善良で愚かな人々と、斜陽の工場が吐き出す煙にくすんだ何も無い街で僕は育った。閉ざされた街から脱出する方法…。それは東京の大学に進むことだ。僕は、市内一と言われた学校に入った。誤算だったのは、軽音楽部に美術部に映研など部活にハマってしまったこと。今じゃ立派な落ちこぼれで、計画もままならない。そして森山雅楽と出逢ってしまった事。時代錯誤なまでのその美貌に、誰もが腰を引かせた。その雅楽が僕に古式ゆかしいラブレターをくれ、自分の家に招きいれたのだ。童貞の僕は処女の雅楽を犯した…。「凍れる街」「雅楽とボク」「伝えたい、伝わらない」「秘め事」「DISCORD RECORD」「氷細工の夏」「冬の檻」他に「点子先生と安東」「点子先生の憂鬱」「点子先生の災難」を収録。