フォロー

0

フォロワー

22

総レビュー数

1253

いいねGET

1872

いいね

0

レビュー

今月(7月1日~7月31日)

レビュー数8

いいねGET17

シーモア島
ベストアンサー0
いいね0
投稿レビュー
  • もろびとこぞりて

    ウチヤマユージ

    加害者家族の苦悩を逆手に取って
    ネタバレ
    2026年7月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ある凶悪犯罪の加害者家族に向けられる世間の悪意と、それを逆手に取って暮らすニセ家族の反撃。現代社会の悪意の病巣を描いたお話。
    引っ越してきた家族が穏やかな生活を過ごしていたのも束の間、不穏な噂により途端に周りの人から悪意を向けられる。お話の最初の方に感じた疑問を回収する形で一家の秘密が明かされます。
    ここに描いてある悪意は一つの現実で、それに反撃する部分はあくまでも作り話で、実際はモヤモヤしたまま現実を生きていくのではないでしょうか。世間の悪意が加害者家族を追いつめるのは決してあってはならないですが、加害者になってしまった歪みは家族や環境から少なからず作られると思うと、周りも複雑な思いを抱くことは否めません。また、実際には被害者が存在すると思うともっと複雑です。このお話では大島佑希哉の家族のことが全く描かれていないのでその辺はまるで分かりません。
    面白い作りだとは思いますが、この作品ではそういう現実があるということしか伝わりません。ここから色々と考えるのは難しいと感じました。
    いいね
    0件
  • みのりの森

    まりぱか

    友情パターンもアリ
    ネタバレ
    2026年7月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 親友の葬儀に突然現れたその親友の東京での友人と、四十九日が終わるまで一緒に過ごすうちに生まれる不器用な恋のお話。
    親友・慎太郎の死に直面する昌典の元へやって来た、慎太郎の東京の友人・実。正体を明かさない実だか、一生懸命昌典に尽くす姿には嘘がなく、慎太郎の死で傷ついた心を互いに癒し合う存在となっていくストーリーが、重く切なく感じました。でも、雰囲気は暗くなく、むしろ前向きに生きようとする姿が描かれています。
    二人を繋いだ慎太郎の闇は深く、彼の自死に大した理由がないのも、ある程度理解できます。悲しいことですが、一定数生きていく事に意味を見つけられない人たちがいるのも事実だからです。それを感じ取りながらも、何もしてあげられなかった母親の気持ちが、私は読んでいて一番ツラかったです。親友にもそんな一面を見せず、いつも明るく振る舞っていた慎太郎は本当に繊細な人だったなと思いました。
    その慎太郎の死に傷ついた二人が、心に空いた穴を埋めるように手を取り合い、共に忘れず生きていこうという展開はとても良かったですが、BLでなくても良かった気が否めません。男同士、友情によって支えられることがあってもいいのではないかと思います。特に、親友の葬儀の日に、えちするような気になるのかなと疑問に感じてしまいました。人の温もりは確かに心も温めます。でも、全てが恋愛に発展しなくてもいいと私自身は思います。二人の場合は恋愛になったと納得できるお話でしたが、こういうお話ならえちなしでもありかなと思います。とはいえ、作品としてはとても良かったです。
    いいね
    0件
  • 岩元先輩ノ推薦

    椎橋寛

    様々な特殊能力が面白い
    ネタバレ
    2026年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 陸軍直属の中学に通う男が、軍の訓令により、全国各地の超常現象を調査し、特殊な能力を持つ人たちに学園への推薦をするお話。
    特殊な能力を持つ人たちを保護することを目的に各地を飛び回る岩元。その様々な能力が人間離れしていて、出会う人たちの苦労と孤独に寄り添いながら、仲間を集めるという設定が面白いです。徐々に仲間たちも増えていき、岩元個人の過去の話も明かされ、彼が何故能力者の元へ向かうのか、根本はだいぶ掴めました。ただ気になるのが、「岩元の推薦」のその後。学園への推薦は過程であり、彼らがその後どういう方向へ向かっていくのか、ストーリーとしてどこに向かっているのかがなかなか見えてきません。内部抗争に打ち勝つためか、外国勢力に対抗するためか、はたまた穏やかな暮らしを手に入れるためか。能力者を集めたその先が見えないのが気がかりです。題名のようにただ推薦するだけだと、内容的に少々物足りないので、明確なお話のゴールがそろそろ見えてこないと読者は飽きてしまうかなと感じました。キャラたちも一人一人個性があり面白いので、ぜひストーリーに筋を通してほしいです。
    いいね
    0件
  • 蜘蛛の男【単行本版】

    あるくジョー

    ノワール感は満載だけど
    ネタバレ
    2026年7月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ マフィアのボスの愛人として飼われていた男が、ボスの不審な事故死の後、彼の元を訪れたボスの義理の息子と一緒に暮らすようになる。そこから見えるボスの死の真相と彼らの激情を知るお話。
    マフィアのボスと愛人、そしてボスの急な死。とても衝撃的な展開から始まるストーリーは、不穏な空気を良く表した絵の雰囲気とマッチしていて、ノワールBLと呼ばれるのにふさわしい一冊でした。闇の中にあるサスペンスやミステリアスな内容が、今後の展開を期待させるもので、とてもワクワクしました。だけど、私の期待とは少々違っていて残念でした。というのも、話の内容が思っていたよりもあっさりしていたり、キャラが話すセリフの真意が掴めなかったりしたからです。
    特に、ナインがエリックを殺す時のやりとりが何度読んでも理解出来ず、悩みました。様々な人のレビューの中に、二人は本当の親子で、エリックがまた身近な人を捨てようとしていると書かれたものもありました。なるほどと思いましたが、それを裏付けるものはなく、ナインがなぜ最後にスペイン語でエリックに語りかけたのかは謎のままです。物語のとても大事な部分で、伏線が見えかかっているのに回収出来ないようなモヤモヤ感が残ってしまいました。また、最重要人物であるエリックが黒塗りの意味も見出だせませんでした。
    そういった細かい部分での説明がないキャラの言動が散見されたのが残念でしたが、面白い作り方の作品だったことは間違いありません。彼らのその後と共に、解答編があったらいいなぁと思います。
    いいね
    0件
  • こわがり君にキスの雨

    さがのひを

    誤解、すれ違い、でも大好き
    ネタバレ
    2026年7月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 恋愛経験ゼロのまま三十路を迎えるところだったゲイの男が、ゲイ向けイベントで出来た年下の彼氏と遠距離恋愛をしながら、愛を育むお話。
    遠距離恋愛だけど、お互いを思いやり、会える日をとても大切にしている叶十と未来。大切に思えば思う程、叶十は年齢のことや弟との人違いであることを言えず、未来はツライ過去から来る疑り深さを止めることが出来なくなっていきます。誤解なのに、すれ違いなのに、好きだからこそ身動きできないもどかしさに切なくなりました。それでも、諦めずに想いを伝えたことで無事ハピエンに。読み終えると最初のイメージより叶十はやっぱり少しお兄さんだったし、未来の暴走は若さゆえかなと感じました。気にしていた年の差がいい塩梅になったように思いました。
    いいね
    0件
  • 愛しい理由をおしえて

