気難しくて辛辣な物言いをする人、不作法でイヤな人、不作法で無礼な人、謹厳、堅物、無愛想、数々並べ立てられて、彼フィンとの関係がどんなに最悪な経過を辿ってきているかが、序盤に語られる。
この段階では、ヒロインケイトが、セブというよくない男に
過去引っ掛かって、ひどい目に遭ったことも伝えられるため、立て続けの運のなさを、今はフィンによってもたらされているように描写。
読み手はこの人とこの先関係が展開すると判っているから、その悪い印象がどう変わるか、を楽しみにする訳だが、この主人公は車の中で自分が彼にひかれてしまい始めていることを自覚。
理屈なんて要らないよね、と思う入り方だ。
犬の××と、彼の娘のアレックスがキューピッド、後半は別の援護射撃。
また、ヒロインの女友達が親身で麗しい友情を見せつけて、この話は当人たち二人の進展が結末までどういう道のりで進展を辿るか、がメイン。
もう、アリスンどこ行った?、の世界。彼女は恋敵になる前に、遠ざけられているのだ。
しかしフィンの会社生活は?アリスンさんは、多分凄く頑張っていた、という話だったろう、人伝には。
場所と時間が空いているのに、恰も延長の様に繋がってる箇所がある。段落分け、章立てがそこに無く、唐突感のあるアフターイベントの行方が急に現れ戸惑った。
コミックスで、ベラとフィービーの其々のロマンスは読んでいるから、勝手に私の頭の中で人となりやなにかを思い出して、膨らませられたが、それがないと、この友情篤い友達たちの叙述が、私にはかなり物足りなかった。
ケイトは遅刻の常習癖がある設定だが、いくらその理由のひとつに御人好しキャラがあったとしても、会社勤めの身の上で、フィンのお小言はその言い方や程度問題はあっても、いつ契約を切られてもおかしくはない。雇用が期間満了できたのは奇跡だ。
もっとも、そのキャラのお陰でフィンと接近していくのだから、此を否定してしまっては物語が結べないのだが。
長めのお喋りも私用電話も、考えられない。いつの時代だ?と思ってしまう。
小動物も、優しさを語る材料として最も強力だが、いろいろ社会人としてはてなが付く。その日に、社長に来客あったらどうするつもりだったのか。
会社向きではないことが明らかになるところではある。
ただ、彼女自身を彼は拾ってくれたな、と、大いに実感。
彼の変化に甘味描写欲しかった。
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