268ページ。挿絵は表紙の通り。スピンオフ作品ですが、私は本家よりもこちらの作品の方が圧倒的に好きでした。むしろ、こちらを読んで、本家のヒーローとヒロインが成長した姿に、本家も好きな気持ちが増えました。
私はたまたま本家から読むことができ
ましたが、これは、1巻2巻にして、先に物語があることを知らせてほしい作品だと感じました。今作のヒーローが背負ってるものが大きいことを、前作を読んでいるといないとで、感情移入が違うと思います。今作ヒーローがヤクザになった経緯について、滅茶苦茶説得力があります。作者さんは、どんな取材や人生経験からこれを書かれたのかな、と思います。ヒーローが言っている通り、同じ境遇でもヤクザにはならない人はいっぱいいるけど、それしかなれない人の居場所でもあるという考え方に、作者さんの優しさを感じました。そんなあまっちょろいことを言えるのも、ヒーローがアウトローなことをやっている描写がほとんど無いからなのでしょうが。そのへんの塩梅も上手で、さすがの力量でした。
お気に入りのシーンは、前作ヒーローが今作ヒーローに対して、「気付いたらいろんなものを諦めさせてたってことにならないように」諭すシーンです。また読み返したい作品です。
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