人が、どうすれば目的地に行けるのかという難題が常にあって。
    事前に視察し、あらゆる可能性を想定しながら対策し、患者と一緒に旅をする。
    莫大な費用がかかるけど、それでもその場所に行きたいと願う人々の、本当の願い…
    その命をかけた願いに、また涙が止まらない

    でも悲しい話ばかりじゃなく、旅を楽しもう、人生を楽しもうという強い想いが物語の中にあふれていて、旅のワクワク感や楽しさもきちんと描かれているところがすごくよかった

    生きるとは何か、医療とは何かを真摯に問いかける、骨太のヒューマンドラマ
    人は入院すると患者になるけど、その前に人間なんだと
    当たり前のことだけど、この作品を読んで初めて気付いたような気がする

    1巻は続きが気になるところで終わってます
    なんだか大変な過去がありそうな旅医者・運乗の過去もこれから明らかになっていくのかな…
    この作品、すっっごく面白くて深かった。
    続きを正座して待ちます
  • フォールダウン

    akabeko

    傲慢で横暴で自己中なオッサンが
    2025年11月8日
    は~~~~…すごかった。
    心のゆらぎ、焦燥、迷走…なんでこんなに心の機微を鮮やかに表現できるんだろう。akabeko先生の最新作、見事でした。最高に面白かった。

    今回の主人公、今までとかなりテイストが違います。
    社会のエリートで、アホみたいにプライドが高い。しかも傲慢で自己中。
    妻子に対する態度もひどく、最初は「えぇ…」という感じで読んでいたのですが、上条とのやり取りを見ているうちに、だんだんこのオッサンが可愛く見えてくるのがすごい。

    人間の心の弱さ。それを守る鎧と、鎧が破壊されたときに現れるその人の本質…弱弱だけど突っ張って生きている人たちに対する、作者様の温かいまなざしを感じました。

    そして最終盤――
    akabeko先生だ!akabeko先生の攻め様だ!!
    畳みかけるように攻めて相手を陥落させる手腕と色気…しかもふるまいがとことん大人!!余裕のある大人の優しさがたまらない
    akabeko先生でしか摂取できない養分を堪能させてもらいました。

    全体的にかなり実験的な構成だと思いました。終わらせ方も見事。すごい余韻…
    すっごく面白かった。
    この作品は続編が見たいです。お願いします続編をください。
    最後の検証の結果をぜひ続編で読みたいな
  • お憑かれさま、黒瀬くん【単行本版】

    たこまっちょ

    ホラー青春BL
    2025年11月7日
    この世ならざるものが視える霊感体質の結真と、悪霊にとり憑かれている同級生・叶糸の物語――。

    数ページで分かる、圧倒的画力。
    余白の使い方が上手い。人物も背景もすっごく綺麗。二人の絡みも含め、デッサンが完璧。絵に説得力があるので、一気に物語の中に入りました。
    もうこの作画が上下巻のボリュームで拝めただけで私は大満足。

    なぜか私、読む前はホラーコメディだと勘違いしていたのですが、とても真面目で誠実な物語でした。
    二人が親密な雰囲気になるたびに、霊に邪魔されるのが気の毒だった笑
    化け物はまぁまぁ出てくるけど、そこまで怖くないしグロくもないので、ホラーが苦手な人でも大丈夫じゃないかな…。ばあちゃんちに棲みついてた妖が切なかった。
    エロは控えめ。品があって綺麗。先生の画力が炸裂してます。

    全ての人と妖の幸せを祈りたくなるような物語でした。
    人知を超えた災禍のなかで頑張る二人が眩しかった。
    ストーリー重視で美しいファンタジーを探している方におススメです。
  • チェンソーマン

    藤本タツキ

    映画の前に5巻まで~
    2025年11月3日
    映画「チェンソーマンレゼ篇」を観ました。
    映像も音楽も最っっ高でした。

    原作だと5巻からレゼが登場
    もしも今から映画を見る予定なら、映画を見る前にまず5巻まで読むのがオススメです。原作未読でも多分大丈夫だけど、原作を読んでいたほうがきっと楽しめると思う

    さて原作。
    第一部の公安編、11巻まで読了
    以下、11巻までの感想です

    これは好みが分かれるだろうなと思った
    冷徹で容赦ない世界観
    血と肉片が飛び散る、激しい暴力性
    主人公はアホで、女の子とセッ…することしか考えてない
    だけど話がどんどんダークになってゆく中で、その陽気なアホさに救われたような気持ちになった。

    流して描いてる絵も、キメの絵も無茶苦茶上手い。ネームも構図もうなるほど上手い。
    原作を読んで、改めてキャラデザのすごさを実感しました。レゼのまとう爆弾の衣装が、攻撃のたびにはためくシーン、見惚れるほどカッコいい

    そしてストーリー…
    あくまで11巻までの感想ですが、かなりシビア。血も涙もないです。

    藤本作品は人と人とが結ばれない。たとえ強い絆が生まれても、一瞬で破壊されてゆく。
    それが戦車のように容赦なく、読者のメンタルをへし折ってゆく。
    その毒、その凶暴性…災厄レベル。
    作者は多分、漫画の悪魔と契約してると思う

    好みは分かれると思うけど、私はものすごく好きでした
    ダークでハードなファンタジーが好きな人にオススメです
  • 怪獣を解剖する

    サイトウマド

    命と、知性と、その未来
    2025年10月25日
    20XX年。巨大怪獣が東京を襲い、甚大な被害を与えた。
    それから11年後。怪獣「トウキョウ」の死骸が大豆島に打ち上げられた。
    怪獣学者の昭(あきら)は怪獣の解剖と調査のために大豆島に向かった――。

    この作品、すごかった。人生でそう何度も出会えないレベルの名作でした
    稀にこういう作品に出会うから、私はマンガを読むのがやめられないんだな…って思う

    テーマは生命
    上巻は専門的は言葉がたくさん出てきてちょっと難しかったけど、下巻が圧巻でした

    命とは何なのか
    自分とは何なのか
    この作品に出てくる、本当の怪獣とは――

    想像を超えた展開と、深い知性に満ちた壮大な世界観に、ただただ心を奪われる
    漫画ってここまで表現できるものなのか…すごいな
    気になった人は是非読んでみてほしい。この作品、本当に凄かった。おススメです

    【2026/1/20 追記】
    マンガ大賞2026、ノミネートおめでとうございます!!
  • イツキトチカ【電子限定描き下ろし付き】

    ナツギイチ

    ほっこり
    2025年10月24日
    大学内でも有名なイケメンのチカと、チャラ男の大学生イツキの物語――。

    「怪物デリバーと愛しき日々」の作者様。新刊通知を見た瞬間、あらすじも見ずにポチりました。新刊作家買い。
    お互い大好きなのに、好意が相手に全然届かない二人。
    大学生ではあるけれど、大人の世界にはまだまだ遠く…

    シリアスなシーンでも、ふっと力の抜ける会話がすごく好き。
    ナツギイチ先生はどの作品も会話がいいです。絵のタッチと台詞回しがかなり個性的な作家さんで、一度ハマると病みつきになる。
    とても可愛い二人でした。
    ふふふと軽く笑いながら読めて、最後は幸せな気持ちになれる作品。面白かった!
  • 電波のとどく時空にいます

    今村翠

    通話料すごそう
    2025年10月22日
    電波が届く時空ってどこよ…笑
    と、タイトルに笑って思わず手に取った作品。
    面白半分で読んでみたら、ここ最近で一番の掘り出し物でした。

    戦国時代にタイムスリップした幼馴染を、スマホでナビしながら今の時代に帰還させようとする物語――。
    最初少し読みにくかったけど、慣れると一気に面白くなっていった。先が全く読めなくて、いつの間にかこの世界に没入していました。

    幼馴染を現代に戻すためには、まず彼がいつの時代にいるのかを正確に解析しなくちゃいけなくて。
    何年に飛ばされたのかはすぐわかるのだけど、その時代背景を探るあたりが本格的で面白い。物語の謎解きと歴史の謎解きがうまくミックスされていて、よくあるファンタジーものとは一味違う、知的好奇心を刺激される面白さ。

    果たして幼馴染はスマホ一本で現代に帰還できるのか――
    「これからどうなる!?」と盛り上がってきたところで1巻終了…あ”ーっ!!
    1巻、すごく面白かった。続きが楽しみ。
    SF・歴史好きな人にオススメです
  • SMOTHER ME

    下元朗

    タイトルの意味
    2025年10月15日
    幼い頃から殺し屋として育てられた「蛇」は、ある日盲目の女性・リンと出会った――。

    魅力的な作画とダークな世界観。
    ジャンプって話もキャラクターも明朗なイメージがあるけれど、こちらは真逆をいくスタイル…好き。

    重量感のある物語でした。
    当たり前のように子供が大人に搾取される世界なので、読んでいて結構辛い。
    でもスピード感のあるストーリー展開で、上下巻一気読み。

