コミックのほうは高くない評価、一方ノベルのほうは高い評価で、見事に対照的だったことから、コミカライズに責任があるのか、それとも原作の長さとかが深みを持たせたのか?、といろいろ原因を考えた。
コミックは宗先生な為、男性はビジュアルがいいはず
なのに未読のまま私は、こちらノベルだけ読んでみたところだ。感じたことは、本作のヒロインのやり方の、ちょっと強い激しさ。自分をそれほど魅力的とは思ってないのでしょ?、そして、期間限定の関係を呑んだつもりだったのでしょ?
他のHQノベルと絶対評価において、それほど高い星は私からはこの作品には無理だ。
百歩譲って、そのヒロインの拒絶、最後までやり通すのならば、彼への打撃への一貫性というか、それほどのショックなのだよ、とのアピールとなるのかもしれない。だが、実は彼を求めて止まない本心を、残酷なまでに突っぱね、最後まで許すまじ、と息巻いておきながらの、クリスマス休戦。話の説得力が足りないとさえ感じる。
復讐のやり方が、これまでの「謙虚さ」を徹底除斥しての周到さで、そこも、どうも私には同情できない。
それも作者の構築した物語世界なのだとの前提としても、それでも誘拐事件の捜査手法にも疑問が残る。日本と英国は違うのか?日本なら、誘拐直後は人命確保最優先で、テレビラジオへの公開は控える。警察も騒ぎ立てずに潜行捜査。犯人を刺激して誘拐された者の身体に危害を及ぼされてはならないから。報道各社も、知りながらも協力体制を敷いて、情報を一般大衆に不用意には流さないと思っていたが?
それに、親なら、子を思う親なら、子どもの結婚を知りたかったに違いないと、例え、その状況が100%前向きでなくても知りたかったに違いない、と想像。
彼のお父様が知らずに逝ってしまわれたことが、胸が痛んで仕方がない。彼は顔合わせを望んだのに。
アリスさんは良かったけれど。
これを言ってはおしまいかもしれないけれど、愛している、この言葉の有無だけでコロリと変わるハーレクインのお約束みたいなのにも、違和感はある。言葉が大事ではないと言うつもりはないが、愛情確認は他の様々な局面でも出来る。妊娠時の対応も、男性全員が絵に描いた反応するばかりではないこと。罠、というのは確かに過激とは思うが、この様な台詞も彼独自の言葉という訳じゃない。古今東西百万のラブストーリーで、モテてきた男性が結構使う言葉だ。
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