「猫と一緒にいたら、悩みや疲れがいつの間にか消えていた」という経験はありませんか?猫と触れ合うとオキシトシンというホルモンが分泌されて、幸福感や安心感が高まるからだそうです。ただ猫を見て「かわいい」と感じるだけでも、オキシトシンは分泌されるのだとか。そこで、心や体が疲れたときにおすすめなのが猫が登場する猫漫画です。猫がいる毎日をリアルに描くエッセイから、不思議な力を身につけたスーパー猫が活躍するファンタジックな作品まで。安心と幸せに満たされる猫漫画23作品を紹介します。猫漫画を読んで、日頃の疲れを癒してください。
作者が飼っている猫との日常を綴った猫コミックエッセイから、おじさんが猫に転生したり、凄腕の剣士が猫を溺愛したりといった異色の設定の作品まで。猫を題材にした、笑顔になれるギャグ・コメディ猫漫画7選です。
【あらすじ】 寂しい頭頂部に黒縁眼鏡。定年間近のサラリーマンのおじさんは、気がつくと猫に転生していた。猫になって、すれ違う人間から「かわいい」と言われたり、人間とは異なる座り方に戸惑ったりしているおじさんの前に現れたのは、いつも怒ってばかりいる自社の社長だった。猫になったおじさんを見ると、社長は会社では絶対見せない笑顔を見せた。社長はおじさん猫を家に連れ帰り、「プンちゃん」と名付けてペットにすることに。元おじさんの猫とコワモテ社長との愛情たっぷりの暮らしが始まった。
【作品情報】 作者はやじまで、X(旧Twitter)に2023年2月から毎日投稿しているWeb漫画の単行本版です。 次に来るマンガ大賞2023WEBマンガ部門2位を獲得しています。 2023年12月に第1巻が配信され、2024年9月時点で3巻まで配信中です。2024年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 突如前触れもなく猫に転生してしまったおじさん。普通なら「元に戻りたい」と思いそうなものですが、このおじさんは意外とすんなり新しい状況に順応していきます。愛くるしい猫「プンちゃん」と、その背後に見える転生前のおじさんの姿。普段はコワモテの社長がプンちゃんを溺愛して、決して人には見せない表情でデレデレする姿。二つのギャップで笑いと癒しをもらえる作品です。
【あらすじ】 漫画家・松本ひで吉(女性)は、犬と猫を一緒に飼っている。犬のほうは、かまってもらえるだけでうれしくて甘えてくる天真爛漫な明るい性格。一方、猫のほうは機嫌が悪いと本性をむき出しにして攻撃してくるわがままな性格。最初に純真な犬の仕草が紹介され、犬とは正反対な猫の自由で過激な反応がオチとなって、毎回笑いを誘う。
【作品情報】 『境界のミクリナ』『ほんとにあった! 霊媒先生』『ねこ色保健室』の松本ひで吉が2017年にX(旧Twitter)に投稿したWeb漫画で、2018年からは「Palcy」にも連載され、2021年に全7巻で完結しています。2020年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 純真無垢な犬くんが目をキラキラさせて飼い主に駆け寄るに癒され、本能をむき出しにして睨む猫さんに生きることの厳しさを教えられます。オチ要員の猫さんの表情や仕草がふてぶてしくて怖いようで、なぜかそのストレートさに読後はほっこりする不思議な作品です。
【あらすじ】 のら猫のフルットは安アパートの住人・鯨井先輩にエサをもらっているため、のら猫仲間のブロンとウッドロウや、飼いネコのタマからも、のら猫とも飼いネコとも認められない中途半端な存在。一方、エサをくれる鯨井先輩は定職につかず、パチンコで生活費を稼ぐちょっとダメな女性で、時々同じアパートの住人である漫画家の白川先生のアシスタントをして、なんとか暮らしている。
