アメリカのトランプ大統領による混乱、
そしてBRICSの存在感の高まり。
二つの別々の現象を同時に捉えると、
「多極化する世界」という大きな時代の流れが見えてくる――。
本書では、「英米系」地政学理論と「大陸系」地政学理論という
二つの異なる地政学理論の視座を用いて、
トランプ大統領のアメリカと、ロシア、中国、インドなどのBRICS有力国に焦点を当て、
現代世界における「多極化」の様相を探った。
その過程では、各国の歴史、政治、経済、
リーダーたちの思想的傾向や政策の方向性なども分析対象としている。
トランプ第二次政権が目指す理想のアメリカとは?
BRICSが戦略的な拡大を進めている意味とは?
トランプ第二次政権とBRICSの動向に注目することで、
混迷する国際情勢を読み解くためのヒントが浮かび上がる。
普遍主義的なグローバル化の流れは、もはや時代遅れとなった。
多極化した世界で有力国が、生き残りを図っていく時代が到来している。
■BRICS(ブリックス)とは
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの主導で構成する
新興経済国サミットの名称。
多国間主義を標榜し、脱ドル化を推進する。
アメリカをはじめとした西側諸国による
経済制裁を回避するための政治的・経済的な互助グループの側面も持つ。
2025年6月時点でBRICSに参加する正式加盟国は10カ国、パートナー国は10カ国となっている。