    読みながらずっとこの物語は何を描きたいのかなと思いながら読んでました。子供が搾取される物語には、理由があるはずなので。
    最後にその意図が明らかになった時…胸に刺さりました。
    好みは分かれるかもしれない。でも、そこに作者様の祈りのような、ぶれない意思を感じて私は好きでした。
    とても魅力的な世界を描かれる作家様。次の作品も楽しみにしています。
    10/16までセール中
  • 水井恭一のTEENAGE LUST

    つづき春

    身体より心が欲しいから
    2025年10月12日
    3歳からゲイを自覚し、その容姿とテクニックでさまざまな恋愛を繰り広げてきた、ある男の物語――。

    初出は2001年。
    毎年何千冊というマンガが出版されているなか、四半世紀たった今でも電子書籍で販売されている理由が気になって、ずっとお気に入りに入ってた作品。

    絵も演出もレトロ。平成の香りがすごい。
    でも古さを感じていたのは最初だけで、話の面白さにあっという間に物語に引き込まれていった。
    他のレビュアー様も仰っていますが、今の時代にはないストーリー構成。
    逆にそれが今読むとすごく新鮮。
    そもそも13歳っていうのが今のコンプラでは無理じゃないかな…すごいな平成のBL。

    そんな年齢から経験を積んできた彼が、次第に自分が本当に求めているものは何なのかを自覚してゆくところ、感慨深かった。
    そしてこのストーリー構成が、最後にきちんと意味を持ってくるところがすごかった。

    ずっと絵柄の古さに読むのをためらっていたけど、滅茶苦茶面白くて深い、文学的な物語でした。
    ショタもリバもどんと来い、今どきのよくあるBLに飽きた人にオススメ。
    10/13までセール中
  • サヨナラに編むは、

    梅松町江

    一冊の本の出会いから
    2025年10月11日
    かなり前に購入したのですが、大好きで何度も読み返している作品。

    仕事人間の柊真と、手芸作家・糸瀬の物語。
    外資系企業に勤め、充実した日々を送ってる主人公。だけどどこか満たされなくて。「何か新しい趣味でも始めよう」と書店で何気なく手に取った手芸本をきっかけに、彼の日常が劇的に変化してゆく――。

    主人公が新しいことを始めるワクワク感と、どんどん世界が広がってゆく鮮やかさがすごく好き。イギリスのアラン模様とか、編み物のことがちょいちょい出てきます。編み物好きにはそれだけでもたまらないのですが、編み物の世界の深いところまで描かれていて、それが深く心に染みてゆく

    本当に優しくてあたたかい、素敵な作品。この作品、大っっ好き。
    ストーリー重視の人や、手芸が好きな方にオススメです。
    10/13まで半額セール中。
  • おさなな

    のきようこ

    面白かった!
    2025年10月10日
    新刊作家買い。
    今月は怒涛のセールで書籍代がかなりヤバいのに、試し読みをしてたら我慢できなくて…嗚呼。
    でも私の本能は間違っていなかった。のきようこ先生の新作、今回もすごくよかったです

    3組のCPの物語。
    幼馴染の二人。リーマンとヒモ男。兄友と弟君――。

    どの物語もすごく可愛かった。
    2番目のヒモ男くんの話が特に好きだったな
    酔っぱらってヒモ男を拾ってきました…っていうBLあるあるシチュエーションだけど、なんなんだこのピュアで可愛い男たち…きゅんが止まらない

    のきようこ先生は言葉のチョイスも上手いなと思う。上質な小説を読み終わったような満足感。この余韻が好き
    ドラマティックな展開は特にないです。でもそこが良い
    肩の力を抜いて、のんびり楽しめる短編集。とても癒されました
    同日発売の『アンコールを鳴らして』も近いうちにお迎えに上がろうと思います
  • ダルレッドの視線【電子単行本/限定特典付き】

    都築さびび

    ダルレッドから始まる恋
    ネタバレ
    2025年10月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高校教師の広瀬と、彼の隣の部屋に引っ越してきた謎の隣人・桐ケ谷の物語――。

    タイトルと表紙の、どこかダークな雰囲気に惹かれて新刊衝動買い。
    表紙の帯がネタバレしています。読み終わるまで帯は薄目で見たほうがいいかも

    桐ケ谷の透き通るような瞳が本当に綺麗。
    どこか儚く、寂しそうな表情に何度も見惚れる。

    ただ、二人の心のやりとりはちょっとわかりにくかったかな…
    主人公の先生は一体いつから桐ケ谷が好きだったのだろう。
    結局先生はゲイなのかノンケなのかバイなのか……いや先生、そもそもなんで結婚したん??

    全体的に物語がふわっとしていて、後半は背景が粗くなったのも気になりました。でも桐ケ谷は最後までカッコよかった。
    魅力的な絵を描かれる作家さんだなと思いました。次作も楽しみにしています
  • 俺はお前の愛で痛い【単行本版】

    南あらた

    この胸の痛みは
    2025年10月7日
    売れない男娼のユイと、ヤクザの番犬・義一の物語――。

    あまりにも絵が綺麗だったので、「なんちゃってヤクザでも構わない〜」なんて思いながら購入したのですが

    すみません、最高でした。かなり本格的な任侠ものでした。
    任侠にしては甘いと感じたところもありましたが、かなりシリアス寄りな世界観。
    義一の表情や漂う雰囲気が、ヤとしてパーフェクト。それがとんでもなく色気があって、第一話からぞくぞくが止まらない。

    そして主人公のユイのほうはさらにヤバい奴だったww
    命知らずの無鉄砲というか、あまりの危なっかしさに目が離せない。物語が活き活きと一度も止まらず疾走できたのは、彼のお蔭かな

    後半の展開がすごかった。
    しっかり丁寧に2人の人生と生きざまを描いてる。脇役まできちんと深掘りされていて、読み応えのある救済のドラマになってました。
    最後にタイトルの意味を理解した時、胸がぎゅっとなった。

    今年私が読んだBLの中で、文句なくベスト3に入る作品。
    多分来年のアワード、ディープ部門には必ず入ってくるんじゃないかな…
    エロよりも、ストーリー重視派におススメ。
    ダークで刺激的、骨太なヒューマンドラマ。最高でした
  • Battle Scar

    蔵本千夜

    戦争の傷跡
    2025年10月2日
    2022年ロシアがウクライナに侵攻した際の、ウクライナ人の証言をもとに描かれた短編集――。

    3つの話が入っています。
    二番目の話「アリョーナ」は戦場の性暴力の話。そのシーンも描かれているので注意。読むのがかなり辛かったけど一番考えさせられる物語でした。

    現在進行中の戦争について、片方のみの視点で描かれる漫画というのがうっすら怖かった。
    いなかったことにされた人々の声なき声。
    その声を世界に知らせたいという作者様の思いと覚悟が伝わる作品。
    戦争と漫画について色々考えさせられる作品でした
  • 呪いのせいにしておこう【コミックス版】

    伝子まねゑ

    闇の淵にて
    2025年9月28日
    「クズ野郎とセフ レ君」のスピンオフ。
    クズ野郎…は未読ですが、この作品から読んでも大丈夫でした。

    6年前、生徒に手を出した高校教師の市川。人を支配する快感に溺れ、卒業後もずるずると関係を続けていた。でも「普通の人」になりたくて、見合い結婚したのだが――という話。

    これは愛なのかなとずっと疑問に思いながら読みました。
    正直、登場人物の誰にも共感できなかった。
    だけど倫理とか常識を全てぶっ壊したあとに見える景色は、意外と清々しく美しかった。

    テーマとキャラの洞察が鋭く深いうえに、見せ方も上手い。
    最初どう見てもハピエンになりそうになかったけど、読後感はいいです。
    クズキャラが苦手なのでかなり購入を迷いましたが、読んでよかった。いつも参考にしているレビュアーの皆さまが、ずらっと高評価なのも納得。
    主人公二人の性格がかなりアレなので、評価は分かれるかも。私はこのぶっ飛んだ感性、すごく好きでした。
    闇BL好きな方におススメです
  • ちくわ戦記~おれのカワイイで地球侵略~

    ブブ

    柴犬最高
    2025年9月26日
    地球に潜み、人間の感情エネルギーを回収している柴犬型宇宙生物・ちくわ。
    もっちりボディを武器に「かわいいエネルギー」の回収率ナンバーワンのエリートスパイだった彼に、ある日強力なライバルが現れる――。

    …うん、あらすじを書いてても「なんじゃそりゃ」て感じねwww
    2巻まで読了。
    この作品はとにかく読んでみてほしい。超~〜面白いです。
    ちくわの表情が絶妙で上手い。
    喜び全開の顔、しょぼんとなった顔、注射の恐怖に震える様子、「オレ可愛いだろぉ~?」と自慢げな表情…はぁ、可愛い。
    ストーリーもたまにハラハラしつつもハートウォーミングな展開で、ほのぼの笑えて元気になれます。
    10/9まで1巻無料。超オススメです
  • ザッツ全身タイツメン☆イケメンドクターの困ったもっこり事情

    神咲めぐみ

    表紙を見た瞬間、思わずポチっていました
    2025年9月21日
    見るからにヤバい雰囲気
    読んでみたら本当にヤバかった
    「なんでやねん!!」とツッコミつつも、笑いが止まらない