【作品情報】 作者は『天国大魔境』『それでも町は廻っている』の石黒正数。秋田書店「週刊少年チャンピオン」にて2009年から連載中。2024年8月時点で11巻が配信中です。2012年から2018年には『別冊 木曜日のフルット』が「別冊少年チャンピオン」でも連載されました。
【おすすめするポイント】 登場するキャラクターは人間も猫も、ちょっと残念な感じ。ささやかな生活の中でも楽しそうに暮らす姿は、スヌーピーでお馴染みの「PEANUTS」を彷彿とさせます。読んでいるうちに、いつのまにかフラットや鯨井先輩が心の中に住んでるように親しみが湧きます。ページの端っこにある「この作品はフィクションです」の前に入る言葉が毎回異なっていて、それを読むのも楽しみの一つです。
【あらすじ】 上級旗本の息子・立花は、楠田道場で一番の剣客・夏目東伍郎に心酔していた。立花は剣技の極意を教わるために東伍郎剣歴を尋ねたが、なんと東伍郎は父親に教わっただけで特に習った流派はないという。実は東伍郎はペットの猫・まろすけに夢中で、師匠も猫を飼う指南をしてくれるフジコ婆さんだった。ある日、藩内で随一の剣の腕の腕前と評判の、隻眼の剣術家・大佛武人(おさらぎたけひと)が東伍郎の前に現れた。剣の技で対決するかと思いきや、大佛も東伍郎に負けないほどの猫好きで、3匹も猫を飼っていた。
【作品情報】 作者は長月キューで、2013年から小学館「ビッグコミックスピリッツ」にて不定期に連載され、2015年2月時点で3巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 一見無骨な東伍郎が、実はデレデレの猫好きというギャップになごみます。過酷な訓練をしなくても剣術が最強なのは、猫のしなやかで素早い動きを日頃から見ているからかもしれません。東伍郎が猫好きであるためにとった行動が、結果的には人助けや悪人成敗にもなっていて、従来の「弱きを助けて、強きくじく」時代劇の要素もキッチリ入っていています。猫好きと時代劇好きの両方が楽しめる作品です。
【あらすじ】 漫画家・卵山玉子の飼う2匹のメス猫。いたずら好きだけど怒られると慌てるメスのハチワレ猫・トンちゃんと、よく鳴いてすぐおしりをくっつけてくる癖を持つ白猫・シノさん。家のアイテムも猫たちの爪とぎや遊び場にされてボロボロになり、新しいものを購入したらそっちもまた遊び場に。2匹の行動にアタフタする、大変だけど幸せな猫ライフを描いたコミックエッセイ。
【作品情報】 作者は『ねこの手キッチン』の卵山玉子。『マンガでわかる ネコさんが教える疲れリセット教室』『ズボラでも痩せる! ネコちゃんのゆるゆるダイエット塾』『ネコちゃんのスパルタおそうじ塾』など猫が解説する実用マンガでも活躍しています。2015年からアメブロに掲載した漫画ブログを2016年からKADOKAWAが書籍化、2024年9月時点で8巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 性格の違う2匹の猫の生態をゆるくシンプルなタッチで表現。四コマの隣りにはホンモノのトンちゃんとシノちゃんの写真があってわかりやすいです。巻を重ねるごとに少しずつ新しい仲間も登場して、卵山家の猫たちもにぎやかになっていきます。漫画の合間にあるコラムも、猫の育て方ガイドとして参考になります。
【あらすじ】 作者・鴻ノ池剛(こうのいけつよし)は2年前から猫のぽんたを飼っている。剛はぽんたができるだけ快適に暮らせるように気を配るが、ぽんたは毎回予想を裏切る行動に出る。タオルやオモチャやねこ草を用意してあげても、適当に積まれた段ボールを寝床にする。出勤前にスーツについてる毛を取ろうとしたら、まとわりついてきて余計に毛だらけになる。予測不能のぽんたに振り回される毎日を自虐的に綴る猫エッセイ漫画。