    さがのひを

    居場所を探して
    ネタバレ
    2026年7月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 就活とバイトに追われつつ「大家さん」をやっている大学生が、ほとんど身ひとつで引っ越してきた遠縁の受験生の面倒を見るうちに、互いに心の距離を縮めていくお話。
    親戚の家をたらい回しにされ、自分の居場所が見つからない晴真と、就活が上手くいかずこの世の全てから自分が必要とされていないように感じる夜空。自己肯定感が低い二人が、面倒を見たり、優しさを素直に受け取ったりすることで、互いの存在意義を感じるようになり、少しずつ前向きになっていく姿が丁寧に描かれていました。共に探していたのは、居場所という名の心の拠り所であり、愛される自信が人を強くするのかなと思える展開は、新しい人生を構築するというリフォームなのかなとも思いました。細かいところの設定が甘い部分はありましたが、前向きになれるストーリーで良かったです。
    いいね
    0件
  • フルーツ、ガトーショコラ

    キタハラリイ

    食べることは生きること
    ネタバレ
    2026年7月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 外見も内面も正反対だけど、食の好みがピッタリ合うメシ友の二人が、毎週金曜日を一緒に過ごすうちに恋に落ちるお話。
    取引先との会食で出会った米倉と椎名。食の好みが合うことがきっかけで、毎週末一緒にご飯を食べるようになります。食べ物に興味があって、食事をしてそれを共有する体験というのは、満腹中枢も満たされ幸せを感じやすいのかなと思いました。また、食事は生きていく上で欠かせないことであり、毎日必ずある程度の時間を使うものです。その時間を共に楽しめる相手がいるというのは、人生の大きな彩りとなる気がしました。ただ、二人ともノンケなので、趣味の合う相手との特別な時間が恋心に繋がるのかは疑問が残りました。この展開だと、親友という枠組みでもおかしくないので、恋に繋がるスパイスがもう少し欲しかったです。それでも、二人が色々なお店を楽しそうに開拓していく姿は微笑ましく、読んでいると私も美味しいものを食べたいと食欲を刺激されました。橘くんのスピンオフもあったら面白いのになと思います。
    いいね
    0件
  • 仇椿ゆがみて歯車

    吹屋フロ

    哀しい運命が巡り巡って
    ネタバレ
    2026年7月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ かつて愛した男を斬り殺した稀代の剣の達人が、仇討ちにやってきたその息子の望みを叶えてあげるお話。
    憎むべき相手を愛してしまった一馬、仇討ちにやってきた息子に惹かれる間宮。親子共々惹かれ合い、その相手と対峙しなければならない運命が切なく哀しいです。そしてその切ない運命を現在〜過去〜そして現在へと繋ぎ、二人の心情を丁寧に描写しているのがとても素晴らしく、400P超えの大作ですが、あっという間に読み終えてしまうくらい、夢中になってしまう一冊でした。
    この時代ならではの武士としての生き方を全うするか、己の愛を貫くのか。思い悩むは若き侍一馬で、間宮は自分の人生を振り返り、これが運命だと受け止めようとする。それでもやはり一馬は武雄の子、愛する人は切れないと自ら逃げ出してしまいます。状況的には一馬の方が辛く苦しく悩んだのだろうと思います。抜け殻のようになったところで、間宮が会いに来てくれて、その途端頭の回転数が上がったかのような名案で、間宮と一緒にいられるようにした一馬の最後は本当に素敵でした。安心した一馬が溺愛ワンコ系になるところは最高に可愛かったし、やっと二人が本当の姿で幸せになってくれて良かったと思いました。時代モノが好きな人は絶対に読むべき名作です。
  • ボクはH

    吉田ゆうこ

    落ち着いて傷つけ合う姿が切ない
    ネタバレ
    2026年7月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 経験豊富で気持ちいいことが大好きな大学生が、都会の雑踏で大胆に振られた男と真剣な交際をすることから始まる恋のお話。
    突然の真剣交際に戸惑う遊び人のあゆむ。長谷川との交際も淡々と始まり、何事もなく進むので、恋というものがまだ分からないのかなと思っていました。だけど、実際は遊んでいるとは思えない程純粋で、相手を気遣う優しさに満ち溢れていたあゆむ相手に長谷川も徐々に心動かされていきます。
    長谷川の本性がバレてからの展開は切なくて、ずっと涙が止まりませんでした。怒って罵倒することもなく、泣いて縋り付くこともなく、ただただ平然と振る舞おうとする姿には優しさしかなくて、そんなあゆむの姿は長谷川に改めて傷つくことの痛みを知らしめた気がします。傷ついたあゆむを見て、傷つける側でも痛いということを知った長谷川もやっぱり本当はとても優しい人なんだと思いました。
    二人のやり取りはとにかく終始落ち着いていて、相手への優しさや誠実さが細部まで表現されていました。気持ちをきちんと言葉にして伝える素直さが、相手にも読者にも響いたような気がします。二人とも過去に辛い経験をしたからこそ、本当の自分を偽っていましたが、互いの素の部分で惹かれ合う相手に出会えて良かったなと思いました。
    いいね
    0件
  • 不機嫌な君と気まぐれなキス【おまけ漫画付きコミックシーモア限定版】

    文川じみ

    長い両片想いに気付くまで
    ネタバレ
    2026年6月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「あさってにキス」のスピンオフ、高校時代から憧れている邦彦と同じ大学に通うハルが、互いの気持ちに気付き恋人になるお話。
    スピン元の「あさってにキス」では、とにかく邦彦に萎縮してしまうくらい憧れが強かったハルが、いきなりオカンのような立ち位置になり、邦彦を雑に扱っている姿に最初は戸惑いました。キャラが変わってしまっているのでは?と思いながら読み進めると、そこには二人が積み上げた時間があって、自然と関係が変化したことが分かります。邦彦にはいつも彼女がいたようですが、ハルと過ごす時間の方が長く、気付けばハルを優先してしまうくらい自然と育まれた愛に、本人が気付き、相手に伝えるまでがじっくりと描かれていました。
    邦彦の溺愛もハルの世話焼きも、好きだからという一言で全てが丸く収まる話なのに、なかなかそこに辿り着かずモダモダしますが、関係性を改めて言葉にして認識するのは意外と難しいのかもしれません。それでも、長い両片想いからの恋人関係はラブラブ度が高くなり、イチャイチャもえちくて良かったです。
    いいね
    0件
  • あさってにキス【おまけ漫画付きコミックシーモア限定版】