    絵が綺麗だなと思ったら、TLのベテラン作家様でした。
    幅広い作風の作家様。TLは何作か読んだことがあるのですが、まさか全身タイツBLまで守備範囲だったとは…

    最後のほう、タイツなのか裸なのかわけがわからなくなったけど、タイツの醍醐味も堪能できたしまぁいいか。
    なんにも考えずに、アハハと笑えてスカッと終わる短編。
    さあ皆さまご一緒に、レッツ全身タイツメン☆
  • 柮薙薫る君の項【コミックス版】

    絶蝶

    オカルトでミステリなオメガバース
    2025年9月17日
    首のない雛人形。αのフェロモンの香り
    連続オメガ失踪事件
    失踪したオメガ達は皆、とつなぎ様と出会っていた――。

    うっわー、面白かった!この作品、滅茶苦茶好きでした。
    最初は謎だらけで意味が分からなかったけど、次第に繋がってひとつの物語になってゆく…
    ホラーでオカルト。さらにミステリ要素まで入ってる。読み返すと、いたるところに伏線が張られていました。オメガバ+オカルト+ミステリがうまく融合していて、とても読み応えがありました。
    ホラーなんで、流血も死体も出てきます。苦手な人は注意…ですが、私はこのグロさと愛がせめぎ合ってるところも好きだったな…。絵もすごく雰囲気があって素敵。

    BLというより、オカルトな雰囲気と緻密に組まれた伏線を楽しむ作品かも。読み込むほど面白かった。
    ホラー好きな方や、異色のBLを探している方におススメです
  • それは僕の愛じゃない

    深井結己

    しがみつく恋
    2025年9月13日
    一総と総太は一卵性双生児。
    兄の一総は、弟のふりをして一夜限りの相手に別れ話をしに行くことに。
    待ち合わせ場所に行ってみると、そこには自分がずっと恋焦がれていた作家・嗣原がいた――。

    初出は2009年。絵も修正も昔懐かしい感じ…。
    でも物語は今読んでも古さを感じなかった。

    この人が欲しい――
    狂おしいほどの恋情に突き動かされ、弟のフリをして付き合い始めてしまうけど、その苦しさと切なさ……だけの物語ではないところが面白かった。
    後半のたたみかけるような展開が見事。こ、こうくるか~!

    他に短編が2編入ってます。「ウソツキの秘密」も良かった。萌えました。

    ストーリー重視の人におススメ。
    この作品を読む前に『その唇に夜の露』も読んだのですが、こちらも面白かった。こちらはちょいヘビーテイスト。
    両作品ともストーリーがしっかりしていて、作家買い決定。
    15日まで半額セール中です。
  • おかえり水平線

    渡部大羊

    さりげなく優しい世界
    2025年9月10日
    祖父と共に銭湯を営む高校生の遼馬と、東京からやってきた、父の隠し子と名乗る青年・玲臣の物語――。

    1巻まで読了。この作品、すごく良かった。

    遼馬と怜臣。正反対の二人。
    学校から帰ってきて家業の銭湯を手伝っていたら、いきなり「あなたのお父さんの隠し子です」と言われてしまう遼馬。そんなこと簡単に受け入れられるわけないけれど…
    だけど、お互いを知るうちに徐々に絆が深まってゆく

    高校生って子供じゃないけど、大人でもなく。
    家庭の事情でどうしようもない事態になったとき、そのとき出会った人、そのとき選んだ選択が、まさに人生の分岐点になる時期。
    辛いことや悲しいことがあっても、周りの人がさりげなく励ましたり、支え合う姿がとてもよかった

    ところで1巻最後の番外編に登場したおやつ、あれは間違いなく最強だと思います。
    夜中に読んでいたら猛烈に食べたくなって危なかった…

    ゆるりと。肩の力を抜いて
    温かいお風呂に入ったみたいに、心がほぐれてゆく物語
    素敵なヒューマンドラマを探している人におススメです

    【2026.1.22 追記】
    まんが大賞2026、ノミネートおめでとうございます!
  • GGG-ジージージー-

    加太潤一

    可愛い~♥綺麗~✨
    2025年9月9日
    伝説の殺し屋・Ωと、彼のいる老人ホームの介護士・デンターの物語――。

    1巻まで読了。初読み作家様。試し読みで心を射抜かれました。慄くほど絵が綺麗。
    どのおじいちゃんおばあちゃんも表情豊かですごく可愛い。しかも若い頃のΩが悶絶もので素敵…もっと若かりし頃のΩが見たいですお願いします

    カラッと明るい気持ちになれるコメディ。アメリカンな雰囲気がとてもいい。
    2巻、若かりし頃のブルースが見れるといいな…絶対カッコいい

    とても可愛い作品でした。続きが楽しみ。
    激重作品を読んでズドーンとなったあとなどに、清涼剤としてオススメです
  • 狼は眠らない

    支援BIS/新川権兵衛/田ヶ喜一/かかし朝浩

    最高のハイファンタジー
    2025年9月6日
    冒険者のレカンは魔物の討伐中に空中に浮かんだ黒い穴を見つける。その黒穴は異世界へと通じており、その穴から生還した者は膨大な富や超人的な能力を得られるという――。

    うひゃ~~この作品、すっっごく面白かった!!
    とにかく作画が素晴らしい。存在感のあるキャラ、美しい背景、迫力あるバトルシーン…最高です。

    ストーリーも滅茶苦茶面白かった。
    綿密に練られた世界観と流れるようなストーリーで一気に物語の中に引き込まれる。
    最初は恐る恐る1巻だけ購入したのですが、1巻を読み終わったときには迷わず最後までポチっていました。
    作画、ストーリー、キャラ、演出…パーフェクト。すごく読みやすくて面白い。最後までワクワク感が止まらなかった。この作品が打ち切りになるなんて信じられない…

    全3巻完結。
    打ち切られた作品と聞いていたので、終わり方はある程度覚悟していたのですが、予想よりずっと綺麗な終わりかたでした。最初購入にかなり悩んだけど、読んでよかった。
    ハイファンタジーが好きな人に超オススメ。
    もともとは「右園死児報告」で気になった作者様。いつか「右園…」も読もうと思います
  • 蜘蛛の男【単行本版】

    あるくジョー

    人生を破壊する男
    2025年9月5日
    新刊作家買い。今作は本格ノワールBLと聞いて、とても楽しみにしていました。

    犯罪組織のボスの愛人・ウィリアムと、ボスの養子・ナインの物語――。

    あるくジョー先生の、艶のある作画がすごく好き。先生の描くダークな世界は美しくて雰囲気満点だったのですが、…うーん。。。
    主人公がちょっと残念でした。。
    ストーリー、ときどき話が飛んで「??」となったり、モブキャラが顔も髪も描かれていないのでマネキンみたいに見えるところも気になりました。あと人質…どうして連れて行かなかったんだ…
    細かいところは気になりましたが、ナインのセクシーな黒シャツ&肉体美がとても良かった。書き下ろしも好き。最後にほっとしました。

    読み終わったあと、ふとタイトルの「蜘蛛の男」とは誰なのか気になった。
    作品の帯には「彼に一度かかわったら、もう絶対に逃げられない」――
    …なるほど、蜘蛛の巣にかかった獲物のように、出会ってしまったら最後、逃げられない男…かな?
    どのキャラにも当てはまるところが秀逸。

    黒を基調にしたスタイリッシュな作画はまさにノワール。次の作品も楽しみにしています。
  • 怪物デリバーと愛しき日々【電子限定描き下ろし付き】

    ナツギイチ

    光と影
    2025年9月4日
    うわぁ…この作品、なんともいえない魅力にあふれた作品でした。

    フードデリバリーの配達員・律人と、デリバリーの常連「怪物デリバー」の物語――。

    絵のタッチ、キャラ、語り口…すべてが独特。
    語り口は明るいのに、物語の底流には深い悲しみを感じる。
    怪物デリバーの不思議な魅力に惹かれていたら、物語は意外な方向へ…

    この作品を読み終わったら、drapHPのフリー漫画コーナーにある特別番外編「さいごのごちそう」も是非読んでみてほしい。余韻がすごいです。私はちょっと泣きました。

    ストーリーの光と影のバランスが絶妙で、夢みたいに綺麗な作品だった。この作品、ものすごく好き。
    文学的で、個性的なBLが好きな人におススメです
  • ゆらゆらほのか

    石原理

    癒やされる
    2025年8月30日
    東京で在宅ワーカーをしているソラと、広島にある寺の息子、広海の物語――。

    新刊作家買い…なのですが、びっくりしました。
    恐らく石原先生の作品の中では一番甘くて優しい物語じゃないかな?