【作品情報】 作者は『ヒモメン〜ヒモ更生プログラム〜』『鴻池剛の崖っぷちルームシェア 犬と無職とバンドマン 』『鴻池剛の4コマ漫画 黒歴史』の鴻ノ池剛。作者は自身のブログ「ウッドブック」で漫画日記を描き続けており、本作はその中から「猫の話」をピックアップしたものです。2015年に書籍化され、2018年12月時点で3巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 人が良すぎて常に他人に振り回されているばかりの作者・鴻池剛の様子は作者のほかの作品『鴻池剛の崖っぷちルームシェア 犬と無職とバンドマン』『鴻池剛の4コマ漫画 黒歴史』でも紹介されています。そんな剛が今度は猫に振り回されます。友達に無理矢理押しつけられ、なし崩し的に飼うことになったぽんた。ぽんたのためにコタツやトイレを用意しても、ぽんたは剛の予想外の行動をとって迷惑をかけまくります。ダメ猫でもかわいくて仕方がない飼い猫愛が伝わって、多くの猫好きの共感を呼んでいます。
【あらすじ】 激化したやくざ同士の抗争に終止符を打った伝説の極道、鬼門組四代目組長・松方久秀は組長の座を後進に譲って引退した。しかし、待っていたのは何もすることがない暇な毎日だった。三代目が残した盆栽を手入れしようとすると、屋敷に忍び込んできたまん丸ののら猫と遭遇。三代目の盆栽をひっくり返したのら猫に松方は本気で挑むが、なまった体ではのら猫を捕らえることができない。毎日屋敷に現れてはいたずらを仕掛けて挑発するのら猫と松方との仁義なき戦いが始まった。
【作品情報】 作者は『お菓子男子』の片倉頼。2022年から小学館「サンデーうぇぶり」に連載され、2024年7月時点で3巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 最初はアニメ『トムとジェリー』のように、のら猫(のちににゃん吉)とオヤジとのドタバタバトルが展開。ところが、毎日けんかしているうちに、いつの間にかオヤジはにゃん吉がかわいくなって、いつしかかけがえのない相棒になっています。不器用な昔気質の人間とのら猫の交流を描き、笑いと涙をもらえる作品です。
心がポキッと折れそうな辛いときに、黙って側に寄り添ってくれる。そんな優しい猫のように、ジワッと染みる物語ばかりを集めました。猫と人、猫と猫との愛情に涙する漫画6作品です。
【あらすじ】 元小学校の教師だった大吉さんは現在75歳で、近所の人から「先生」と呼ばれて親しまれている。2年前に妻に先立たれてからは愛猫タマと二人暮らし。大吉さんはタマの世話をしているつもりだが、実はタマは妻が亡くなる前に、妻から大吉さんの様子を見るように頼まれていた。
【作品情報】 作者は『トラとミケ』『ちび猫 どんぐり』『ケンちゃんと猫。ときどきアヒル』のねこまき(ミューズワーク)。KADOKAWAから2015年に1巻が出版され、2024年3月時点で10巻が配信中です。第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品。2019年には立川志の輔主演で映画化されました。
【おすすめするポイント】 作者独特のゆるいタッチに、隅々まで丁寧に描かれた田舎の風景を水彩画のような淡い色使いでオールカラー描写。春夏秋冬を感じられる景色と一緒に、季節ごとの旬の味覚もふんだんに登場します。まるでじいちゃんとタマのいる田舎に迷い込んだような気分。何度も読み返したくなる癒しの物語です。
【あらすじ】 「泣く子はいねが~、泣く子はいねが~」と夜廻り猫は、今夜も顔は笑っていても、心の中では泣いている人に寄りそう。涙の匂いを嗅ぎつけ、泣いてる人の前に現れるのだ。とは言っても、夜廻り猫は心で泣いている人の悩みは一切解決できないのだけれど……。夜廻り猫と一緒にいる間にいつの間にか夜明けが来て、次の日になっている。そして、人々はまた今日一日を生きていく。
