■暗い過去、出生の秘密、運命の男。すべてが複雑に絡まりはじめ……。■パロマは近づいてくる長身の男性の正体を知っていた。リオ・ブレイロック――パロマを育ててくれた老人ブーンと親交のあったブレイロック家の一員だ。彼女は十三歳のときに十七歳だったリオと出会い、野性的な魅力にうっとりした。だが、彼はパロマには目もくれず、次々と恋人を替えていた。一度など、草むらで女性とむつみ合っている彼を見かけたこともある。そのリオが、今、パロマを目指して歩いてくる。そして彼の目的が色恋沙汰にはまったく関係ないことだと、パロマにはわかっていた。これから私は彼と闘わなければならない。ブーンの遺産をめぐって。ただ一人、私を愛し、慈しんでくれたブーン……。リオがどんな手に出ようと、彼女は引き下がるつもりはなかった。■苦難の道を歩んできた主人公たちは、約束の地ジャスミンで愛を手にすることができるのでしょうか?