    舞台は広島。静かな田舎町に、瀬戸内海の穏やかな海が画面いっぱいに広がってる。
    そこで出会った二人。
    たった数時間会っただけなのに、どうしようもなくお互いが離れがたくなってゆく

    温かい町の人との交流、町おこしイベント、夏祭り…うわ~すっごく癒される…
    2部構成で、前半が二人の出会い編で、後半が恋人編。
    匂わせはあるけどエチがないのも、とても石原先生らしくて私は好きでした笑。

    すごく素敵な作品だった。疲れたらこの作品を読み返そうと思います。
    瀬戸内海の穏やかな風景に癒されたい人におススメです。
  • 籠中のパライソ【電子限定描き下ろし付き】

    踊十利

    こういうBLを待っていた
    2025年8月20日
    新刊の予告を見て、絶対に読みたいと思っていた作品。
    日付が変わるとともに購入し、そのまま数ページ読んだら止まらなくなって一気読み。読み終わったら夜中の2時でした。すっごく面白かった。

    南米、メキシコの犯罪組織(カルテル)が舞台。
    薬の密輸、人身売買、恐喝など、様々な犯罪が渦巻く世界で、スラム育ちの孤児・アベルと、カルテルのトップ・バルリオス家の三男レナートの物語――。

    序盤からずっと緊迫した展開。
    緊張感のある二人の関係に目が離せない。

    物語の後半、ちょっと泣きました。
    その場所でしか描けない物語があると思う。
    死がすぐ隣にある非情な世界で、命を賭けて戦う男たちの物語…最高でした。

    南米カルテルの話なので凄惨な描写も覚悟していたのですが、うまくぼかしてあったのでぞっとするような残酷なシーンはなかったです。でも暴力シーンが全くないわけではないので、暴力表現が苦手な人は要注意かも。
    人によっては南米の犯罪組織にしては甘いんじゃない?て思う人もいるかもしれないけど、私は十分満足だったな…

    まるで映画を1本見たような満足感。
    すっごく面白かった。こういうBL、ずっと待っていました。
    これからも先生の描く世界を楽しみにしています。
  • グッドナイト・ルーティン【電子単行本】

    丸木戸マキ

    ずぼらダメ人間の恋
    2025年8月18日
    新刊作家買い。発売前から楽しみにしてました。

    第一話から思わず唸る…うっまいなぁ!
    ネーム、演出、全てが上手い。特に台詞。とことん洗練されている。無駄なコマが1つもなくて、立て板に水の如く話が進んでゆく。うひゃ~、面白い。

    そして主人公のズボラさがやばい。
    人として何か大事なものが欠けているんじゃないか?と思うほどのダメダメちゃん。
    でもそのダメさ加減がとても人間らしいというか、可愛いというか…
    良いところも悪いところも全て優しく包み込む、作者の人間に対する温かい眼差しが好きでした。

    肩の力を抜いてゆるっと楽しめる、大人のBL。最高に面白かった。
    ストーリー重視派にオススメです。
  • 彼のシュシュと消せない夏

    TaaRO

    ハードでヘビーな闇BL
    ネタバレ
    2025年8月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 闇BLが大好きなので、発売当初からずっと気になっていた作品。
    かなりハードな物語でした。

    公園で暴行を受け気を失った少年が、見知らぬ男に拉致される。
    少年は辱められ、恐喝され、その男から逃げられない。
    次第に男の暴力は激しさを増し、少年はプライドも尊厳も粉々になってゆく――。

    精神面だけでなく、肉体的に痛いシーンもあります。
    ひぃぃ…と思いながら読んでいたのですが、後半が圧巻でした。

    次第に明らかになってゆく、イエンの闇。
    苦悩の果てにたどり着いた、彼の選択――彼は他の道を歩むこともできたのではないかと思うと、やりきれない気持ちになった。

    正義と悪。絶望と救済。全てが混ざり合う物語の最終盤、魂が叫んでいるような慟哭のシーンに心が抉られる。
    読み終わったあと、いつまでも苦い痛みが胸に残った。

    読み返すと、全てのシーンが全く違う景色に見えてくる。
    見事でした。この作品、すっごく好き。
    「我こそは闇の腐。地雷なし。どんなものでもどんと来い」と闇BLに自信のある方、是非。
    闇BLの傑作だと思います。
  • 高嶺の花には欲がある【単行本版】

    蟹宇まい

    イケメンは正義
    2025年8月16日
    Xで知り、二人の美しさに一目惚れ。発売前から楽しみにしていました。

    とにかく絵が綺麗。二人とも美麗でイケメン。
    こういう絵が綺麗な作品てストーリーが好みじゃなかったらアレだなぁと思いながらポチったのですが、大満足の読後感でした。買ってよかった!

    主人公の若き社長がとても綺麗な人でした。ビジュアルも中身も。この作品の最大の魅力はこの社長かも。
    ガタイの良い黒髪イケメンボディーガードはとにかくビジュが最高。最後まで絵のクオリティが下がることなく、眩しいほど美しかった。

    ストーリーは王道でまっすぐ。
    サクサク読めるけど、キャラの作り込みを丁寧にされていたので、読後にしっかり満足感がありました。
    えちもまあまぁ入ってます。がっつり絡んでいるシーンよりも、二人のセクシーな表情のほうがインパクトあったな…。

    たまにシーンの繋がりや会話の流れ、その他諸々気になったところはあったけど、そんなのどぅっっっでもよくなるくらい二人が綺麗でカッコよかったので問題なし!!イケメンは正義!!!

    美しい作画、明確なストーリー、魅力的なキャラ…この作品はとても人気が出るような気がする。
    綺麗な二人をストレスフリーでサクッと楽しみたい方におススメです。
  • ヘヴンシステム

    虚木へず

    をを~!面白い!
    2025年8月8日
    死者の魂を仮想世界に移行することで、死後も永遠に生き続けることが可能になるシステム、「ヘヴンシステム」。
    世界は画期的な発明に喝采を送ったが――。

    1話まで読了。
    この第1話が絵も物語もどストライクだったので、そのままの勢いでレビューを書いています。こういうダークな近未来SF、大っ好き。

    味のあるタッチの絵。無駄のないストーリー。
    私は死後の世界とか幽霊を信じていないので、魂を抽出する機械ってなんやねん…と少し思ったりもするのですが、そんなことどうでもよくなるくらいこの空気感が好きでした。

    8/21まで1話無料。
    とても気になるところで終わっていて、身もだえしながら続きをカート待機。続きが楽しみです
  • 夕凪の街 桜の国

    こうの史代

    黙祷
    2025年8月6日
    昭和30年。広島。
    すべてを焼き尽くされたあの日から10年。
    母と共に慎ましく生きる、ある女性の物語――。

    戦後の広島を舞台にした短編集。
    この中に入っている「夕凪の街」は、初めて読み終わったとき衝撃でしばらく動けませんでした。
    一見穏やかで優しい日常から、想像を超えた結末へたたみかけるように向かってゆく。
    私の中で「ペリリュー~楽園のゲルニカ」に匹敵する、一度読んだら一生忘れられない作品。

    とても短い短編ですが、8月6日が来るたびにこの作品を思い出す。
    あのたった一発の爆弾で、どれだけの人生が、運命が、狂ってしまったのだろう。

    シーモアさんにはないですが、岩波書店から出ている「図録 原爆の絵」も機会があったら読んでみてほしい。多分図書館で読めるんじゃないかな…
    実際に8月6日の広島を体験した人々が、当時の光景を描いた画集です。
    一枚一枚に込められた、想像を絶する苦しみに言葉を失う。

    あれを使用したから戦争が早く終結したとか、核抑止力だなんだと言ってる人は、一度広島の原爆資料館を見に行ってほしい。
    あれを本当に使用したら、どうなるのか。
    もしも自分が被爆したら、どうなるのか。
    実際に経験しなくても、それを想像し、考えることを忘れないでほしい。

    この作品はまさに自分の身に起こったこととして体感させられる作品。
    怖いです。泣きたくなります。
    でも読んでよかった
  • 魔王の帰還

    一穂ミチ/嵐山のり

    まさかの最終章
    2025年7月31日
    一穂ミチ先生の短編集「スモールワールズ」から、「魔王の帰還」をコミカライズしたこの作品。
    もともと原作がすっごく素敵な短編なのですが、コミカライズ版も素晴らしかった。
    コミック担当の嵐山先生のすごさなのかな…とても上手くまとめてあって、原作の魅力はそのままに、コミックとしても見事に完結してる。

    そして一番驚いたのが、この作品、最終章に原作にはない「魔王の帰還」の後日譚が入っていました。
    最初「ミチ先生がコミカライズにあたって書き下ろしたのかな?」と思ったのですが、あとがきを見るとコミカライズがきっかけで、自然発生的に生まれた章みたい。まさかの後日譚に驚くやら嬉しいやら…うっわー、コミカライズ版も買ってよかった!!

    魅力的なキャラ、巧みなストーリー、胸が熱くなるような読後感…原作も素晴らしかったけど、コミカライズ版もすごい満足感でした。
    7/31…あと数時間しかないですが、今日まで半額セール中。講談社の半額セールは超レアなので、気になる方は今すぐ是非――。
  • 泣きむしのポラリス【電子特別版】

    伊戸川チェル

    ブロマンス最高
    2025年7月29日
    高校入学を機に北海道から上京したケータと、沖縄から上京したカナの物語――。

    この作品、すっっごくよかった!!!
    ピュッッア!!きゅんきゅん!尊い!可愛いぃぃぃ!!

