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ずっと大切に守りたいものとは?
ぼくの町にはおじいさんの散髪屋がある。
この町に住む人はみんな、入学式、卒業式、結婚式、どんなときもおじいさんに髪を切ってもらっている。だから、おじいさんは町の人のことをよく知っているんだ。
おじいさんの散髪屋は、町の人にとって大切な場所だ。
ある日、ぼくが散髪しに行くと、いつものようにおじいさんは、ぼくの話を聞きながら
シャキシャキ、シャキシャキ
ところが、散髪が終わりシャンプーが終わったのに、また、ケープをかけて、
シャキシャキ、シャキシャキ
おじいさんは、ニコニコと散髪を続けて、いくら止めてもやめてくれなかった。
どうしよう……。
ぼくは、どうなるかとドキドキしたけど嫌じゃなかった。
おじいさんには、ずっとずっと散髪屋を続けてほしいんだ。
町のみんなも、きっとそう願っている。
※この作品はカラーです。