【作品情報】 作者は『カンナさーん!』『エデンの東北』『ハガネの女』の深谷かほる。 X(旧Twitter)で毎日更新していた作品が2016年に書籍化され、その後講談社「モアイ」と「コミックDAYS」に引き継がれ、2023年11月時点で10巻が配信中です。関連書籍『夜廻り猫の展覧会』『夜廻り猫レストラン』『夜廻り猫 居酒屋ワカル』も好評配信中です。
【おすすめするポイント】 夜廻り猫は、ドラえもんのような便利な道具は出せません。ただ、心では泣いている人の側にいるだけ。人間自身も心の中で泣いてる事実に気がつかないくらいです。でも、ちょっとお節介な夜廻り猫が側にいることで、いつの間にか、縮こまった心がほぐれています。人は辛いことがあるから泣くのでない、辛いことを分かち合える人がいないから泣くのかもしれません。夜廻り猫は辛いことを抱えた人にそっと寄り添います。心がほんのり温かくなり、明日を生きる希望をくれる猫漫画です。
【あらすじ】 ペットショップでいつか飼い主が現れることを待つ、もうすぐ1歳になる猫。しかし見た目が残念なために飼いたいという人が現れず、半ば諦めていた。そこへ白髪の紳士「パパさん」が現れ、パパさんの飼い猫になり「ふくまる」と名付けられた。パパさんは亡くなった妻の「猫を飼いたい」という願いを叶えるためにふくまるをペットに選んだのだ。自分だけの名前を呼んでもらえることは一生ないと絶望していたふくまるは、名前を付けてもらい幸せだった。またパパさんも「お前に出会えたことが幸福だからふくまると名付けた」という。パパさんとふくまるの幸せを噛みしめる毎日が始まった。
【作品情報】 作者は『神とよばれた吸血鬼』の桜井海。2018年からスクウェア・エニックス・pixiv「ガンガンpixiv」で連載され、その後2019年から「月刊少年ガンガン」に移籍し、2024年6月時点で13巻が配信されています。2021年には草刈正雄主演でテレビドラマ化されました。
【おすすめするポイント】 妻に先立たれた「パパさんと」、一生誰からもかまわれることがないだろうと諦めていた「ふくまる」は、孤独という点で似た者同士。お互いに唯一無二のかけがえのない存在となって、毎日幸せを噛みしめる姿に感涙します。また、パパさんにかまってもらいたくて空回りするふくまるのドタバタ劇にも爆笑します。涙と笑いが醸し出す絶妙なハーモニーがたまらない作品です。
【あらすじ】 飼い猫だった白猫のマルルは散歩に出たはいいものの、帰り道を忘れて家に戻れなくなってしまった。不安なマルルの前に現れたのは、近所ののら猫を束ねるハチワレ猫のハチだった。ハチは、町は元飼い猫が生き残れるほど甘くないと警告する。ある日、ハチはじょうろの水を飲もうとして突っ込んだ頭が外れなくなり、水も餌も口にできず餓死寸前になっていた。マルルが頭からじょうろを引っこ抜いて、ハチは命拾いした。命の恩人になったマルルは、ハチから御礼に「のら猫サバイバル術」を直接伝授される。
【作品情報】 作者は『きつねくんと先生』『あしあと探偵』の園田ゆり。2021年から講談社「コミックDAYS」に連載され、2024年5月時点で5巻まで配信中です。1巻はオールカラーの『ツレ猫 マルルとハチ いろぬり版』も配信中です。
【おすすめするポイント】 のら猫が人間に保護される漫画は数多いですが、本作は珍しく、過酷な町の中でのら猫がどうサバイバルしていくかを描いています。時には天敵の裏をかき、時には人間の性質を見抜いてエサにありつきます。たくましくし強かに生きていくマルルとハチに、生きる勇気をもらえる漫画です。