    カテゴリは少女マンガですが、これBLでもいいんじゃないかな…。
    二人の男子高校生の青春を描いたブロマンス。あまりにも良くて眠れなくなったのでレビュー書いてます。

    15歳。北海道と沖縄から、東京へ。
    太陽のように明るいケータと、人とのコミュニケーションが苦手なカナ。
    正反対の二人がお互いを励ましあいながら、どんどん惹かれてあってゆく。
    二度と戻ることのないかけがえのない時間を、精一杯駆け抜ける二人が眩しかった。

    ストーリーと設定がしっかりしているので、読み始めたら一気読み。
    とても優しくて誠実な物語でした。
    この作品があまりにも好きだったので、同作者様の「八百万しんせん食堂」も勢いで買ってしまった。こちらもすっごく可愛くて癒される作品でした。
    「泣きむしのポラリス」も「八百万しんせん食堂」も、どちらも分冊版で試し読みできるので、よかったら是非。超超おススメです
  • 特級αの愛したΩ

    神波アユミ

    ん~んんん~~
    ネタバレ
    2025年7月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ αの中でもさらに優れていると言われている「特級α」の有麿と、同級生で美術部員の司の物語――。

    ちるち〇で紙媒体だけで発売後即一位という、超高評価だったこの作品。
    電子化、楽しみにしていました。

    すっきりしたタッチの絵。スピーディな展開。魅せるシーンもたくさんあって、そこはよかったのですが……オメガバとしては王道というか予想通りの展開で、かなり早い段階で先が読めてしまった。加えていくつかの点が気になって、ストーリーに集中できなかったのが残念でした。

    【以下ネタバレ注意】
    ・カメラ
    なぜ司はあの事件直後に有麿の写真をネットに拡散したのか。
    なぜ彼は一切の弁明もせず、写真だけ拡散し、汚名をかぶったまま高校を去ったのか。
    もしも高校を去るために何の関係もない有麿を巻き込んだのなら、司よ、そんな最悪な方法をわざわざ選ばなくても、ほかに方法があったのでは…
    なぜ彼は忌まわしい記録が入ったデジカメを、ずっと手元に置いているのか。10年前のデジカメ…充電せずに見れるかな

    あの臨床試験を司に受けさせる有麿の理屈もよくわからなかった。
    そもそも物語の要、バース提供について説明がない。そこはもう少し詳しい説明がほしかった。
    念願の子供ができてハッピーエンド、という展開も私は苦手で。。。

    何度も「うーむ」と思いながら読み返していたのだけど、二人が失われた時間を取り戻し、幸せな笑顔で終われたところは好きでした。
    ラストシーンの穏やかで澄んだ空気感も素敵だった。
    透明感のある美しい世界をいつも見せてくれる作者様。次の作品も楽しみにしています。
  • 嘘つきたちの朝食【コミックス版】

    コメダヨシヒサ

    砂上のひと
    2025年7月24日
    妻がいながら会社で不倫している男たちと、その妻と、オフィスで二人の関係を目撃してしまった同僚の女性の物語――。

    …こういうドロドロ系の女性漫画って、ものすごく苦手なのですが。
    単話のほうでフォロー様たちのレビューが気になりすぎたので読んでみました。

    うん、面白かった。
    登場人物達には全く共感できなかったけど、それぞれの思いと葛藤を想像しながら物語を追っていたら、あっという間に読み終えました。
    えげつない設定なのに、品のある美しい作画と抑えた演出で一気に読ませる。

    あとがきが面白かった。めっちゃ同意して思わず笑っちゃった。
    最後の書き下ろし「ラストのその後の話」は単話で追っていた人も必読かも。多分この書き下ろしがなかったら、私はずっとモヤモヤしたままだったと思う。

    最初は「うわぁ…」と思いながら読み始めたけど、読み終えたときには満足感がありました。作者様がそれぞれの人生を、きちんと描いているからだと思う。
    なかなかインモラルなテーマでしたが、読んでよかったです。
  • 田中雄一作品集 まちあわせ

    田中雄一

    犠牲
    2025年7月6日
    ひえぇ……こ、この作品、すごかった…。
    SFの短編集。
    第一話から強烈でした。足がいっぱいある巨大な虫がゾロゾロ出てくる。しかもかなりグロい。昆虫苦手な人は要注意。私はちょっと涙目になりました。
    ディープインパクトな序章から始まって、物語はさらに深淵に向かってゆく――。

    表題作の「まちあわせ」、すごかった。
    ギリギリと心が締め付けられる。苦しくなるほど切なくて、残酷で、美しい物語だった。SF短編の傑作だと思う。

    物語は4編入っています。
    全ての物語に共通しているのは「犠牲」かな…。
    何かを捧げなければ生きていけない苛烈な世界で。人は何を求めて、何を失うのか。
    異形の世界に圧倒されながら、それぞれの壮絶な人生に言葉を失う。

    ハードなSFが好きな人に超おススメ。すごい作品でした。
    7/31までセール中。
  • しかし火事獅子歌詞可視化

    問松居間

    焼け焦げたライオンは、ただ愛されたかった
    2025年7月5日
    三年前から配信が止まってる音楽系Vチャンネル「火事ライオン」の配信者と、彼を取り巻く人々の物語――。

    うわ~よかった。この作品、すっごく好き!!
    こんなに最初の印象と読後の印象が違った作品は珍しい。

    序盤は読むのがしんどかった。話が重い。キャラも卑屈。しかも世界観が独特すぎてわけが分からない…
    「ソングダイブ」という独自の設定があって、「火事ライオン」の曲をある場所で聴くと、その音楽の情景が可視化される…らしい??

    序盤は「うーわ、失敗したかも…」と白目で読んでいたのですが、中盤から突如すごく面白くなっていった。
    全ての伏線が回収され、最後にふわりと浮かび上がってくる作品のテーマ。
    テーマというか、ハートかな。スカッと爽やかな読後感。温かく幸せな気持ちになれる、とても素敵な作品でした。
    個性的な作品を探している方に。7/31までセール中
  • くちべたとさえずり【電子限定描き下ろし付き】

    髙木綿

    囀る鳥は…羽ばたいてるな!?
    2025年6月29日
    セキセイインコの可愛さに一目惚れして新刊衝動買い。
    職場の後輩くんが1週間家を留守にするあいだ、主人公が彼のセキセイインコを預かることになる物語。

    絵がすごく上手い。
    インコが可愛い、二人も可愛い、ゲスト出演のポメラニアンまで可愛かった。
    絵、コマ割り、台詞…どれもすっきりしていて読みやすい。ベテラン作家様かと思ったら、これがデビュー作てマジですか。。

    セキセイインコが可愛かったので迷わずポチったのですが、二人のキャラもとてもよかった。最初からあきらかに後輩君が惚れている描写がくすぐったくて甘酸っぱい。終始可愛いほのぼのした展開で、最後はほっこり心が温かくなりました。
    鳥好きなので、作中にたくさんセキセイインコの可愛い仕草が描かれていて嬉しかった。
    優しい物語を探している人、鳥好きな人におススメです
  • ズタズタの腕にキス 【コミックス版】

    サノアサヒ

    いつかその傷あとが
    ネタバレ
    2025年6月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 化粧をしていないと外も歩けない就職浪人中の一見と、大学生の茅ヶ崎の物語――。

    白抜きが憎い…
    大事なところがカクカクの線で雑に切り抜かれてる。
    修正の粗さがこんなに気になったのは久しぶり。こん棒か海坊主にしか見えぬ…
    エロは激しめ。
    なのですが、海坊主がそれを台無しに…憎い…

    【以下ネタバレ】
    世間から見るとアウトサイダーな二人。
    自分を晒すことに恐怖を抱いていた二人が、本当の自分をさらけ出して結ばれてゆく過程は、まるで手品を見ているようでした。
    サノアサヒ先生の、歪み、ねじれ、こじれまくった果ての明るく突き抜けた世界が好き。
    ただ今回はこういうテーマなので最終的にあの首エチシーンがゴールとなるのは分かるのですが、私にはそういう性癖がないのでなんともいえない読後感でした。

    ところでずっと思っていたのだけど、なぜ彼はコスメ業界に入らないのだろう。彼が伸び伸び生きる世界はそこしかないと思うのだけど。。

    中学の時から抱え続けた心の傷
    自分の心を守るためにずっと一人で頑張ってきたけれど、愛しい人と一緒に笑える日が来てよかった。
    いつかその傷痕が誰かの心の盾になり、誰かを守る剣になる日がくればいいな
  • サンキューピッチ

    住吉九

    漫画と野球の奇跡のコラボ
    2025年6月21日
    2巻まで読了。
    最高に面白かった。
    出てくるキャラが全員変人。このキャラたちのやりとりを見ているだけでも笑いが止まらない。

    さらにこの作品の面白いところは「いかに自分の手札を使ってゲームに勝つか」の頭脳戦。
    野球は手持ちのカード(選手)を使って、相手を攻略するゲーム。
    強いカードをたくさん持っていても、戦略を誤ると勝てないところが面白い。

