(仮)花嫁のやんごとなき事情 ～離婚できたら一攫千金！～ 1【シーモア限定特典付き】

何考えているか分からない旦那様も、大人しくなんてしていない行動派で時には戦っちゃう強い奥様もとても魅力的で面白い作品でした。久々に心から、読んでよかったなと思える作品に出会えました。

ラノベのコミカライズのようなので、元々原作が面白いのだとは思うのですが、それを漫画にするにあたって読者に面白いと思わせるための表現力・構成力がかなり秀逸な作家さんだったと思います。

原作のラノベからしたらきっと導入部分しか漫画では描かれていないので、続きが出ることなく2巻完結なのはとても残念ですが、続きのある作品を2巻でこれだけ上手くまとめているのは素直に凄いと思います。

嫁に行った先でのことしか描かれていないので、本物のシレイネが1度も登場することはなく、本物がどんな人物なのかや何故主人公とそっくりなのかは明らかにならず残念でした。
が、それを除いては何故毒龍公がシレイネを嫁に要求したのかや、最初の冷たい態度の理由などほぼ全て2巻ラストでスッキリするように綺麗にまとめられているので素晴らしかったです。
主人公がこの身代わりの仕事を断らなかった理由の1つである「シレイネへの恩」についても、作中で語られた回想で分かりましたし、その思い出がまた違ったエピソードへ繋がるとは夢にも思っていなかったのでなんだか感動しました。

主人公と旦那様の関係性も最初はどうなることかと思いましたが、変装で距離を縮めるとは思いもよらず。2人のやり取りを見てるのはとても楽しかったし、いつのまにか両想いになっていた恋心についても納得できる過程がちゃんとあって良かったです。
途中で、ん？旦那様もしや？と思っていたこととかもラストできちんと説明があって良かったです。

旦那様は賢くてカッコよくて、何言われても怒ったりせず冷静に言葉返してくる優しい所や時折見せてくれる笑顔が素敵でした。それがまた主人公の前でだけ自然と笑ってしまうんだろうなって予想できるのがたまらなかったです。…最初の首絞めてきたのはあんまりでしたが(笑)反省してたのでよしとします。
一途で主人公を逃がす気がない所にもキュンとしました。こんな王子に愛されてみたいですね。

でも何より主人公が魅力的でした。どんな状況でもなんとか出来る強さと、自分をイジメてる人にすらその人の立場に立って優しくできる心の広さ…凄すぎます。そりゃ王子も惚れちゃいます。

小説をコミカライズしたものってだいたい｢小説読んでから、こっち見てるでしょ｣って感じで肝心な設定を省いたように話が進んで行くので細かい設定が分からずつまらない作品が多いですが、この作品は一巻はとにかくヒーローがヒロインを殺してしまうんじゃないかと言うくらい憎んでいて｢この作品も残念なのかな｣と思わせておいて二巻で伏線の回収がされます。
まだ小説の方が続いているので分からないままの設定もありましたが満足でした。
とにかくヒロインが前向きで元気！頑張る女の子は好感が持てます。
ヒーローもカッコイイし、イロイロ問題が解決した後のデレ具合もまた良かったです。
続きの小説も、この作画の先生でコミカライズされるなら購入したいです。

引き込まれる画力、最初から最後まで目が離せない波乱万丈な攻防ストーリー、ラストにかけての盛り上がりや伏線回収とどれも最高峰なのに、2巻で完結(続きは小説で)ということだけが非常に惜しい作品。
ですがたった2冊にしては内容が濃密で満足度が高く、上手く落とし込んだなぁという印象を持ちます(原作は未読)。
全くないわけではないですが、ラブシーンを期待すると拍子抜けするかも。どちらかと言えばバトル展開が多め。
とにかくヒロインが逞しく、可愛さも格好良さも兼ね備えていて最高でした。
打ち切り芸を得意とするKADOKAWAさんだから続編はないんだろうな…。

姫姿のヒロインへの殿下の冷酷な態度は、一向に良くならないし、メイド変装のヒロインの正体に気づくそぶりもないし、一体どう2巻で終わるんだと心配にさせられ、からの予想以上のドラマチックな展開に興奮！感動！頭のイカレたゲス野郎の胸糞な暴れっぷりが、見事にクライマックスまで盛り上げてくれる。溺愛夫に激変した殿下の甘い爆弾投下にギュン萌えさせられて物語は終了するが、恋愛進展はこれからという感じ。原作の試し読みで続きのさわりだけ読んだが、ヒロインの夫拒絶が興ざめしそうに長そうなので、続きは読みたいような読みたくないようなという感じ。

身代わり花嫁の王道です。
下町根性で俺様王子とバトルしながらも、支えあって惹かれていくお話が面白かったです。
小説の絵とよく似てるのですが、王子のアップとか、すばらしくかっこいいです。
この漫画家さん、素晴らしいカット、コマの書き方だと思いました。
もっとコミカライズ読みたいです。全部出してくれたら、10巻以上だから無理かなぁ。
小説では、ヒロインの本当の出生にも、ファンタジー的な設定を組み込み、ラスボスも意外な人物で、良かったです。
養父のオネェ傭兵もキャラが濃くて素晴らしいです。