【あらすじ】 白猫の猫村さんはかわいがってくれた坊ちゃんが引っ越すことになったために泣く泣く別れて、坊ちゃんがくれたエプロンをして家政婦として働くことになった。派遣先の犬神家は大金持ちだったが、学者の夫は愛人を作り、妻は整形に明け暮れ、娘の尾仁子はグレて荒れていた。妻から「入ってはいけない」と釘を刺されていた「開かずの間」には、仔犬と一緒に尾仁子の祖母が閉じ込められていた。一見何不自由ない満たされているはずの家庭の隠された裏側を猫村さんは目の当たりにしたのだった。
【作品情報】 作者は『ぼくとポーク』『山とそば』『逢沢りく』のほしよりこ。2003年からインターネットサービス「@NetHome」で連載され、2006年からマガジンハウス「「猫村.JP」で連載。2023年2月時点で8巻まで配信中です。2020年には松重豊主演でテレビドラマ化されました。
【おすすめするポイント】 「猫が家政婦」という現実離れした設定でも、作者独特の味のあるタッチで、すんなりと受け入れられます。テレビ好き妄想好きの猫村さんが、たびたび本題から脱線して、テレビドラマの展開が気になったり、過去の記憶をたどったりすることも。ゆるやかな日常が描かれながら、派遣される家庭の事情は、ドラマ「家政婦は見た!」ばりに深い闇を抱えており、考えさせられます。
【あらすじ】 人間の言葉を話す猫股(ねこまた)のニタと組んでネズミ除けの猫の絵を専門に描く絵師・十兵衛。ある日、料理屋店主の久蔵から年老いた愛猫・手白(てしろ)に代わってネズミ退治ができるようにと、襖に猫の絵を描くように頼まれた。久蔵は目を患っていて、やがて両目とも見えなくなるという。手白は久蔵のために毎晩お宮に参って願掛けして、久蔵の目を舐めていた。手白のおかげで久蔵は片目を失うだけで助かった。しかし、大雪の夜も願掛けに行った手白は、吹雪の夜に姿を消してしまった。手白を失い落ち込んで寝込んでいる久蔵へ十兵衛は手白の絵を贈った。手白の描かれた掛け軸を床の間に掛けて、久蔵は再び厨房に立った。
【作品情報】 作者は『ホームメイド*ホーム』『ねこ*かぶりん』『猫又と上手に暮らす法。』の永尾まる。2007年から少年画報社「ねこぱんち」で連載され、2024年8月時点で24巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 毎回読み切り形式で、十兵衛とニタが案内人となって、江戸の人と猫との愛情が生み出す不思議な物語が展開します。江戸時代の猫はみんな、自分を犠牲にしてでも飼い主に恩を返そうとする義理堅い性格。「猫の恩返し」的なストーリーで、涙なしには読めません。また江戸時代の暮らしぶりを正確に描いており、江戸時代にタイムスリップした気分も味わえます。
同じ猫と人間とのふれあいを描いた漫画でも、その魅力は一作ごとに異なり、色とりどり。みんな違ってみんないい。まさに十人十色で十猫十色。猫との日常に癒されるほのぼの猫漫画10作品です。
【あらすじ】 社珠子(やしろたまこ)は、猫が営むラーメン屋「赤猫」に面接に行き、その場で採用が決定する。珠子はラーメンに毛が入らないようにするために、猫をブラッシングする係になった。前職がブラックな会社だった珠子は、ラーメン赤猫の猫たちのひたむきに働く姿やその優しさに感動する。夜は洗い場担当として、猫耳をつけた唯一の人間スタッフとして店に出ることになった。
【作品情報】 作者は『夜ヲ東ニ』のアンギャマン。2021年から集英社「ジャンプルーキー」に投稿され、2022年からは「少年ジャンプ+」にて連載され、2024年10月時点で9巻が配信中です。2024年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 もちろん猫が営むラーメン店は実在しませんが、仕事の中身はちゃんとリアルなラーメン屋さんなので、まるで珠子と一緒に赤猫で働いている気分になります。「こんなラーメン屋さんなら働いてみたい」と思える、癒しと元気がもらえる作品です。