    文川じみ

    天然小悪魔アッキーに振り回される
    ネタバレ
    2026年6月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 転校をきっかけにガチオタからリア充デビューした男子高校生が、屋上で出会った一つ年上の同級生と恋をするお話。
    アッキーがとにかく可愛いです。高校デビューしようと見た目を変えたものの、オタク気質で、少女漫画のような女子的考え方が行動に全部表れていて、それでいて本人は気付いていないという天然っぷり。素直さゆえに有に対してもすぐにカッコイイと口走り、頬を染めて見つめる仕草は小悪魔女子と言っても過言ではないと思います。そんな煽りに振り回されてアッキー沼に落ちた有は、忍耐力は試されるもののもはや幸せな被害者だと思いました。
    年齢的に高3にもなって、恋やえちに対してウブすぎる部分もありましたが、アッキーの可愛さで全て許せちゃう気がしました。また、アッキーの周りにいる人たちがみんな優しくて良かったです。
    いいね
    0件
  • 偽りのフレイヤ

    石原ケイコ

    無知の女の子が力強い王子になる
    ネタバレ
    2026年6月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 小さな村で育った少女が、自分と瓜二つの容姿をもった王子と入れ替わり、王子としての運命を生きていくお話。
    男女入れ替わりの王道ファンタジー、ここに極まれりといったような白泉社らしい大作です。小さな村で猿のようにのびのびと成長したフレイヤが突如王子としての運命を託される。弱虫な女の子が、不遜でやりたい放題だった王子になりすまし、真逆の生き方、性格の人物として生きることをしいられる。そんな難しい状況に追い込まれて、めげそうになりながらも、色々な人の想いを感じることで徐々に力強い王子として成長していくフレイヤの姿がとてもカッコイイと思いました。
    大国に攻められ、いつも苦しい場面に追い込まれるばかりですが、そんな中で王子とは違ったフレイヤの天真爛漫さや誠実さは周りの人を惹きつけて、少しずつ味方を増やしていきます。側にいるアレクやユリウスだけでなく、敵国のディミトリまでもを虜にしてしまう彼女の弱さからくる強さはとても眩しいです。
    ようやくフレイヤの母の秘密が明かされてきて、今まで気になっていた核心に近づいてきました。それでもまだ謎は多く、戦いは続きそうです。平和な日々とみんなの幸せに向けて、フレイヤがどんな道を歩むのか。また、王子としてではなくフレイヤとして幸せを掴めるのか。今後の展開もとても楽しみです。
  • 聖・はいぱあ警備隊

    森生まさみ

    私が憧れた学園恋愛モノ
    ネタバレ
    2026年6月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 元男子校に入学した元気いっぱいの天の邪鬼女子が、女子を守る風紀委員長の堅物クソ真面目男に恋をするお話。
    私が学生時代に憧れて何度も何度も読んだ大好きな少女漫画です。恋を知らない高屋敷を好きになるつぶら。校則だったり、会長だったりに邪魔されながらも、少しずつ距離を縮めていく過程にキュンキュンしました。私もつぶらのように素直になるのが苦手な天の邪鬼だったので、憎まれ口を叩いたり、ケンカをしたりしながら気を引こうとするつぶらの想いに痛いくらい共感しました。そして、私もこんな恋愛をしたいなぁと憧れました。そんなつぶらを丸ごと全部受け止めてくれる高屋敷の懐の広さがカッコよくて羨ましいなと思ったものです。
    ケンカばかりだった二人が徐々に甘くなり、高屋敷がどんどん男らしく変化するのも良くて、大暴れをしていたつぶらを顔を見せただけで大人しくさせてしまうシーンは男冥利に尽きる名場面でした。日常のケンカップルの良さと、イベント時に起こる恋愛要素のドキドキ感が次から次へと押し寄せてくる、それが学園モノのらしさであり、良さだと思います。私の最推し学園モノラブストーリーです。
    いいね
    0件
  • 愛追うふたり

    仁嶋中道

    様々な家族のカタチ
    ネタバレ
    2026年6月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 母親がママ活をしてることを知った息子が、その相手に会いにいき、事情を探る為に自分もその相手とママ活をする。そんな不思議な関係から知る様々な家族の想いと愛のお話。
    母親のママ活を偶然知り、その相手に会いに行くという突拍子もない始まりに、まず戸惑いました。一体一樹は何がしたいんだろう、しいちゃんがママ活をした理由は何だろうと考えながら読み進めると、そこにはすれ違いがあり、それを埋める為に一樹もしいちゃんも行動していた事が分かり、互いを理解しようとする姿勢に愛を感じました。一方で、血の繋がった家族でも、圭吾のように受け入れられない悲しい結末もあり、様々な家族のあり方をとても考えさせられる展開だったと思います。一樹も圭吾も同じ様にお母さんを好きで、その気持ちは痛いくらい伝わってきました。だからこそ、物語の終盤の圭吾の痛みが辛かったし、それを補おうとする一樹の愛に恋のドキドキというよりも安心感を覚えました。しいちゃんの一樹への愛情が、巡り巡って圭吾にも伝わって、また新たな幸せを生むという結末がとても良かったです。
    いいね
    0件
  • ここは今から倫理です。

    雨瀬シオリ

    「善く生きる」を目指して
    ネタバレ
    2026年6月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 倫理を担当する先生が、倫理で学ぶことを活かして生徒たちの様々な悩みに向き合っていくお話。
    高校時代、私も倫理を学びましたが、とても退屈で哲学的な学問だなと感じたのが懐かしく思いました。あの時はさほど興味を抱かなかった倫理を、もう一度深く学びたいと思ってしまうくらいこの作品は面白く、日常における様々な問題と倫理との接点を上手く繋いでいます。そしてこの作品を面白くしているのが主人公の高柳。ミステリアスでクールな倫理マニアかと思いきや、生徒のために全力で走ったり、些細なことで大笑いしたりと、人間くさい一面もあって、そんな彼が色々な問題に向き合う中で生徒に諭す倫理の言葉がとても心に響きました。高柳の言葉を聞いて、生徒はすぐに改心するわけでもないし、完全に問題が解決することばかりではありませんが、彼の投げかけた言葉が、その人の心に波紋が広がるようにほんの少しの助けになっていればいいなと思える、そんな大人の願望も含まれた展開がより現実的で良かったと思います。また、高柳自身も、自分の心のあり方、生き方にとても謙虚で、その陰キャっぷりが倫理ともよく合うし、達観しているようでいて迷い悩む姿は、教師として嫌味がなく、人間としては一種の味になっていて、キャラとしてとても魅力のある人になったと思いました。彼の恩師への深い敬愛は父親への憧れであり甘えだと感じられる、そんな先生とのやり取りもとても面白かったです。きっと高柳の心を一番揺さぶる存在は先生で、家族ではなかったというその歪さが、高柳の深層心理であり、その複雑さが様々な倫理の言葉と共鳴したのかなと感じます。そして、私も高柳のように、日々「善く生きる」を目標にして生きていきたいなと思いました。
  • はじめの恋

