あり得ない尽くしなのだが、そもそもHQは非現実おとぎばなしを楽しむもの、いっそすっぱりドタバタをこの話の前提と思えば受け入れられる。リアリティーどこまで、という程度問題。
人物のバックを埋める絵が何かを表しているというよりも、柄のひとつと
化している。作風といっても言いかもしれないと思いながら、どこかなんとか空間に入れるために持ち込んで当てはめてきたように見えることがある。一方、ナレーションや心情を示す囲みなどに装飾があることからも、丁寧に作っていることがよくわかる。
要は、人物の後ろにもう少しストーリーを繋ぐ絵も欲しい。人物にしても私には大人に見えにくい。そのため、ヒロインの不運ぶりがマンガマンガしてしまって、少し信じこませる力が削がれている。
勝負運とかを気にして、災い事を忌み嫌うのは避けられないのが、経営側の本音だろう。
仕事はツキも必要だろうし、一生懸命だけでは認められない辛さはどうしたって付き物。働かされる側の悲哀もそこというか。
出来るイヤな女が、出来なくてもホンワカムードメーカーのいい子を駆逐しているのが、せちがらい世の中の非情な真の姿だと思うから、カタキ役の女性の言葉の「常識」にアンチテーゼ的なヒロインのやり方、役目には、物語としての輝きというか、復讐的に爽快感はある。
ラブストーリーとしては、余りにも気恥ずかしくなる流れ。本当にいい年をした社会人の二人?、との戸惑いも強い。特に彼の気付き以降の彼自身の動きは、素朴な感動を喚起したかったストーリーの意図は感じるものの、ホントにやったら最後までリアリティー放棄だな、と少々引いた。物語の前提を受け入れて降参した。
自分を必要としてくれる人が居る、その喜びが伝わってきて良かった。
星数について一度4つにしたのを3つにしたのは、ヒロインが巻き起こすという「不運」が、度を越えた感がどうしても、ある程度リアルな場であるはずの、オフィスや、仕事というものに対して、何となく冒涜されてるような心象から抜けだせなかったこと、どこか、ひどい行為をしたカタキ役の子の行動の存在自体は全くわからぬというのでもない、ということだ。ヒロイン最大の功績は、ブレーク前の最悪の低迷期にしてビジネスシーの仕込み期。そこにに居合わせておらず、彼女には見えてない、という点を考慮すると。
やはり貢献の成果をもう少し味わいたかった、というか。
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