【あらすじ】 主人公の28歳のOL・福澤幸来(さく)は、毎日仕事に負われて、帰宅するとクタクタで家事をする力も残っていない。幸来のかわりに家事全般を行い、夕食を作ってくれるのは、3年前から飼っている黒猫・諭吉だった。諭吉はいつの間にか熊のように大きくなり、エプロンをして幸来の世話をするようになった。夕食や晩酌のおつまみ作りから、うたた寝している幸来を抱えて風呂に入れる。食材の買い出しにスーパーに行っても、着ぐるみだと思われ誰にも不審がられない。
【作品情報】 作者は『僕の後ろに魔女がいる』の山田ヒツジ。講談社「水曜日のシリウス」にて2018年から連載され、2021年からは「月刊少年シリウス」でも連載。2024年9月時点で10巻が配信中です。2023年にはテレビアニメ化もされました。シーモアでは諭吉のレシピ集『デキる猫は今日も憂鬱 公式レシピBOOK 諭吉ごはん』やファンブック『デキる猫は今日も憂鬱 公式コミックガイド 超・諭吉LOVE』も配信中です。
【おすすめするポイント】 家事万能の諭吉は、大人になったらドラえもんを超え、一緒に暮らしたい猫No.1です。諭吉の作る料理はどれも簡単な素材で作られたシンプルな料理ですが、すべておいしそうです。最初は幸来だけの秘密だった諭吉の存在を上司の織塚部長やスーパー店員の仁科などが知るよことにより、諭吉の楽しむ世界がさらに広がっていきます。
【あらすじ】 子猫のチーは散歩をしている間に、母猫と兄弟達とはぐれてしまった。山田家の長男、幼稚園児のヨウヘイに空き地にいた所を発見され、マンションに連れて帰られる。チーは早く母猫の元に帰りたくて脱出を試みるが、そのたびに連れ帰られて、次第に山田家の生活に馴染んでいく。しかし、実はマンションはペット禁止だった。マンションの管理人にバレないようにチーを必死に隠す山田家だったが、ついに隠しきれなくなった。チーはヨウスケのママの実家の北海道で飼われることになったが、チーと一緒にいたいヨウスケはチーと共に家出した。
【作品情報】 作者は『ふくふくふにゃーん』『スーと鯛ちゃん』『はぐはぐ』のこなみかなた。2004年から講談社「モーニング」に連載され、2015年に全12巻で完結しました。テレビアニメ化は2008年から4期に渡って放送されました。
【おすすめするポイント】 子猫チーがとにかくかわいくて、その仕草と表情に釘付けになります。山田家の生活が中心となりますが、やがて、はぐれた母親や兄弟との再会を目指してチーは家を飛び出していきます。チーは家族と再会できるのか? 山田家との関係はどうなるのか? 結末まで見逃せない猫漫画の最高峰です。
【あらすじ】 ミステリー作家・朏素晴(みかづきすばる)は、幼い頃から想像の世界に没入するあまり、人を寄せ付けない。その性格に手こずった前の担当編集者は胃炎になって異動している。朏は両親が亡くなってから、ますます内にこもる生活に拍車がかかっていた。そんななか、両親の墓のお供えものとして刺身を置くと、のら猫が食いついてきた。「新しい小説のネタができた!」と喜んでのら猫を家に連れてかえった朏だったが、のら猫が自分の近くにキャットフードを置いていく意味がわからなかった。それは、のら猫の気持ちを想像するあまりに、寝食を忘れていた朏を心配していたからだった。朏はのら猫への御礼にまぐろの缶詰を与えて「陽(はる)」と名付けた。
