一度目は先が気になるので、細かい所は読み飛ばして読み終えてしまったので、レヴューを書くために、二度目にじっくりと読み始めました。
すると、主人公達の人物設定が気になりだしました。
三巻を全て読んで、全ての登場人物と主人公達に私が抱いた人
物像が、物語とはいえ、生身の人間ではなく、式神かもののけにも等しいような血の通わないものに感じられたのです。
人として生きている以上、日常生活や恋愛感情があってしかるべきなのに、どこにも見当たりません。現在進行形で恋愛中の男女にあってさえ愛情が感じられないのです。
主人公の宮澤美郷と狩野怜路にもそれは当てはまります。
作者としては、話の筋に恋愛や性的な意味合いを絡ませたくなかったので、敢えて触れていないと考えられますが、人の片方の側面からしか見ていないとどうしても無理が生じます。
私は宮澤美郷に「俺」という一人称を使って欲しくないし、品よく毅然としていて欲しいのです。
狩野怜路にも煙草を吸わせて欲しくないし、自分の命に執着して欲しいのです。
カズキヨネさんの素敵な表紙に見合う話が読みたかったと思っています。
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