このレビューはネタバレを含みます▼
老舗紳士服店の社長と既婚フケ専の若者のお話。
物語は社長の息子がいきなり智に別れを迫るという、当事者同士以外のところで話が進んでいく。梶さんと智はお互いに想い合っていてとても上手くいっているのに、彼らの家族や社会的地位やお父さんに対する承認欲求がぐちゃぐちゃに絡み合い離れる決断に向かっていく様は、ある意味とても現実的だなと思いました。遊びではなく本気で恋愛しているからこそ、家族が関わり、世間という常識やルールに捕らわれて生きていく姿は、私たちが人間社会の中で一人の大人として生きているリアルな人間臭さなんだと思います。そして、智も梶さんも優しすぎるゆえに、他の誰でもない、自分自身が傷つくという決断をしたんだなととても切なくなりました。
最後は、時が経ち地位や立場が変わっても、変わらない想いが二人の中にあることが分かって嬉しかったです。大人の二人が今度こそ幸せになれることを願います。