出だしからあの三島、再来…という内容で驚きました。悪い予感しかない始まりでしたが、意外にも真っ当な人間になった上に、信念を持って人の為に尽くす気概のある男になっていて意表を突かれました。作を重ねる毎にワールドワイドになっていくシリーズに完全
に呑まれてしまい、先生の伏線回収を待ってしか全容を理解できませんでした。今回の事件は混迷を極めて着地地点が見えず、ミステリー要素が強かったように思います。事件に絡めて変化していく2人の関係にはついていけたものの、愛も闇も深まったように感じて複雑でした。前に照英が言った「慈英は、ただの男じゃない。天才なんだ。」という言葉の意味を改めて考えさせられました。今思うと、シリーズのタイトルに必ず『情』という文字が入りますが、これほど強烈な情に訴える作品だから「正に」という感じです。今回は特に真(まこと)の情をぶつけ合うという意味で『真情』なのかなと思いました。
もっとみる▼