「あの夏から80年。野坂さんの思いを、私は語り継ぐ」
吉永小百合さん推薦
昭和20年、8月15日――
すべて同じ書き出しで始まるのは、忘れてはならない物語。
空襲下の母子を描く「凧になったお母さん」をはじめ、鎮魂の祈りをこめて綴られた12篇に、沖縄戦の悲劇を伝える「ウミガメと少年」「石のラジオ」を増補した完全版。
野坂昭如没後10年。
【目次】
小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話
青いオウムと痩せた男の子の話
干からびた象と象使いの話
凧になったお母さん
年老いた雌狼と女の子の話
赤とんぼと、あぶら虫
ソルジャーズ・ファミリー
ぼくの防空壕
八月の風船
馬と兵士
捕虜と女の子
焼跡の、お菓子の木
改版のためのあとがき
沖縄篇
ウミガメと少年
石のラジオ