主人公の飯嶋律は、妖(あやかし)の世界に触れる力を持つ。
青嵐という実父に乗り移った(!)妖怪をボディガードにし、近所に根城を持っていた妖鳥2羽を従え、妖の世界に関わる・・・。
この妖魔たちのキャラクターが秀逸です。
青嵐は食欲旺盛で飄
々としているが、どこか抜けている。
妖鳥2羽は、日中は愛らしい文鳥の姿で夜になると山伏のような姿。そして酒盛りが大好き。ちょっぴりドジ。
文鳥を飼いたいと思ってしまうほどに憎めない可愛さです(笑)
また、律の従姉妹たち(同様に霊感が強く引き寄せる体質)のキャラクターも魅力的です。
女性はやはり強いですね。
従姉妹たちに振り回されながらも“後ろ向きに”がんばる律の姿が微笑ましいです。
ジャンルはホラーファンタジーです。
日常の中に“自然と”存在する妖と、“自然に”関わる。
時には避けたり浄化させたりしなくてはいけませんが、基本的には共存する相手として描いています。
この百鬼夜行抄を読んでから、夜寝るのが怖くなくなりました。
妖怪は共存するもので、関わろうとしなければ大抵は害をなさないようです。
人間に居場所を奪われる現代の妖怪の苦悩も描かれています。
たまに怖い話もあります。
が、ほとんどの場合、愛着を覚えるほどです。
読み終えたあと心あたたまることもあります。
パック買い、オススメです。
私は単行本の購入も考えています。
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