力量を期待されながら寡作で惜しまれている望月先生。本作は先生の異色作だそうですが他にまだ一冊しか読んでおらず、この作品で私の先生に対する評価は、決定的なものとなりました。
僅かな材料で沢山想像させる作風、ありきたり感一切入る余地なしです。
生々しくないのに静かに密かに生々しい想像を掻き立てる。ナイーブで、断片がパンと呈示されて、それでいて物語を語る不思議さ。
ドライブの回想シーンがもう他のベタベタな恋愛ものより深く印象を残します。あ、今、先生そのときのデートを思い出して浸ってる、というシーンとか。
絵の力より、編集能力というか、プレゼンテーションの妙というか。
私は、中古本を見つけ手に入れた奇跡に喜んだものです。絵(デッサン)云々と思う人にはこの作品の真価が判らないかも!
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