頁をめくる手を止めて、本編に入る前に表紙を見入ってしまう。色使いもタッチも、ただ線を引いて中に色付けただけではない、質感と空気感が伴う。
男性は皆男性として強い存在感があり、スーツに隠された逞しさを想像させる。顔の表情もどこか動的な美しさ
があり、それを美しく引かれた顔形の輪郭線が丁度よく支えている。ただ、時々女の顔は微妙と思う。
「狙われた無垢」「追憶のファースト・ラブ」「恋に落ちた大富豪」の三作。どれも個別にレビューを書いたが、大人の男性の色気があるのが素晴らしい。画力が確かなので安定した背景描写、コマを追うときに工夫されたカットを感じ、読んで安心のクオリティ。
狙われた無垢-ロシア系同士。JET先生の兄編をかなり前に読んでおり、ここへ来て妹編をやっと。JET先生の作風で兄登場なので、先生の手が入ったのか?ビジュアルは連係した工夫はありがたいが、人柄は連係弱まる。クライマックスの彼の変化、もっと繋ぎが欲しかった気はする。
追憶のファースト・ラブ-私の好きなパターン。昔からずっと好き、という人と一緒になれるのが良い。二人を遠ざけたものは全て解決した。ここの経営者団体、ロータリークラブみたいなのが、イケメンパラダイスなのも目に良い。
恋に落ちた大富豪-工作員が元上司に私的に依頼された、ある女性の身辺情報収集(諜報!?)、活動。序盤に正体をバラしているにも関わらず、ヒロインが真に受けなかったことが、後から、黙っていたいないで拗れず上手い。再会の月の下の彼がめちゃカッコいい。
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