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バナナブレッドのプディング 1巻
1巻完結

バナナブレッドのプディング 1巻

627pt/689円(税込)

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作品内容

少し変わった女子高生・衣良の理想は、“世間にうしろめたさを感じている男色家”。思春期の揺れる少女の心を描く、感性豊かな傑作短編集!

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レビュー

バナナブレッドのプディングのレビュー

平均評価:4.1 7件のレビューをみる

最新のレビュー

  • (4.0) 崖から落ちるか落ちないか。
    コマキさん 投稿日:2023/2/10
    久しぶりに読み返した。表題作について。終始軽やかに描写されてるんだけど、現実と非現実との境界が曖昧な少女がギリギリ現実世界で立っている緊張感が伝わってくる。現実では切ない展開や理不尽な展開が次々と起こって、読者としてはそこにも心的にダメージ をくらいつつ、少女イラの非現実観の強い思考による恐怖も感じられて、読後精神的にすごい疲れる。息切れする。そういう読後感になるのは、大島先生の作品にはけっこう多くて、とてもじゃないけど一気には読めない。一つずつ咀嚼時間が必要。とくにこの作品は割り切れない現実を突きつけたまま終わるので。それが現実なんだけど。スッキリとはいかない。なので気軽には読み始められないけど、無性に読みたくなるときがある。そんな作品。 もっとみる▼

高評価レビュー

  • (5.0) 「きょうはあしたの前日だから、」
    梅干しさん 投稿日:2021/7/20
    「だからこわくてしかたないんですわ」大島弓子先生の著作の中でも屈指の名言と思います。自分ごときがレビューするのもおそれ多いですが、何が面白いかわからないという低レビューの方にお答えできれば、と。すみません本当に恐縮でした。端的に言って前述の セリフに何か思うことがあれば大島先生の紡ぐ言葉ひとつひとつに打ちのめされ、この作品は名作と思うでしょうし、何も引っ掛からなければ縁がなかったと思うしかないかと思われます。自分は、作中、衣良がお化粧したところを男性に見られたことに対しひどく取り乱すところがとても印象的です。すごくよく分かるのです。ただ、それを自分は外に表現することは出来なかったし、ただただ自分でも理由のわからないどうすることもできない羞恥と屈辱に耐えました。衣良が取り乱してくれて、あああれは取り乱しても良かったんだと何年も経って救われました。自分だけが物のわからない子供なわけではなくて、誰しもある部分なのだと教えてもらえることは大変な慰めになりました。他の方もレビューでおっしゃる通り、こちらはおとぎ話なのです。ひとりの少女が崖から落ちないように周りの優しい人達が心を尽くしてくれるのです。何がおとぎ話かというと、現実には崖から落ちそうな少女を助けてくれる人に出会うことは難しいからです。「またあしたね」そう言ってミルクを渡してくれる人は現実にはいません。それでも、衣良がいるから1人じゃないと思えるのです。明日がこわい夜が来たところで、どうしようもないけれど衣良の話を読んで眠って朝が来れば、不安よりも何よりも寝不足の苦痛が自分を生かしてくれるわけです。(寝不足の苦痛は不安を吹き飛ばしてくれますね!笑)。自分の中にあった言語化できないどうしようもないものを、言語化して見せてもらえることはとても安心するのです。自分だけが考えることじゃなくて、誰しもあることなのだと、それを教えてもらえて心底安堵したものです。 もっとみる▼
  • (5.0) 優しいおとぎ話!
    三年桃栗アイスさん 投稿日:2019/5/19
    崖から落ちそうな衣良ちゃんに、思わず手を伸ばし、振り回される優しい兄妹。 姉以外の人の優しさを受け入れられない彼女の為に、ついた優しい嘘。 彼女は、人とかなり違った感受性を持て余し、普通を求める他者とは、関係をうまく築けません。 痛々 しくもドタバタした葛藤。 だけど、兄妹は、果てしなく彼女が好きで、果てしなく優しい…。 おとぎ話の中に真実がある!!! もっとみる▼
  • (5.0) 繊細な美しさ
    パインさん 投稿日:2022/4/8
    久しぶりに読みました。繊細で美しく、ため息が出た。 ストーリーもさることながら、描写ひとつひとつを追っていくと 木々の葉の揺れる音、雲の流れ、鳥の羽ばたく動き等々が伝わってきます。素晴らしいとしか言いようがない。
  • (5.0) 哲学的
    りんさん 投稿日:2020/1/4
    難しい表現も多いですが、どの作品も何処か心に響きます。 最初は一昔前のようなイラストと世界観に気後れを感じましたが、気付けば夢中で読んでいました! 作者さんの他の作品も読んでみようと思います。
  • (4.0) 思春期に悩める少女
    とかげさん 投稿日:2015/10/18
    主人公は神経過敏なまでの女子高生です。大島さんの作品はいつもどこか病んだような人物が出てきます。性別を越えた愛だったり、家族愛だったり、ただの甘いだけの話ではなく、考えさせられる作品です。

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