ヨミホのトップ画面でたまたま見つけた作品。スマホの小さな画面でもこの表紙イラストは引力大! あとがきにこの表紙のデザインについて絵の苦手な(笑)担当さんから構図をFAXされるエピソードがありました。
ヨミホは私にとってお気に入りの作家
さんの作品を読む場所ではなく殆どがタイトルand表紙買い。必然的にインパクトのある表紙に惹かれます。というか、この表紙の構図と情報が興味そそられまくりでしょ! 手前の怒り顔の少年(のちに性事情が判明する桐野くん)がなぜか唇の紅を無造作に手で擦ってるし、奥にうつ伏せで寝そべってる少年?少女?(のちに三島くんというこれまた多感な性事情に翻弄される少年と判明)の空虚な表情たるや。そして、二人がいる場所があの有名映画を彷彿とさせる線路というので、ああそしたら寝そべった子は少年なのかと。なので名作映画タイトルに内包されているテーマと、これまた考察を促されるこの作品のタイトルとが相まって俄然この作品を読みたくなるわけです。表紙って大事。中味も非常に才能あふれる内容なので、読んでさえもらえたら必ずファンになってもらえるのだと表紙に突破口を集約した担当さんの熱量に非常に納得しますし感動すらしました。
ややもすると重くなるLGBTテーマ。この作者さん独自のポップな絵柄とセリフ等の演出で実に巧みに誘導されていきます。少年たちのやりとりには楽しく笑えるんだけど、一途でひたむきな青春(+性春)には胸が苦しくなるし、透けて見えるそれぞれの家庭状況や地域性なんかもサラリと織り交ぜていてこの作品の世界観に厚みがあります。
さて、私は今ヨミホでSIDE-Bの1話まで読んだところなのです。完結作品なのにラストまで読まずに感想を書いてしまいました。書かされてしまいました。久々に自分の指で探り当てた秀逸作品なのでこの先ヨミホに降りてくるのであれば心落ち着けてゆるりと待ちたいような気もするし…。うーむ、心地よく悩んでおります。
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