作品内で「因果応報」という言葉が一度だけ出てきます。
人は行いの善悪でそれに見合った報いが訪れる・・・5年という月日は忘れ去るには短か過ぎたし、行いの不協部分は、少しづつ足元からヒビが入ってきてはいたのです。
本作は、悪役令嬢の婚約
破棄・断罪・国外追放のテンプレシーンからの、思いもよらない角度からのお話の展開で、思わず惹きつけられてしまい、読むのをやめられず一気読みしてしまいました。
重要な登場人物たちに届いた、追放された令嬢からの手紙により、受け取った者たち各々の視点から過去・現在が語られて行きます。其々に言い分はあるようですが、自分本位な思い遣りのカケラもない心根からの行動で、優れた人物であった追放令嬢を、またしても自分の都合で利用しようという勝手な思惑での言動でした。
そして、その追放令嬢はなかなか登場しません。
思わせぶりな物語の進捗は、最後にこれでもか!というくらいの復讐劇を伴って畳み掛けるように完結へと向かいます。
それほど長いお話では無く、簡潔に纏まっていて、サスペンス風味もあり、とても面白かったです。
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