【作品情報】 原作は皆月つなみ名義でも活動している『幸せ番地0丁目』『大きな声では言えませんが』『陽だまりのニーノ』のみなつき。作画はライトノベル『今日から、あやかし町長です』『江ノ島は猫の島である』の挿画を担当している二ツ家あす。フレックスコミックス「COMICポラリス」にて2014年から連載され、2023年12月時点で10巻が配信中です。2019年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 創作に没頭したいあまりに、人のコミュニケーションを避ける作家・朏が、陽との生活を通して、触れ合いの大切さに気付いていく物語。人に対して興味を持てなかった朏が人間として再生する姿にジーンときます。各エピソードは陽と朏の視点が半分ずつで、一人と1匹の気持ちとその変化がわかるように構成されています。
【あらすじ】 その昔、江戸城大奥に仕える女性たちはほとんどが生涯独身で過ごした。そのため、猫を我が子のように可愛がったという。御年寄(おとしより)という身分の滝山は、顔が怖いせいか猫嫌いだと誤解されていた。しかし、実は上司の上﨟(じょうろう)御年寄、姉小路の飼い猫・吉野ちゃんがかわいくてしかたがない。しかし、吉野ちゃんは滝山がかまえばかまうほど、つれない態度を取るのだった。
【作品情報】 作者は本作が連載デビュー作となる山村東。2020年から講談社「モーニング」に連載され、2024年8月時点で9巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 本作の魅力は、主人公の御年寄・滝山のキャラクターにつきます。本当は猫好きなのに猫嫌いと誤解されたまま。大奥内のルールを取り締まる役回りのため、おおっぴらに猫好きをひけらかすことができません。滝山の本心を知ると、滝山の怖い顔も段々と愛しくなってくるから不思議です。猫は好きだけど、事情があって飼うことができないすべての人に読んでもらいたい作品です。
【あらすじ】 一人暮らしの社会人・フータの家に、学生の妹ピーちゃんが1匹のマンチカンと共に転がりこんできた。ピーちゃんは猫にキュルガと名付けた。フータは初めて猫と接することに戸惑いながら、キュルガの生態に慣れていく。
【作品情報】 作者は本作がデビュー作となるキュルZ。2019年から作者のX(現Twitter)とブログサイト「ねこナビ」で連載。KADOKAWAから書籍化され、2024年5月時点で6巻まで配信中です。2022年にテレビアニメ化されたあと、Webチャンネルで継続しています。
【おすすめするポイント】 作者独特のタッチである大きな黒目で無表情のキャラクターは、一見不気味ですが、不思議な味わいと温かみがあります。いつの間にかフータの愛猫キュルガの魅力のとりこになっていることでしょう。何度も読み返したくなるリピート必至の猫漫画。
【あらすじ】 デザイナーの間野太陽は、雪の夜に死にかけの黒い子猫を保護した。動物病院に駆け込み子猫は一命を取り留めたが、動物を駆除するための毒餌を食べたことがトラウマで、子猫はキャットフードを警戒して食べない。みるみる痩せ細っていく子猫のために、太陽は手作りの猫ごはんを作った。太陽のごはんのおかげで子猫はようやく元気になった。太陽は雪の夜に拾ったことから「ユキ」と名付けてかわいがる。
【作品情報】 作者は『花に乞え』『ルーチェの心臓』『消したい感情、ありますか』の御木ミギリ。本作が初の単行本化作品です。集英社「マンガmee」で2020年から連載され、2024年8月時点で、12巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 小学生の頃に猫に噛まれてから猫が苦手な太陽が瀕死の子猫と出会い、思いがけず飼うことになります。そこから、料理下手なのに料理を始めたり、保護猫カフェに行き情報収集したり、閉じこもりがちだった太陽の生活も広がっていきます。ユキを通じて変化する太陽の成長にも注目してください。
