トレバーはまさにアメリカ映画に出てくる人物造形で、よく描かれていてアッシェンバッハ(映画ベニスに死すの主人公)になれないとジーンから逃げをうつけど、貴方は僕の神さまだと言われてジーンを受け入れた。でも、アーミッシュであるジーンとの幸せな2年間に終わりがくる。教会で咽び泣くトレバーに、子どもの頃を思い出して泣くトレバーにジーンも心揺さぶられ一度は思い止まるが、世の中を知らないアーミッシュのジーンを手放す大人のトレバー。二人の過去と未来を甥のジーンが狂言回しとしてうまく機能して、映画を観てるようでした。　郷愁をそそる『小さな恋のメロディ』もカーペンターズの歌も私が過ごした時代です。これにはもう作者の感性にシンパシーを持つ以外にはありません。そんな時代を過ごさなかった人にもお勧めの本です。

異世界転生もので、基本は主人公が理不尽に虐げられて、妹に婚約者も奪われ家も追い出され、誰も嫁ぎたくない呪いの国に嫁がされるがそこで溺愛されて幸せになるというテンプレものです。せっかく婚約者が猫に変身できるという、変わり種が仕込まれたのにそれは1話以降、ぜんぜん出てきません。