短編集です。
表紙から漂う仄暗さ。
想像以上に、息をするのが苦しくなるようなじっとりした湿気を纏った作品ばかりでした。
まずイントロダクションの時点で出来上がった世界観。
ずぶずぶと底なし沼に足を取られる様に読み進める。
『凪
渡り』『水いらず』
これは本当に傑作以外の何ものでもないと思います。
人生における負の部分が、あちこちに鈍くうごめいている。
なのに心に残るのは、幸せに近い気持ち。
これを読んで、私の心は半分どこかへ行ってしまった様に元に戻らない。
なので繰り返し読んでいます。
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