    西本ろう

    はじめにとっての初めてだらけが新鮮
    ネタバレ
    2026年6月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 組長の死をきっかけにヤクザの世界から足を洗うことにした男とデリ ヘルのアルバイトをしている大学生のウブな恋愛のお話。
    元ヤクザの真宮と一流大学に通いながらもデリ ヘルのバイトをする香坂。カタギになってすぐの出会いが、真宮のその後の生き方を180度変えてしまう運命的なものでした。元ヤクザとはいえ、真宮はとてもまっすぐで常識的な人。また、香坂も見た目ではなく本質を見て接してくれる懐の広い人。それゆえに、互いの優しさや思いやりが二人の距離を縮めていきます。
    真宮には、カタギになって初めて見えたものがたくさんあるような気がしました。それこそ、恋をすることや幸せを考えるという普通のこと。経験してこなかったからこそ新鮮だし、戸惑う真宮がとても可愛いと思いました。
    恋愛初心者の真宮と一方通行の恋ばかりをしてきた香坂なので、進展はとてもゆっくりですが、心が少しずつ温かくなるような温度の感じられる作品です。
    いいね
    0件
  • 52ヘルツの共振【電子限定描き下ろし付き】

    早寝電灯

    心と体の周波数
    ネタバレ
    2026年6月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 規則正しい生活を心がけているΩの高校教師が、修学旅行の担当で旅行代理店に勤務している高校時代の同級生と再会し、恋人になるお話。
    設定はオメガバースですが、再会愛の要素がとても強い作品です。また、身体共鳴といった特徴に、白根のΩとしての矜持や揺れる想いを乗せていて、それをクジラの出す52ヘルツの周波数として表現しているところが、早寝先生らしい文学的作品に仕上がっていると思いました。
    内容的には、再会に戸惑う白根と清成の焦れもだラブといった感じで、互いの高校時代の思い出が鮮明になるにつれ、過去の想いが再燃し、心だけでなく身体にまで影響を及ぼしていくというもの。白根と清成として惹かれ合った想いに、αとΩとして引き合う力が働いていくので、オメガバースありきではないところがある意味とても良かったです。運命の番とまではいかなくても、一緒にいるだけで身体共鳴を起こしてしまうくらいの相性の良さが自然と感じられるお話です。
    いいね
    0件
  • おじさま侯爵は恋するお年頃

    飛鳥りな

    少女漫画の入り口としてならアリ
    ネタバレ
    2026年6月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 地方領主の一人娘と年の離れたオジサマ侯爵が政略結婚するが、予想に反して仲睦まじい夫婦となるお話。
    設定や作画、登場人物など、全てにおいて恋を夢見る乙女のためのお話という感じがしました。政略結婚だけど互いを好きになり、恋愛しながら夫婦としての絆を深めていく。その相手は優しく、大人で、家柄の良いイケメンなオジサマ。周りの人もいい人ばかりで、嫌な人は登場せず、波乱も大きな問題も何も起きない幸せな日常が描かれています。そういう意味で、低年齢層向けの漫画であり、恋に恋する女の子向けとしてなら心地良い夢を見させてくれる作品だと思います。ストレスなく読めて、ある程度は面白いのですが、長く続くと飽きてしまうかなとは感じました。
    いいね
    0件
  • 罫線上のカンタータ【電子限定描き下ろし付き】

    早寝電灯

    手紙がキーアイテムになるオムニバス作品
    ネタバレ
    2026年6月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 漫画家を目指す大学生といつも手袋をつけている謎多き先輩のお話と、同じ漫画の二次創作がきっかけで知り合った小説書きと漫画描きのお話が交互に進むオムニバス作品。
    2CPのお話が交互に展開され、両方とも少しずつ関係性が進んでいき、そして両者は葉治の描く漫画を通じて繋がっているという設定が面白いです。また、手紙というキーアイテムも同じ。相手に想いを伝えることの意味や重要性がひしひしと伝わってきました。直接言えなくても、時を超えても、文字という手段があれば、自分の気持ちを伝えることが出来る、気持ちを残すことが出来る。文字の書き方、文章のクセなどに性格が出るのも手紙ならではなのかなと思いました。相手が目の前にいなくても、時差があっても伝わるって何だかロマンがある気がします。そして、手紙を表したタイトル。もはや早寝先生のこの表現力にしてやられました。読後感が素晴らしかったです。
    いいね
    0件
  • See you later,Mermaid【電子限定描き下ろし付き】

    早寝電灯

    繰り返される再会が色鮮やかになっていく
    ネタバレ
    2026年6月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 人を操ることができる声を持つ青年が、旅先のある海辺で同じく一人旅をしていた男に出会う。偶然同じ宿に泊まっていた彼と親しくなるが、急に告白され、戸惑う二人の本音を丁寧に描いたお話。
    同じシーンを何度も繰り返しながら、辰実と一士二人の感情が徐々に明かされていくという展開がとても斬新な手法で面白かったです。最初は二人が再会することが事実として淡々と描かれ、そこから過去を知り、互いの視点で気持ちが描かれ、ようやく未来へと動き出す。一人称視点で知った事実を噛み締めながらもう一度1話目を読むとまた違った味わいが楽しめる。読み終えるまでに何度も何度も読み返したくなる、スルメのような作品だと思いました。同じ再会のシーンでも、視点が違うだけで見える景色が違ったり、カット割りを変えたり、会話から思い出す過去の話がたくさんあったりと、読めば読むほど二人の深い繋がりが感じられる展開が上手く、指輪をやけに目立たせて匂わせたりと、とにかく先も気になるし、前にも戻りたくなる魅力に溢れていました。流石だなと思わせてくれる最高のお話です。
    いいね
    0件
  • 転じて恋と生き

