猫は愛着心をもつ生き物です。私たちを魅了する存在でありながら、その行動には理解に苦しむ面もあります。著者クロード・ベアタは、猫のきもちに寄り添い、人間との違いを尊重しながら共に歩む方法を教えてくれます。
猫は被食者として身を守りつつ、捕食者として狩りを行うという複雑な脳をもち、時には狂気に陥ることさえある繊細な動物です。ベアタは猫たちと暮らしてきた自身の経験や、動物行動学と動物精神医学の知見をもとに、猫の行動の謎や矛盾に見える事柄を解き明かします。
そして、本書では、独立心が強いからと放置されがちな猫を精神的な苦痛から救うことができる、という希望のメッセージを伝えています。
猫を愛する人も、愛猫との関係に悩む人も、この本の中に答えを見つけられるでしょう。
猫のこころを知れば、その不思議な行動の理由と、共に生きていく方法が見えてきます。
著者は本書で「猫にも心がある」ことを伝え、「猫の心への共感」と「精神的苦痛からの解放」、それによる「猫たちの生活の質の向上」を目指したいと述べています。
■内容
序文
はじめに
第1章 ジョーカー、あるいは猫の二面性
第2章 縄張りと苦痛
第3章 他者との関係、持つべきか持たざるべきか?
第4章 狂った猫の巣の上で
第5章 現代の象徴
おわりに 共に歩む
日本語監修者 解説
原注