競技ダンスのことなど全く知らない私でもドハマりするくらい惹きこまれました。もう絵がとんでもなく魅力的。美しさはもとより躍動感が半端ない!キャラたちの感情がストレートに伝わってくる素晴らしい絵です。手書きの字が小さすぎて読めなくてもどかしいこ
ともありますが、セリフなくても絵だけでたくさんのことを伝えられる作者さんだと思います。
物語の方も、緊迫したシリアス要素とゆるっと楽しいコメディ要素のバランスが絶妙で、夢中になって読んでしまいます。登場人物たちがそれぞれのやり方で、もがき苦しみながら自分自身と向き合い、ぶち当たった壁の向こう側を見たくて奮闘する姿は見応えがあります。苦しみ以上に喜びがあるから諦めずにしがみついていられるんだなと思うと、ちょっと羨ましいです。私はそこまで執着できることに出会えなかったし、しがみつくエネルギーもないというか。正直憧れ半分で読んじゃってますね。
まぁ、何かを極める道を歩んでいなくても、生きていれば誰でも壁にぶち当たる訳で、私なんかは別段壁の向こう側が見たいという執着もないので乗り越えずにいられる道を探します。そうして逃げまくった結果、もう逃げ場がなくなって追い詰められてしまうことがあります。そんな時にこの作品は壁を乗り越える勇気をくれる気がします。ダンスを通して常時自分と対話しながら壁を乗り越えて成長していく登場人物たちの姿に、辛いことも悪いばっかりじゃないかもしれないと思えてくるからです。人生に通じる真理に触れられるので、この作品に出会えてよかったと心から思います。
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