    さて、このチーム。
    ものすごい剛速球を投げるピッチャーが登場します。
    コントロールも抜群。投げたら必ずアウトにできる、すごいピッチャー。

    だけどそのすごい球を投げられるのは、3球だけ。
    …たった3球で、どうやって試合に勝つのん!?それで甲子園目指すとか、設定がアグレッシブすぎるやろ…

    キャラの配置、ストーリー構成、演出、マンガ的にそこらへんもとても上手い。野球の醍醐味と漫画の面白さが、奇跡のようにコラボしてる。
    最強にして最弱のカードを使い、果たして彼らは甲子園に行けるのか――。
    滅茶苦茶面白かった。続きが楽しみです。

    【2025/9/18 追記】
    次にくるマンガ大賞2025 Web部門1位、おめでとうございます!!
    【2026/1/20 追記】
    マンガ大賞2026、ノミネートおめでとうございます!
  • 滅びの前のシャングリラ

    凪良ゆう

    もしもこの世が終わるなら
    2025年6月19日
    最近、BL小説作家様の非BL作品にハマっています。
    生まれて初めて読んだBL小説は凪良ゆう先生の「積木の恋」でした。
    そのときの感想は「あら、BL小説もいいじゃない♪」みたいな感想だったのですが…この作品は「積木の恋」とかなり印象が違いました。こちらのほうがエンターテイメントにまん振りしてる感じ。

    地球に巨大隕石が落ち、1か月後にほとんどの生命が絶滅することになった、最後の日までの物語。
    主人公はクラスメイトに毎日いじめられている気弱な男子高校生。この世が終わるというニュースを聞いたとき、彼はある決意をする。
    そこから怒涛の展開。ぶっ飛んだ設定の物語だけど、登場人物もストーリーも妙にリアルで引き込まれる。

    結構、強烈です。
    意外な展開に続きが気になって、読むのが止められない。
    人類滅亡の世界が舞台だけど、読後感は良かった。
    タイトルと表紙に込められた意味が秀逸。
    新井素子先生の「ひとめあなたに…」や伊坂幸太郎先生「終末のフール」に匹敵する面白さでした。
    世紀末をフィクションとして楽しめる、SF好きな方におススメです
  • ナイトライトハウンズ

    中田春彌

    超絶美麗なダークファンタジー
    2025年6月15日
    初読み作家様。1巻まで読了。
    試し読みだけでわかる、最高レベルの画力。背景も、構図も、隅々までパーフェクト。しかも1巻の最終ページまでずっとこのクオリティでした。ひえ~

    背景はもちろん、台詞もコマ割りも、カメラワークまで海外っぽい。その中で超絶美麗な作画が展開されるので、まるでバンドデシネを読んでるみたい。

    1920年代――世界恐慌直前の、禁酒法の時代がモデルになっています。
    ギャングが実権を握る世の中で、孤児となり、大切な弟も失った孤独な青年が主人公。

    こういう絵が超綺麗な作品って、ストーリーは……あれ……?ってことがままあるけど、さすがジャンプ…とても読みやすく仕上げてありました。登場人物は魅力的だし、無駄のないスピーディな展開で1巻一気読み。

    憧れのバンドデシネみたいな世界が、ページ送りそのままでサクサク読めて、しかも絵が超美麗っていう、私には夢のような作品でした。
    美麗なダークファンタジーが好きな方に超超おススメ。
    絵も物語もすっごくよかった。正座して2巻を待ちます。
  • ツミデミック

    一穂ミチ

    辛辣さと温かさと
    2025年6月13日
    「スモールワールズ」がとても良かったので次は「イエスかノーか半分か」を読もうと思っていたのですが、猛烈にこっちが読みたくなったのでまずはこの作品から。

    世界的に疫病が流行した、あの時代を舞台にした短編集――。

    真っ赤な背景に菊の大輪の装丁が印象的。
    6編の物語。ダークだったり、ほっこりいい話だったり、人生いろいろ。

    「スモールワールズ」でも思ったけど、私は一穂ミチ先生の辛辣な毒の部分が好きなんだと思う。
    澄み切った透明なベースに、ほんの数滴入る悪意や狂気。その毒の配分が天才的。
    これは天然でやっているのではなく、きっちり計算して入れられているんだなと。この作品を読んで思いました。

    かなり毒気が多いダークな作品があったり、それを全て打ち消すようなスカッとする話が入っていたりと、その緩急がとても上手くて読んでいて飽きない。あっという間に読み終えました。
    最後の話「さざなみドライブ」、見事でした。あの厄災をそう描くのか…。

    すっきり楽しい話ばかりではないので好みは分かれると思うけど、すごく面白かった。なるほど納得の第171回直木賞受賞作。
    今度こそ次は「イエスかノーか半分か」読もうと思います。
  • さよなら、あの日の服従【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

    せきとう

    面白かった!
    2025年6月10日
    新刊作家買い。発売前からすごく楽しみにしていました。

    高校時代、ゲイであることを理由に壮絶なイジメを受けていた鯉川と、そのイジメの首謀者だった柏木の物語――。

    力強い線と鮮やかなコントラストで描かれる、夜の街が最高。欲望が渦巻く不穏な空気に、一気に物語の中へ引き込まれる。
    任侠が絡んでいそうだったので覚悟して読み始めたのですが、血の気が引くような残酷なシーンはなかったです。

    ストーリーは二転三転して意外な方向に。
    人間の愚かで臆病で醜い部分…その全てを受け入れ包み込むような、作者様独特の視点が好きでした。

    エチ控えめ。綺麗に1冊でまとまっています。
    綺麗に収まり過ぎじゃない…?とほんのり思わなくもないですが、重さと軽さのバランスが良くて、前作に比べるととても読みやすかった。
    個性的な作画と影のある世界観が魅力的な作家様。次の作品も楽しみにしています
  • スモールワールズ

    一穂ミチ

    特濃アラカルト
    2025年6月3日
    初読み作家様。以前から「魔王の帰還」のコミカライズ版が気になっていて、まず原作から読んでみました。

    6編からなる短編集。
    1編1編がものすごく濃かった。どの作品も思わず唸るような読み応え。
    でも誰もが美味しく頂ける、口当たりの良い物語ばかりではないかな…どちらかというと苦くて重い。禍々しいとさえ思うような一品も。

    「魔王の帰還」、すごくよかった。なるほどこれはコミカライズしたくなるわ…私ならこの作品を一番最後にもっていくかもと思いながら読んでいたのですが。
    …う~わ~、そういうこと!

    全編通して見事でした。さすが本屋大賞第三位。濃厚で影のある作風が好きでした。いつか「イエスかノーか半分か」も読みたいな
  • 穢れのない人【コミックス版】

    虫飼夏子

    すご……
    2025年5月29日
    この作品、すごかった。
    めっちゃ激重で深いテーマなのに、一瞬で読み終わった。

    冤罪にもかかわらず殺人罪で15年服役した男と、出所後、彼が自死するところを止めた牧師の物語――。

    なかなかヘビーな展開だけど、怖いもの見たさで続きを読まずにはいられない。
    センセーショナルな題材を使いながら、難しいテーマを描ききっている。
    罪の意識と救済について、キリスト教的な視点で描かれているのが興味深かった。

    上下巻完結ですが、後日譚が単話の第7話で公開されています。「後日譚 Jam」――。
    Jamのラスト、私は物語としてパーフェクトだと思いました。どうしても最後まで気になっていたところだったので。彼はあれで救われたのかな…わからない。
    見事なストーリーでしたが、好みは分かれるかもしれません。私はものすごく好きでした。
    地雷満載の作品なので、他の方のレビューを参考にしながら覚悟して読むほうがいいと思います。

    ダークでハードで胸にズシッとくる作品。
    すごい才能をお持ちの作家様だなと思いました。次回作、楽しみにしています。
  • POLE STAR

    NON

    華やかな世界の裏側で(追記あり)
    2025年5月24日
    2巻まで読了。
    家庭の事情で熱海に引っ越してきた中学生の女の子と、ポールダンスの物語――。

    忘れたくても忘れられない衝撃作、『adabana 徒花』の作者様。
    「徒花」も作画がすごかったけど、最新作のこちらはそれをさらに上回る凄さでした。
    人物の喜怒哀楽。一目で動きが分かる構図。ポールダンスショーの官能的なカメラワーク……すべてのコマが思わず見惚れるほどの巧さ。ポールダンスのシーンがいちいちカッコイイ。NON先生の画力が炸裂しています。

    ストーリーも滅茶苦茶面白い。
    主人公の女の子がとても魅力的。健気で素直。お母さんも素敵な女性で、この優しくて温かい親子関係がすごくいいです。心から二人を応援したくなる。

    ポールダンスの華麗な世界の裏側で――夢に向かって真摯に生きている人々の姿に、勇気と元気をもらえる作品。
    6/3まで1巻無料。オススメです。

    【2025.10.16 追記】
    5巻、神回でした
    ポールダンスシーンの大胆でダイナミックな構図
    血が湧きたつような高揚感と、この一瞬のために命を賭ける美しさと尊さ