    早寝電灯

    テーマ一つで描ききった作品
    ネタバレ
    2026年6月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 校内新聞に載っていた小説の作者名が気になる高校教師が、それと同じ名前を旧校舎に残されていた昭和30年代の論文から見つけたことをきっかけに、過去と現在が交錯していくお話。
    転生もののお話ということですが、転生したというよりも、自分のものではない記憶が急に覚醒し、それに翻弄され自分を見失いそうになるというようなちょっと意趣返しなお話でした。そのため、ところどころの詳細があまり描かれずに、最後までよく分からないままの部分もありました。例えば、八尋は何故春沖洋介というペンネームを使おうと思ったのかとか、前世で恋人だったから引きずられるように惹かれたのではないかなどです。また、今を大事にしようと言っていたのに、二人の想いは明らかに前世の影響で、恋人としての時間がないままあっさりとえちしてしまうのは少し納得出来ない部分もありました。
    ただ、ストーリーの中で話していた「胡蝶の夢」というテーマ一点に注力して膨らませた物語だと思うと、とても上手く表現されていると感心しました。「胡蝶の夢」というのは中国の思想家・荘子が「自分が蝶なのか、人なのか分からなくなった」という説話に由来し、夢と現実の区別がつかない状態や人生のはかなさをたとえる言葉です。こういった自分の意識が曖昧になる状態を丁寧に描いていて、その不思議さや不明瞭さがひしひしと伝わってきました。言葉一つでイメージを作品として表現する力がある作家様だなと思います。
    いいね
    0件
  • 獣王陛下と砂かぶりの花嫁

    小石川あお

    不器用な王様と働き者の赤毛のキツネ
    ネタバレ
    2026年6月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 奴隷商人に殺されそうになったところを、雪豹の獣王陛下に助けられた赤毛のキツネが、運命の番として幸せになるお話。
    赤毛ということで一族から虐げられていた砂かぶり。紅藍という名前をもらい、王様の番になります。優しく自尊心の低い紅藍は、ずっと自分なんかと卑屈に思いますが、働き者で真面目で優しい気質で、徐々に周りと打ち解けて明るくなっていきます。
    王様が少々気難しいが故になかなか関係は進展しませんが、自分を大切にしてくれていることが少しずつ伝わり、ハピエンに。過去の紅藍と王様のやりとりは本当に心温まるもので、紅藍の優しさと物怖じしない強さが垣間見えました。人外お伽噺、ハマりそうです。
    いいね
    0件
  • 食べないの? おおかみさん。

    小石川あお

    こんなに優しいおおかみは見たことがない
    ネタバレ
    2026年6月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 生贄として森に捨てられた人間の子どもが、おおかみに大切に大切に育てられたお話。
    BLジャンルで人外モノはよくありますが、これはそういったものとは一線を画す、大人のファンタジーだと思いました。おおかみと生贄の子供が出てくるおとぎ話や童話で描かれるのは怖さや悲しい結末だったりしますが、これはそういう当たり前を覆した幸せで温かい愛のお話です。
    とにかくウルは太朗を溺愛していて、過保護なくらい愛してやまないのが存分に伝わります。美味しく食べるためと言いながら、手をかけて大切に大切に育てている。どんな時でも太朗ファーストなその姿勢と、愛情をたっぷりと注いでくれる言動にウルの愛が溢れていました。そして、そんな愛情を存分に感じているからこその太朗の「食べないの?」というセリフ。二人は食べる食べないの言葉のやりとりでお互いに愛を与え合っているような気がしました。
    物語としては、一度人間の里に戻った太朗が自らの意思でウルの元に帰ってきてくれてハピエン。BL要素がなくても良かったような素敵なお伽噺でした。個人的には幼少期の太朗とウルのやりとりがとても可愛くて微笑ましく、大好きです。
  • ご主人さまとけだま

    小石川あお

    猫の神様ありがとう
    ネタバレ
    2026年6月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ひとり暮らしのサラリーマンが子猫だと思って拾った薄汚れた毛玉が、実は猫のもののけで、一緒に暮らすうちに大切な存在になっていくお話。
    ファンタジーがお得意な作家様のファンタジーBL。お伽話BLが良かったのでこちらも購入しました。もうこれは涙なしでは読めない名作で、とても良かったです。
    とにかく、けだまの想いが切なく優しく、愛を与えられずに捨てた人間にもこんなに尽くしてくれるなんてと胸が痛くなりました。そんな一生懸命さが全部裏目に出てしまうほどのドジっ子ですが、めげずに明るく振る舞う姿が可愛いです。そして何よりも毛玉姿のもふもふが可愛すぎる。猫のもののけというより、毛玉のもののけの間違いなんじゃないかと思ったくらいです。
    最後の最後までご主人様に尽くしたけだま。そんなけだまの想いを猫の神様がちゃんと見ててくれて、最後は報われます。ファンタジーならではのめでたし、めでたしという結末がとても素敵でした。
  • グランマの憂鬱

    高口里純

    こんなおばあちゃんを目指したい
    ネタバレ
    2026年5月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 閉鎖的な村を取り仕切る女総領と、一緒に住み始めた孫の交流をメインに、様々な問題を解決していくお話。無料キャンペーンで9巻まで読了済み。
    1話完結型でグランマと亜子の交流や村で起きる様々な問題をグランマの一喝で丸く収めていく物語。ちょっと水戸黄門的な勧善懲悪っぽさもあって、読んでいてとてもスッキリする展開が面白いと思いました。
    村長とは別に総領という面倒見役が存在する村というのは、近所付き合いが希薄になっている現代では存在しないかもしれません。でもその古き良き日本のご近所付き合いの良さを、防犯面や人間関係で上手く体現しているなと感じました。また、年をとり老害とも言われる老人が増える中、グランマのように柔軟に物事を捉え、便利になった現代の物の良さをきちんと享受し、懐の広い考え方が出来るというのは、とても強みになるなと思いました。村全体で子供を育てるといったような良さが未来に繋がる日本の良さではと思います。私もグランマのようなおばあちゃんになりたいなと思いました。
    いいね
    0件
  • 便利屋アズマは星を数えない 番外編 西郷と柊月

    一樹らい

    切ない西郷の本音
    ネタバレ
    2026年5月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「便利屋アズマは星を数えない」の番外編、西郷と柊月の過去のお話。
    本編でも描かれた柊月と西郷の関係。出会いから再会するまでの過程が丁寧に描かれています。壊してから大事にするという西郷の加虐性は、気質もあるとは思いますが、やはり原因はネグレクトなのかなと読んで感じました。愛されたことがないから、愛し方が分からない。ちゃんと柊月のことは好きなのに、その想いを伝える術を知らないし、伝えることの意味が分からない。切なさも感じましたが、何よりも虚しく思いました。柊月も側にはいたものの、西郷のことを好きだった訳ではないので、愛を育もうという関係性ではなかったんだろうなと思います。
    とはいえ、柊月にしたことは許されません。そのことで柊月はゲイである自分を嫌い、自分を大切にしなくなってしまったのだから。それでも、性的マイノリティーの生きづらさに同調し、西郷を拒否しなかったのは、柊月の優しさであり弱さでもあったのかなと思います。その居心地の良さに西郷がもう少し早く気付いていれば、二人の関係はもしかしたら違っていたかもしれません。結局、西郷の孤独は本物の愛でしか埋められない。いつかそんな相手に出会えたらいいなと思いました。
  • 便利屋アズマは星を数えない

