文月先生は字が多いため、字の少ないのが好みの人には敬遠されるかもしれないが、これは作風、もう昔からの個性であって、私はこのスタイルを貫いてほしいと思っている。
ストーリーは、愛してると言ってくれない、と悩む、HQの1典型。それでも彼確
かに、本当はどう思っているか、肝心なところはうやむや。
しかし、彼にしてみても、ヒロインの前彼への未練はどんな感じか確かなことは解らない。
掛け合いの言葉の中から真実を探し、色々な行動から本音がどこなのか見極めたいとする。それでも、相手の言葉がどう出てくるか待っている。
反射的に愛していると口をついたところで、そこは信じられなかったり。
人の心の中が見えないからこそ自信は持てない。
形から入ったように、後から心が遅れて着いてきたように見えて、互いに相手を実はむちゃくちゃ意識しながら、それをふっと心にもないことを言って本心を隠す。
4星をつけたのは、素直になれない部分と、相手に対する期待とがせめぎ合う所にドラマを感じ取れたから。
私は、こういう、自分に触るなと、あれほど強くしつこく言いながら、それでも彼が来てくれることを望む考え方、やり方が、ずるい態度に見えて、本当は好きになれない。
そこまで言われても尚も来るとすれば、そういう人の中には、余程の自信家か、ストーカー気質も混ざる気がしてしまうのだ。
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