    1巻からフルアクセルの面白さだけど、巻を重ねるごとに面白さが加速してます
    多分あれ今後の話にかかる伏線よね…伏線の張り方も見事すぎる
    早く次を…次の巻をください……
  • 竜帝 皇を喰らうもの

    戦鳥

    うわぁぁぁ……好き!!!
    2025年5月19日
    タイトルと表紙に一目惚れ。
    絵も物語もなんとも趣のある美しさ。硬質な語り口が物語にぴったり合ってて、まるで古代の絵巻物を読んでいるみたい。

    単話です。オールフルカラー。
    一章を読み終わった時、神々しくも禍々しい世界観にぞくっとした。
    第一章ということは、これからまだ物語は続くのかな…。
    続きがあるなら読みたいけれど、この物語はこの章だけで終わってもいいような気が私はしました。

    まるで神話を読んでいるような感覚。
    あとを引く読後感で、何回読み返したかわからない。
    この作品、ものすごく好き。
    ダークファンタジー好きな人にオススメです。
  • なきむし赤鬼くんは先輩に視られてます

    季田ビスコ

    うわ可愛い…
    2025年5月18日
    新刊作家買い。
    ストーリーテラーで、”きゅん萌えの匠”と私が密かに呼んでいる作家様。
    今回は先生初のファンタジー!?しかも先生のXによると「過去最高なLove度の作品」っ!!!…気になりすぎてポチりました。

    う~わ~、なんだこの可愛い生き物……。
    朱利の透明感のある瞳が本当に綺麗。鬼というより、綺麗な目をしたフワフワで可愛い何か…。
    この赤鬼くんが予想以上に可愛かった。

    そして蒼先輩…かっこよ!!!
    リーダーシップがあって頼りになる、仕事ができる男前。
    たった1コマで彼の魅力を読者に納得させる、作者様の演出が見事。
    「巧いな~可愛いな~カッコイイな~~」ときゅん萌えしていたら、一瞬で読み終わりました。230頁超えの長編なのに。

    サクッと読めて、ノンストレスで楽しめる作品。面白かった。
    もっと二人の物語、読みたかったな…。
    とても魅力的な二人。続編希望です。
  • 界変の魔法使い

    田辺イエロウ

    怒涛のオリエンタルファンタジー
    2025年5月17日
    主人公が目覚めた場所は、辺境に建つ城の中。
    自分が誰かも分からない。なぜここにいるのか記憶もない。
    城の主は世無(ゼム)という、大魔法使いだった――。

    2巻まで読了。
    ファンタジーでこんなにワクワクドキドキしたのは久しぶり。私が今年読んだ全作品の中でもトップクラスの面白さ。
    ストーリーが本当に上手い。一見明るいテイスト…だけどすべてが謎に包まれていて、何とも言えない不気味さも感じる。怖い、面白い、続きが気になる……。

    そして魔法の世界観がすごい。
    なぜ魔法が発動するのか、それを統べる魔法使いとはどんな存在なのか――
    ストーリーも世界観もがっちり作り込まれていて、ハイファンタジー好きにはたまらない面白さ。
    2巻まで読み、主人公にとってロウエの存在は何なのか考えると、胸がぎゅっとなりました。

    すっっごく面白いです。ファンタジー好きに全力でおススメ。
    5/29まで立ち読み増量中です
  • 夜明けの唄【単行本版】

    ユノイチカ

    6巻購入をためらっている人へ
    ネタバレ
    2025年5月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 6巻まで読了。
    壮大な世界観、美麗な作画…日本のBL界を代表する有名作。

    【以下、3巻以降のネタバレが入ります】

    だけど私、ここ数巻は読むのがしんどかった。
    特に5巻。性的搾取のドロドロの不快感が半端ない。何度も読むのが止まりました。
    きつくてしんどくてワクワク感もなく、読み終わったあとはげっそり…。
    正直5巻でもう離脱しようかと思ったのですが、ここまで読んだのだし…と、ほとんど義務感で6巻を読みました。

    6巻は5巻ほど辛くなかったです。私的には。私は5巻のほうがきつかったな…これは読者によって感想は違うかもしれないけど。
    5巻に引き続き厳しい戦いと苦悩が続くのですが、6巻は今まで読んできてよかったなと思いました。心から。
    5巻まで読んで、うへぇと思いながら次の巻を悩んでいる人は是非6巻まで読んでみて欲しい。

    基本厳しい世界観。物語も最初予想していたものとは大きく変容していったけど――
    ここまできたら最後まで二人を追っていこうと思います。
    そう心から思った6巻でした。
  • カフネ

    阿部暁子

    おにぎりの戦闘力
    2025年5月7日
    法務局勤務の薫子は、大切な弟が急逝し心身ともに疲弊していた。深い悲しみのなか遺産相続の件で弟の元恋人・せつなに連絡をとるが――。

    うわぁ…この作品、すごかった。
    最初とげとげしい主人公たちに「えぇ…」となったけど、どんどん変化していって。
    後半、怒涛の展開と驚きの真相に目が離せなくなりました。この作品はネタバレなしで。。

    物語のキーマンは主人公の弟。
    なぜ彼は死んだのか?本当に自然死だったのか?ならば何故――。
    見事な構成。細かな疑問点まで、綺麗に伏線が回収されていました。

    物語のすべてが、生きることについて問われていたような気がする。
    さすが2025年本屋大賞受賞作。深く切なく温かい、圧巻の人間ドラマでした。
    卵味噌、いつか作ってみたいな。
  • 殺し屋の推し

    大島琳太郎

    大変申し訳ありませんでした
    2025年5月4日
    3巻まで読了。
    殺人機械と呼ばれていた伝説の殺し屋が、アイドルにハマって推し活に生きる物語――。

    画力がえぐい。
    恐ろしいほどの画力で、ものすごくバカバカしいストーリー。

    面白いけど、もったいない。
    こんなふざけた話にしなくても、ここまで画力があるのならシリアスな物語を描けばいいのに。
    私は……私は、ハードボイルドな世界の中で、超かっこいいエンドウオワルが見たかったぁぁっ!!!(絶叫)

    でも私が間違っていましたごめんなさい。
    3巻、見事でした。
    なんと、1巻からきちんと伏線が張られていました。思いつきで始めた話じゃなかったのね…。

    面白いです。
    作画、神レベル。
    ストーリーも実はきっちり作り込まれていました。これからは文句を言わず追いかけさせてもらいます。
    …でもすみません、番外編でも短編でもいいから、シリアスな世界に生きる、切なくも破滅的な超かっこいいエンドウさんが見たいですお願いします。
    4巻、楽しみにしています。
  • ファヴェーラの漫画家

    萩本創八/樽路実

    生きるために描く(追記あり)
    2025年4月29日
    漫画家の夢を諦め、ブラジルへ旅に出た主人公。
    そこで出会ったのは、漫画家になるのが夢だというスラム街の少年だった――。

    Xで試し読みをした瞬間、心を鷲掴みされた作品。
    1巻読了。すごかった。
    主人公がブラジルで道に迷うあたりから、怒涛のように物語の中に引き込まれる。とにかく面白い。作画も見せ方も上手い。
    そして想像以上に深い物語でした。

    ブラジルのスラム街の総称を「ファヴェーラ」と呼ぶらしいです。目の前で人が殺されても、誰も見向きもしない街。
    そんな容赦ない街で生きる彼らの世界が、読者に問いかける。
    なんのために生きるのか。誰のための人生か。

    1冊の中にものすごくいろんなものが凝縮されていて、その濃厚な物語に胸が締め付けられる。
    1巻の終わり、どうなっちゃうのこれぇぇぇぇぇ…。

    絶望と希望の間で
    人生をかけて
    マンガを描く物語――。

    すっごく面白いです。漫画家裏話みたいなものが好きな人はさらに楽しめると思います。

    【2025.10.20 追記】
    2巻、さらに怒涛の展開で目が離せなくなってきました。
    1巻のラストのヒキもすごかったけど、2巻は加速してる感じ。伏線の入れ方も上手いなと改めて思いました
    超オススメです
  • 日日是好日、愛煌々と

    こふで

    深くて優しい愛の物語
    2025年4月26日
    人外オメガバース。短編です。
    BL界でもトップレベルの画力をお持ちの作家様。
    本当に絵が上手い。
    しかも今回は受け様が長髪黒髪!しかも美人のΩ!!最高です。

    短編ながら、きっちり組まれたストーリーと世界観。
    彼らの言葉の端々から、二人の歩んできた道と、その道のりのなかで固く結ばれていった愛の深さを垣間見る。

    物語の余韻に浸りながら、もう一度タイトルに込められた意味を考えた。
    短編とは思えない満足感。
    この作品、すっごくよかった。おススメです。
  • 昏姫と恋烏

    大宙晃

    祓い師JKとチャラ烏
    2025年4月22日
    デビュー当時からずっと応援してる作家様。今作も発売前から楽しみにしていました。

    闇堕ちした妖を祓う女子高生の亜咲と、八咫烏・天の物語。

    この作品、最初は読み切りで、それが好評だったので連載が始まった作品です。
    なので第二話から本格的に物語が始まります。

    一巻、面白かった!
    ヒーローの天…チャラい☆手が早い☆カッコイイ!!いいぞどんどん行け!!
    ヒロインの亜咲は超がつくほどの陰キャで、話がすすむほど面白いキャラになってゆく。
    前の作品たちに比べるとコミカルに仕上げてある印象。デフォルメした二人が可愛い。

    今回も絵がすごく綺麗。
    隅々まで丁寧に描かれた背景。餓者髑髏、九尾狐…迫力のある妖たちが登場すると一気に空気が緊張し、そして八咫烏の空中戦…うわ~、カッコイイ。

    王道のファンタジーを、いつも綺麗な絵と魅力的なキャラで魅せてくれる作家様。これからも応援しています。
  • レジスタ!