    一樹らい

    キャラクターの成長物語
    ネタバレ
    2026年5月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大学内で便利屋をしている男とクールなゲイの大学生が、依頼を通して出会い、仲良くなっていくお話。
    ストーリー重視のお話としてよくオススメに上がってきたので購入しましたが、本当に当たりだったと思いました。BLという枠組みになると恋愛がメインのお話が多くなりがちですが、このお話は東と柊月が交友を深めていく中で互いの生き方や考え方、想いに影響されて、過去を乗り越えたり、変わろうとする成長がとても丁寧に描かれています。そして、そんな風に自分を変えてくれた人を知りたい、大切にしたいという気持ちが好きという気持ちに育っていく。キャラクターの成長や人との絆の延長線上に恋愛があるので、数あるBL漫画とは一線を画す作品だと感じました。
    知り合いから仕事の相棒になった東と柊月。ゲイという苦悩で苦しんできた柊月は実はとてもひたむきで真面目。周りの空気を読んだり、物事をはっきり言う姿勢には優しさすら感じさせます。逆に東は、パッと見はとても印象がいいけど、他人に自分の内面を見せない難しい人だと感じました。とても素直だけど、周りの気持ちにも自分の気持ちにも鈍感な姿は、天然というよりも、養子コンプレックスにより自我を抑えつけ続けた哀しい性なのかなと思いました。柊月は東のおかげで一段成長したけど、東はそんな殻に閉じこもった自分から脱皮出来るのか。その鍵になるのが二人の恋愛なのかなと思います。色々な意味で相性は抜群でも、果たしてこれが恋愛に発展するのかという段階の二人は、もどかしくもありますが、このままずっとこの関係が続けばいいのになぁと思うくらい、読んでいて楽しいです。大学生の日常や依頼内容にもリアリティがあって、BLと少女漫画と少年漫画のいいとこ取りな一冊だと思いました。
    いいね
    0件
  • 偽装結婚のススメ ~溺愛彼氏とすれちがい~【電子単行本】

    雨宮榮子

    全然偽装ではなく、幸せな結婚です
    ネタバレ
    2026年5月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 政略結婚でお見合いをする予定の相手に一目惚れをしたが、徐々に好きになってもらえばという気持ちで、偽装結婚を提案したお話。
    偽装結婚の部分は本当に最初だけで、すぐに偽装というのは誤解(というか言葉のあや)で、優介はお見合いをする前に紗雪に一目惚れ。互いへの気持ちを確認後はすぐにラブラブな夫婦へと様変わりします。親との確執や、当て馬もどきなどの様々な問題も即解決、二人の気持ちに全くブレるところがないので、安心して読める作品です。最初から最後まで優介の溺愛ぶりが激しく、嫌な人ですら紗雪の広い心で許されていくパターンはとにかく安心のひと言。山あり谷ありが好きな人には物足りないかもしれませんが、最後まで幸せに溢れていて良かったです。
    いいね
    0件
  • ラスト・ノートが香るとき

    しゅがーぺろぺろ

    続刊、いつまでも待ってます
    ネタバレ
    2026年5月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 人を誘惑してしまう自分の香りがコンプレックスの男が、仕事で調香師と組むことで、少しずつ変わっていくお話。
    長所は短所にもなりうる、そんな言葉が浮かぶような興味深い設定です。周りの人を惑わせてしまうようなえっちな香りというのはどういうものなのだろうと想像しながら楽しく読みました。ただ、その匂いが原因で人間不信になってしまった馨の悩みは人には言いにくいことです。翔生と関係を深めることが、馨の悩みをどう解決に向かわせるのかがとても気になりました。0番の完成は馨にヒントがあるようで、調香師という立場の翔生の腕の見せ所なのかなと期待しています。
    匂い立つような絵のタッチが素敵で、一進一退を続けるもどかしい展開も面白い。ただ、予定を2年近く過ぎてもまだ続刊が発売されないのが気になりました。その後の情報もなく、多くの方が待ち望んでいる状態のようです。私も出来ればこのお話を完結まで見届けたいです。
  • これは嘘の結婚だから

    上田にく

    嘘を固めていたら本当になれた
    ネタバレ
    2026年5月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 結婚相談所でコンシェルジュとして働いていた男が、親の結婚のプレッシャーから逃れるために、その場に偶然いた同期の男と結婚すると嘘をつくことから始まる恋のお話。
    嘘から始まるお話は数ありますが、こんなにもスムーズに結婚までたどり着くのも珍しいくらい、二人の結婚が順調でした。お互いの両親もあっさり賛成、偶然選んだ楓も実はずっと真白のことが好きだった、という優しい展開なので、真白の気持ちが少しずつ育っていくのを一緒にドキドキしながら楽しみました。
    ただ、楓がいつから、どんなタイミングで真白を好きになったのかなどは、とても大事な部分だったので、もう少し詳細に、その時の楓のドキドキを表現して欲しかったなと思いました。全体的にストーリーがあっさりしていますが、皆が幸せになれるお話です。
    いいね
    0件
  • 翡翠の夢見る宵月の烏

    吉見キヨ

    えちシーンのオンパレード
    ネタバレ
    2026年5月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 隣国の内通者を炙り出すために危険な任務を受けた臣官と、それに仕える一番の腕利きの間諜、身分も住む世界も違う二人が恋に落ちるお話。
    世界観がとても作り込まれている中華系身分差ロマンス。内容もボリュームがありますが、驚くのは圧倒的なページ数で展開されるえちシーンの数々。全ページ数の半分以上はえちシーンなのではというくらい、とにかくエロてんこ盛りな作品です。
    ストーリーも敵国のスパイをあぶり出す重厚な展開で、この内容を1巻に収められるのかと読んでいる途中で不安になりますが、最後は敵が我慢出来ずに総動員で仕掛けてくるので、何とか無事に終了します。せっかく入り組んだ設定なので、もう少し丁寧に展開しても良かったのではと残念に思うくらいです。
    とにかく美麗なえちシーンがたくさん見たい方にはオススメの作品です。
  • しつけがなってない!