【あらすじ】 朝野宗一郎は妻の希望で都内から近い田舎に一軒家を購入した。しかし、1年もしないうちに妻は病気であっけなく他界。しかし、孤独ではなかった。妻の愛猫・ニイが猫又になり人間大の大きさに変化し、いつも側にいるからだ。人間と同じ味覚になったニイは、宗一郎と共に自然豊かな田舎の素材を使って、春夏秋冬の季節に合った朝ごはんを作っていく。さまざまな料理に挑戦する宗一郎の記憶に蘇るのは、生前の妻の面影ばかりだ。
【作品情報】 作者は『世界ねこメンずかん』『うさひよ』『ゆけ! だいゴハン! ~防衛学園奮闘記~』の清水アイ。元々作者がX(旧Twitter)に投稿していた作品が「COMICポルタ」に転載され、2022年に書籍化。2024年6月時点で3巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 作者が生まれ育った八ヶ岳南麓がモデルの自然あふれる風景は、思わず見惚れる美しさ。宗一郎が毎回丁寧に作る朝ごはんは、どれもおいしそうで食欲がそそられます。宗一郎以外の人も、ねこまたのニイに驚きもせず自然に受け入れる優しい人たちばかり。ニイと宗一郎のいる世界にずっといたくなる優しい猫漫画です。
【あらすじ】 高校1年生の男子・奏(かなで)の元に猫の姿をした手のひらサイズの妖精「手のひらねこ」が現れ、奏の家に勝手に住みついた。奏は手のひらねこをふわふわと名付けて、家族には内緒でかわいがっていた。ピアノが好きなふわふわのために、奏は吹奏楽部に入ってから止めていたピアノを再び弾きはじめる。
【作品情報】 作者は『華にあらし~組長娘とヤンキー男子高生~』『バスキュレ』『骨董猫屋』『午後3時 雨宮教授のお茶の時間』『向ヒ兎堂日記』の鷹野久。2023年から新潮社「くらげバンチ」に連載され、2024年全2巻で完結しました。
【おすすめするポイント】 小さな猫の姿をした妖精「手のひらねこ」がとにかくかわいい。一目見たら、「うちにも手のひらねこが来てほしい」と思わずにはいられません。ただかわいいだけで特別な能力はない手のひらねこですが、関わっていくうちにいつの間にか人と人の心を結びつけています。心がほんのり温かくなる作品です。
【あらすじ】 平凡なサラリーマン・楢崎和仁(ならさきかずひと)は、愛猫ソラと自宅にいるときに地震に遭い命を落としてしまう。その後、異世界に転生するに際して女神から魔法の力を付与された。ソラはしゃべれるだけでなく、背中に翼が生え、空を飛べるようになった。転生するなりいきなり襲ってきたゴブリンと戦った和仁は、魔法で林ごと焼き尽くしてしまう。和仁の魔力はまわりを破壊尽くすほど強力だったのだ。父のために薬草を探して森に来た少女サラと出会いをきっかけに、和仁は村を荒らすゴブリン退治に参加することになった。
【作品情報】 原作は、ねっとりが「レベルアップ+」に2019年から連載した同名Web小説。コミカライズは『魔女見習いの喫茶店』のアマセケイ。2023年から「コミックアウル」に連載されて、2024年に全14巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 転生した和仁とソラは圧倒的な魔力を手に入れて無敵なので、バトルシーンも安心して読み進められます。強力すぎるが故に調整しなければ活用できなかった魔法も、訓練を受けて次第に実戦で役立つようになります。キュートな子猫サイズのままのソラを見ているだけで癒されます。潜在能力を開花させて、和仁が魔法使いとして成長する姿にも注目です。
一度読んだら一目ぼれする猫漫画。あなたの推し猫を見つけてください。
今回は心が安らぐ猫漫画23作品を紹介しました。猫漫画の多くは短めのストーリーなため、隙間時間に読めるのも長所です。とはいえ、猫漫画の魅力の第一は何といっても猫のキャラクターです。一度見たらもう離れられないあなたの「推し猫」が見つかるはず。ページを開くといつでもそこであなたを待っています。気になる作品があれば無料の立ち読みからでもチェックしてください。