老いの本質とは、理想的な老後の在り方とは、どういったものなのか。本書は、作家として人間の本質に迫る取材を行い、高齢者向けの著書も多数手がける一方、僧侶として高野山で法話も行う家田氏と、高齢期の研究をフィールドワークとする「老いの工学研究所」理事長の川口氏が、「老いに抗うのではなく、老いと向き合って生きる」ためにどうすればいいのか、6回にわたって語り合ったトークショーの内容をまとめたものである。「老いること」は、決して恐れることではない。それよりも、いかに楽しく、柔軟な心で高齢期を迎えるか考えるほうが、ずっと有意義だろう。時にやさしく、時に厳しい言葉で励ます家田氏と、軽やかな関西弁で絶妙に応える川口氏の対話は、「老い」に向かう不安な気持ちを前向きにしてくれる。これから高齢期を迎える人、高齢期の親を抱える人にもぜひ読んでほしい、豊かな「老い」を過ごすための名言がつまった1冊。