    上田にく

    一風変わった設定が面白い
    ネタバレ
    2026年5月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 吸血体質のホテルマンが、犬体質の酔っぱらった男を拾ったことがきっかけで、同居するお話。
    吸血体質や犬体質などといった設定が変わっているけど、とても分かりやすく面白いと思いました。現代にファンタジー的な要素を上手く加えていて、特異体質の要素も一種の特徴的な軽いタッチで描かれているので、明るく楽しく読めます。そして何より青波の犬姿が可愛いです。モフモフしたがる一穂の気持ちがよく分かります。設定と可愛さを最大限に活用していて、とにかく癒されるお話です。
    いいね
    0件
  • adabana 徒花

    NON

    女子高生の哀しく孤独な闘い
    ネタバレ
    2026年5月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 雪積もる小さな町で起こった猟奇的な殺人事件。身体が切断された女子高生と、犯人として自首してきた親友の女子高生。闇に抗う2人の少女たちを描いたお話。
    猟奇的な殺人シーンから始まり、マコとミヅキそれぞれの視点でこの事件が描かれます。そこには、子供の意思は無視され、性を搾取されたり弄ばれたりと、大人たちにいいように扱われる無力な少女たちの哀しい闘いの様子が丁寧に表現されていました。あんなにもがき苦しんでも、助けてくれる人は現れず、マコは自分の命を絶ってしまう。そしてそんな彼女の気持ちを汲んだミヅキは自らの人生を犠牲にしてまで、彼女のために復讐を誓う。そしてその復讐劇は、大人の手を借りずに自分たちで行う。二人の強い結び付きと、大人が作った社会に対する絶望が手に取るように伝わります。
    徒花とは、見た目は華やかだが、成果や中身が伴わない物事を意味するという。ミヅキが描いたシナリオはセンセーショナルであり、世間の注目は浴びただろうけど、マコに対する盗撮などの性に関する罪は問われなかった為、暁は軽微な罪にしかならなかった。だけれども、全てを明らかにして彼を貶めることより、性を搾取されたマコの尊厳を守るために、性に関する部分を全て消し去ろうと思った彼女の策略は成功したのです。徒花と呼ぶのは、彼女たちの想いを知らない愚者たちだけだと思います。ようやく頼れる大人に出会ったのが、全ての物事が終わった後だということにも虚しさを感じました。
  • ひとつしかないもの

    櫻井ナナコ/佐々木みお

    自分だけの価値を見つける難しさ
    ネタバレ
    2026年5月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 正反対な性格の双子の弟にコンプレックスを持っている兄が、ゲイの街二丁目での出会いによって少しずつ変わっていくお話。
    明るく誰からも好かれる双子の弟にコンプレックスを持ち、それを拗らせて自己否定気味だった晴陽が、二丁目のバーで知り合った橘と友達になったことから、徐々に自分や周りを見つめ直すストーリー。双子あるあるな悩みではありますが、読み進めていくと、晴陽はとても周りの人に大切にされているのが伝わりホッとします。一方的に比べられ、ツライ思いをしたこともあっただろうけど、周りの人から向けられる想いに気付くための心の余裕を橘が側にいて与えてくれたことには感謝したくなりました。大人としての保護者的な側面と、男としての恋愛的な部分を、きちんとスイッチを切り替える形で分かりやすい態度にして表してくれた橘の対応は素晴らしかったと思います。
    読んでいてやっぱり双子はある程度別々の世界で生きていったほうがお互いの為にいいのかなとも思いました。ただ、晴陽としては楓月が追いかけてくるのが嫌だったようですが、楓月としては晴陽の優しすぎるところが心配であり、過保護的な愛情だったというのが良かったです。親も何も言わなくても好物を理解してくれたり、周りの人も晴陽の綺麗さに怯んで声をかけづらかったと分かって、本当はとてもみんなに大切にされている晴陽が可愛く思いました。
    橘との恋愛も良かったですが、晴陽が自分の良さに一つずつ気が付き、認められるようになっていく過程がとても良かったです。
    いいね
    0件
  • 暇恋い

    谷カオル

    心が温かくなるお話
    ネタバレ
    2026年5月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 亡き祖父の家に住むことになったサラリーマンと、霊力を失った座敷童子が一緒に暮らすことで互いを大切に想うようになるお話。
    引っ越しした古い家に座敷童子がいても、全く動じずに受け入れる幸一朗。その懐の深さと優しさが心にじんわりと沁みてきます。あずきが霊力を失うことになった経緯も、幸一朗が引っ越してきた理由もとても切なく、優しい人が傷つき淋しい想いをする理不尽さにやるせなくなりますが、そんな二人が助け合いながら、互いを癒していくのが素敵でした。恋愛というよりも、大切な人と一緒にいることの楽しさや温かさが伝わるお話です。
    いいね
    0件
  • 天堂家物語

    斎藤けん

    蘭のまっすぐさがスカッとする
    ネタバレ
    2026年5月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 名門の大きな家に嫁ぐ伯爵令嬢の身代わりになった山育ちの女の子と、次代の跡目争いをしている天堂家の男が、様々なものと闘いながら愛を育てていくお話。
    一昔前の日本を舞台にしたお家騒動と恋愛が、上手く混ざって描かれたいい作品です。上流階級の家柄のほの暗い雰囲気、そしてそこでもがき苦しみながら苛烈に生きる雅人と、山奥でじっちゃんに拾われて生きる術を教えてもらったものの、その死に触れ人助けをして死のうと考える蘭。生きることに対してのベクトルも生き方も正反対な二人が出会い、同じ時を過ごすことで生まれる化学反応がとても面白いと思いました。
    中でも、蘭のまっすぐさはとても清々しいです。天堂家は内部での様々な問題が酷く、騙したり、隠したり、嘘をついたりと人間の醜さばかりの巣窟ですが、襲われても嵌められても、誰かに助けてもらうのではなく、蘭自身で何とかしてしまう、その強さと天然さがストーリーの最大の魅力だと思いました。常識や情緒は欠けていても、人としての善悪の分別はきちんとしていて、全ての行動がそれに基づいているので、蘭のまっすぐさにスカッとする場面が多かったです。
    そんな二人が恋人になるまではとても時間がかかりましたが、このペースが少女漫画らしくて逆にもどかしさも楽しめました。
    ようやく二人の幸せな日々にたどり着きましたが、物語としては全然進んでいません。天堂家の闇は全く解明されず、何人もの人が死んでしまいました。現当主夫妻は未だに一度も登場せず、雅人の母の死の解明もされていません。今後はこの辺りが展開されていって、全てが明らかになってほしいです。
  • 目眩はまどいのつがい

    早寝電灯

    今までとはタイプの違うオメガバ
    ネタバレ
    2026年5月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 地震があって帰宅できなくなった日に自分を気遣ってくれた古書店の店主と、鈍感なオメガの男が惹かれ合うお話。
    地震があった時の緊急避難場所に困るオメガ、といった日常の危機とオメガバースゆえの悩みを上手く混ぜ合わせて、優しさで練り合わせたようなお話です。距離を縮めたきっかけは地震という偶然だけど、その緊急事態への対処の仕方に人間性が出ていて、オメガバース設定ではあるけれど、私たちの日常にとても近いストーリー展開で、一番現実味が感じられる内容だったと思います。
    そして、和巳も波止もとても優しい。結局いつも許され続けなきゃいけないαであることにまどう和巳と、そんな風にαに責任を負わせてばかりいることを気遣うΩの波止。相性の良さを運命だと言ってしまえば簡単だけど、きちんと気持ちに向き合う時間を作ったり、関係性を築こうとする二人の生き方は、オメガバースの世界観にありながら、それに抗って自らの意志を貫こうとする強さを感じました。最終的に、決定権はΩが持っているんだというメッセージは一番心に響きました。
    和巳の独占欲も、それを包み込む波止の優しさも良かったです。
    いいね
    0件
  • 潮騒のふたり

