冒頭から疑問が描かれている物語は、何がどうなって こうなっているかという答え探しの為に読みたくなってしまう。そもそもは、ヒロインの夫の不倫相手の夫ヒーローが(ややこしいが)何故かヒロインジェーンを探しているという情報がジェーンの耳に届いたこ
とから始まっている。なぜヒーローゲイブが彼女を探したかは答えがあるが、なぜ直接彼女の実家を訪ねなかったのか?という答えが無い。事故死した2人には、双方に家庭が有るのだから、接触は有って然るべきでは?探すより 訪ねる若しくは、双方に弁護士が立てられているだろうからそこを通じてコンタクトをとるのが常識的説得力を持つ行動と思うのだけれど、もしそうしても 好意的な面会とは思われないだろうから、この奇怪なゲイブの行動がジェーンを不安(恐怖)にさせたという前提から始まる。読み終えたから分かる こじつけ設定は やっぱりかという感想しかないが、ゲイブは妻の不品行を責められない。彼自身 心は妻から別の女性に移っていたのだから。いわば、妻は事故死したからこれ幸いと行動したという事。ジェーンは天真爛漫可愛がられ愛されて育ったお嬢様の典型。だが、夫の裏切りによって失意の底に落とされ、自立するために甘えからの脱却はよくやったというところだろう。幸いなのは、彼女も両親もまだ若かったという事。不幸の連鎖は免れたのだから。少なくともジェーン夫妻、ゲイブ夫妻のなかで、愛情があったのはヒロイン唯1人なのだから 彼女の悲劇が中心なのは理解するところだけれど 彼女の物思いが諄くて飽きるから、本人に聞けばいいのにと禁句が頭を擡げて仕方ない。逃げ回るばかりでなく、甘えから脱却した大人の女性としての対処に工夫を見せて欲しかった。
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