    藤丸

    恋に落ちる怖さ
    2025年4月20日
    先日読んだ「ユアソング」がすごくよかったので、新刊衝動買い。
    藤丸先生が初挑戦された青年マンガ…すっっごく面白かった!!

    ラブソングが苦手な作詞家が、「恋愛なんて気の迷いみたいなもの。自分は一生、一人で生きてゆく!」と思いながら買い物に行ったスーパーで、レジをしていた女性に一目惚れ。
    「いやいやそんな、もうこの年で恋とか…えぇええぇ!?」
    と、男性の戸惑いがコミカルでリアル。近所のスーパーが舞台なので、親近感が半端ない。ストーリーも作画も本当に上手くて、読んでいるこっちまでドキドキしてしまう。
    もともとガチのアダルト作家様。ヒロインが巨乳&たまに入るエロいアングルはご愛敬…。

    全方位におススメできる、大人の恋愛物語。すごく面白かった。
    この作品は売れるんじゃないかな…。大ヒットして、ドラマ化までいってほしい。
    二巻がすごく楽しみです。

    【2026/1/29 追記】
    「出版社コミック担当が選んだおすすめコミック2026」 第二位、おめでとうございます!!
  • ニシオギ奇譚

    秀良子

    怖いけど笑える
    2025年4月17日
    「西荻窪って知ってる?」
    その言葉を残して彼女は消えた。
    西荻窪駅は路線図にはない、幻の駅だった――。

    新刊作家買い。非BL作品。
    日常に潜んでいる非日常の世界を、鮮やかに切り取っている短編集。
    一見ホラーで、人によっては少し怖いかもしれませんが…めっちゃ笑いました。
    第2話の猫の話、最高www
    秀良子先生らしく、いろんな動物(?)が出てきます。ツッコミどころがありすぎる予測不能の展開に笑いが止まらない。

    そしてなんとも不思議な読後感でした。
    サラッとした作風。読後じわりと胸に残る温かさ…読んでいてとても心地よい。
    さすがBL界屈指のストーリーテラー、とても面白かった。
    秀良子先生の作品が好きだったら迷わず買って大丈夫じゃないかな。本当は同日発売された「これからどうする?」も読みたかったけど、今月の書籍代がヤバいことになってて泣く泣く諦めました。こちらも面白そう…近々中に読みたいな
  • ユアソング【1話無料サンプル付き】

    藤丸

    明るさと切なさと儚さと
    2025年4月15日
    アダルト作品。
    短編『八月の灯』を元に生まれたのがこの作品。
    なので最初に「八月の灯」(無料)を読んでからこちらを読むのをお勧めします。

    この作品、無茶苦茶良かった。エロ漫画の枠を超えてる。
    ストーリーが見事で、すごく素敵な大人のSFでした。

    海面が上昇し、街が水没してゆく世界が舞台。
    そこで暮らす人々の、男女の営みを描いたオムニバス。

    全体的に明るいテイスト。
    明るくて可愛くて面白い。なのになぜだろう…読むほどにその明るさが切なくなる。
    ラスト、感動しました。
    まさかオトナ作品でこんなに感動するなんて。
    バラバラの話に見えて、実は全て繋がっています。
    読後感がすごくよかった。
    それは彼らとその人生が、とても優しく力強い視点で描かれているからだと思う。

    アダルト作品なので、かなり激しい性描写が入ります。苦手な方は注意。
    しっかりしたストーリー、愛に溢れた優しいエロを求めている方におすすめです。
    レビューを書いているときに気がついたけど、先生の新作が出てますね。「レジスタ!」は青年漫画枠なんだ!うわー、これ絶対読む…
  • ストランド

    NUMBER8/益子リョウヘイ

    圧巻の面白さ
    2025年4月12日
    2巻まで読了。
    『BLUE GIANT EXPLORER』のNUMBER8先生が原作担当。
    すっごく面白かった。二巻一気読み。話が一直線に進むので、読んでいてダレない。スリリングな演出がとても上手い。
    この作品、まだ連載中で完結していません。続き…続きをください…。

    読後、いろいろ考えさせられる。
    自分だったらどうするか?何故こんなことが起こったのか?そして弟のいる場所――。
    話の中にずっと呑気なネタが入ってきて、それが合うか合わないかで評価は分かれるかも。多分、これにも意味があるとは思うのですが…。

    あらすじも何も見ずに、真っ白な状態で読み始めるのがおススメ。
    読み返すと結構ツッコミどころはあるのですが、面白い。細かいことは気にせずにこのまま突っ走って欲しいと思います。
    青年マンガらしい、ハラハラドキドキなエンターテインメント作品。続きが楽しみです
  • 本なら売るほど

    児島青

    本を愛する人々の物語
    ネタバレ
    2025年4月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ フォロー様のレビューより。
    脱サラして始めた古書店の店主と、その周りの人々の物語――。
    電子書籍が紙本の出版部数を超えた今、敢えて紙の本にこだわり、愛する人たち…。本好きだったらきっと刺さると思います。

    【以下ネタバレ】

    物語の中で登場する書籍のチョイスが秀逸。
    寺田寅彦、澁澤龍彦、近藤ようこ、森茉莉、当世書生気質~からの半七捕物帳、薔薇の名前…。
    「薔薇の名前」は名作。ミステリ好きだったら本当におススメ。無茶苦茶面白いです。

    森茉莉…懐かしい。私も学生の時に読んだな…。ただただ美しく、当時中学生だった自分には鮮烈で。
    きっかけは塾の先生のおススメだった。
    中学生に森茉莉を薦める先生…今思うといい趣味してる。

    ひたすら本棚を作っている二人も面白かった。
    そうそう!昔の新潮文庫って上の部分がギザギザで、ヒモのしおりが付いてた!本にヒモがついてる文庫本て、今もあるのかな?
    年をとって、紙の文庫本は文字が小さくて私はもう読めないけど。

    それでも、やっぱり、紙の本ていいよね。
    あの手触り
    あの匂い
    あの時間――

    本好きならきっと、読んでいてものすごく楽しい本。
    読んだら私のようにあれこれ語りたくなること必至。
    本好きのガチ勢におススメです

    【2026/1/20 追記】
    マンガ大賞2026、ノミネートおめでとうございます!
    もしかしたらこの作品、大賞に来るんじゃないかな…

    【2026/3/26 追記】
    マンガ大賞2026、大賞おめでとうございます!!
  • 獅子と牡丹

    高浜寛

    お宝探しは永遠のロマン(追記あり)
    2025年4月8日
    ギャンブル狂の父と暮らし、毎日苦しい生活を送っている主人公。ある日父が有り金をすべて持ち出して消えた――。

    高浜寛先生の最新作。やっと読めました。
    舞台は現代、熊本県天草。
    高浜作品の中では、この作品が一番読みやすいと思いました。

    天草にまつわる埋蔵金をめぐる物語。
    高浜先生の莫大な資料に裏付けされた蘊蓄が、青年漫画のよくある冒険譚とは一線を画しています。ファンタジーというより実録ルポに近い。幕間に入る天草ローカルネタも楽しい。
    一巻は舞台も整い、いよいよこれから冒険が始まる…という感じ。
    続きが楽しみです。

    【2025.11.15】
    2巻読了。驚くほど面白くなってきました
    高浜先生というと美しい作画&叙情的なイメージがあったのですが、この2巻は知的エンターテイメントに満振りしてきた感じ。滅茶苦茶面白かった
    各章の終わりに入っているコラムもいちいち面白い。知的好奇心に溢れていて、語彙力のない私は「すご……」という言葉しか出てこない
    まさに高浜先生でしか描けない物語。続きがますます楽しみです
  • クジャクのダンス、誰が見た?

    浅見理都

    そんなバナナ
    ネタバレ
    2025年4月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 最終巻、読みました。

    まさかこんな結末を迎えるとは――。
    衝撃の結末に絶句しました。

    【以下、かなりネタバレしています】
    小さい子供を育てながら夫に内緒で妊娠出産て、別居婚でもない限り有り得ないと思う。
    しかも相手は刑事。それに気付かない有能な刑事とか、設定が破綻してる。
    その部分の物語が別にあるのなら是非読みたい。そっちのほうが面白そう。
    他の殺人に関しても殺人の動機が弱い。たとえ過去の不祥事が明らかになったとしても、殺人のほうがよっぽど罪が重いし。

    長い間ずっと追っていました。いつも楽しみにしていました。
    6巻はものすごく面白かったのに
    残念です。
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