50ページの読み切り「星と太陽と大地と君と」が収録されています。電子化されている中で最も著者の良さが出た、外国風舞台の切ないメルヘンファンタジー。人がこの世に生まれる時には、必ず対となる存在である『鳥人(トリビト)』が生まれてきて、いつも励
ましてくれている……そんな温かみのある設定の中、主人公ローズと対の鳥人であるブルーの交流が描かれます。ローズとその妹リリーの関係も絡み、誰も悪くないのに切ないというのがもう切ない(語彙力…)。
表題作の「ロケット☆マイスター」も、グラサンにマッチョでオヤジという胡散臭い魔法使いが主人公の短編連作で良いです。星4つ。良いんですが、これ、スピンオフなんですよね……。スピン元である「マジック☆マイスター」(小学生男子の成長もの。最高。)は電子化されていません。著書作品は代表作である「フィーメンニンは謳う」すら電子化されておらず、ちょっと扱いが悪いなぁ、と感じています。
そんな中、発表から4年を経てやっと単行本に収録された「星と〜」が電子化にすべりこんでいるのは奇跡的。まぶしいほどの少女漫画で懐かしさとくすぐったさも(ひねくれ者の私には)ありますが、読み切り好きな方は是非。
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