    遠浅よるべ

    潮騒というタイトルがピッタリすぎる
    ネタバレ
    2026年5月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 人気者の中学校教師と、素行不良で逃げ癖のある年下の新任教師が、徐々に距離を縮めていく恋のお話。
    潮騒とは、潮の満ち引きに伴い、波が岸や岩に当たって立てる音を表す語です。また、タイトルに使う場合は、物語の舞台である海と、そこで生きる人々の生命力や感情のうねりを象徴する語として用いられるそうです。こんなにも場面と内容にピッタリな言葉を選んできたことがまず素晴らしいと感じました。
    絵は、写真のような劇画タッチで、青年漫画に良くある、黒を基調とした雰囲気で描かれています。そしてそこに、問題児であるゲイの男と真面目でまっすぐなノンケの男。彼らの感情のうねりや切なさ、近づいたかと思えば遠ざかる波のような関係性が見事に表現されていると思いました。
    ストーリー的には想いが成就しても、終わりに向かっている寂しさがずっと拭えません。ただエピローグまでの構成が一本の映画を観たような感覚を残す、心にズシンと響く作品でした。
    一点気になったのは、再会は6年後、だけど会話では4年ぶり。あの夏祭りの日、突然消えてしまったのかと思いましたが、二人はその後2年付き合い別れたんだなということでした。あの出会いは相性は良かったものの、タイミングが合わずに離れることにしたんだなと感じました。納得の別れがあったからこそ、再会しても穏やかだったんだなと。だからこそ、エピローグの再会には意味があり、ようやく機は熟したのだろうと思いました。今度こそ最後のカラー絵のような穏やかな幸せが続くことを祈ってます。
    いいね
    0件
  • 違国日記

    ヤマシタトモコ

    槙生と朝が互いを理解する闘い
    ネタバレ
    2026年5月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 不器用人間の小説家と子犬のような姪がおくる年の差同居譚のお話。
    設定は複雑だけど、逆にそれがとても面白く、興味をそそる内容でした。槙生と朝のぶつかり合いだったり、一見小難しい会話のやりとりは二人の心を通わせる過程としてとても丁寧に描かれ、テンポの良さや価値観・考え方の違いなどを、言葉を尽くして表現しているのがとても面白かったてす。ただ、逆にその他の部分が曖昧なまま物語が完結してしまったことにモヤモヤした気持ちになりました。
    特に朝の母親の考えが日記からは全然分からなかったのが残念でした。父と何故入籍しなかったのか、何故そんな人を選び(父は天涯孤独?)、そんな人との生活を選んだのか。真っ当とも言える人生を送ってきた実里にとって、それらの選択には彼女なりの覚悟だったり思いがあったはずなのに、物語としてそこに疑問を呈しておきながら、何の答えも示さないのは私としてはちょっと納得がいかなかったです。
    また、朝が父からの愛情に疑問を感じる部分も謎でした。女の子の心の成長は早く、思春期と呼ばれるのは小学校高学年からです。朝の設定が10歳くらいなら分かりますが、15歳になってようやく父からの愛情に疑問を持つというのが何だか遅すぎる気がして違和感を感じました。死がきっかけなのは分かりますが、それまでの朝の父との思い出には、愛情を感じられる部分はなく、もっと前に疑問に思ってもおかしくないように思います。朝やえみりのやりとりや日常が等身大の高校生らしく、とてもリアリティがあっただけに、そのズレた感覚にも納得出来ませんでした。
    本編があくまでも槙生と朝のお話だというのであれば、番外編として実里視点のお話があれば良かったなぁと感じてしまいます。実里がどんな風に考えて家族を形成し、槙生に対してどういう風に思っていたのか。最後に彼女の気持ちを知ることが出来たら、もっと納得のいく完結になったように思います。
    設定が物語のいいスパイスになっているけれど、それなら中途半端にして欲しくなかったなと感じました。実里の日記や父の過去など、不透明さが最後まで気になってしまって、槙生と朝がいい感じで互いを大切に想うようになった話の核がちょっと削がれた気がします。槙生と朝を気遣う人たちだけでもいいお話になったのではと思いました。
    いいね
    0件
  • 鳶とカラス 最凶凸凹バディ

    助八助六

    ケンカップルらしさが存分に楽しめる
    ネタバレ
    2026年4月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事ではバディとして、プライベートでは同棲する仲の先輩後輩刑事のケンカップルな日常を描いたお話。
    恋人ではないという関係性の二人とは思えない程、最初から最後まで徹底したケンカップルぶりが楽しめます。遠慮なく言い合うくせに、相性はバッチリで、仕事でもプライベートでも行動や考え方が似ている二人に安心感すら抱きました。
    ただ、刑事モノとしての事件性は薄く、恋愛寄りのストーリーメインなのがちょっともったいない。もう少し刑事モノらしいカッコ良さやスカッと感が欲しかった気もします。全体的にはケンカップルの良さが存分に発揮されていて面白かったです。
    いいね
    0件
  • となりのワカゾー

    沢マチコ

    猫が取り持つ恋
    ネタバレ
    2026年4月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 真面目が取り柄で若者が苦手なゲイの男が、猫を飼うアパートの隣人の若者と交流するお話。
    可愛い猫のシロヒゲちゃんが取り持つ恋は、地味リーマンの新木とチャラ美容師のタマゴの干潟という正反対な二人。でも読み進めると、干潟くんは見た目がチャラいからチャラい女の人ばかりが寄ってくるけれど、実は新木のような大人しいタイプの人の方が元々好みなのでは、と思いました。美容師だけど決して派手ではないし、落ち着いた性格なので年上の新木とは相性ピッタリな気がします。新木も、ワカゾーは苦手という思い込みがあったからこそ、知れば知るほど干潟の良さが加点方式となっていく、恋愛パターンとしてはいい出会いだと思いました。それもこれもシロヒゲちゃんがいたからこその縁、可愛い猫に感謝です。
    いいね
    0件
  • いじわるしないで手加減してよ

    リオナ

    正反対な二人だからこその面白さ
    ネタバレ
    2026年4月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 総務部の同期入社の二人は、とにかく正反対な性格。しかし、アパートの水漏れ被害に遭い、同居することになったことから関係性が一気に変化するお話。
    緊急事態が引き起こした恋のお話で、険悪な関係から一気に恋人へと昇格する不思議なスタートです。とにかく光るのは夏都の懐の広さ。矢部の細かいルールも面白いと言い、不意な告白でさえ前向きに受け止める。決して流されてる訳ではなく、いつでも明るくポジティブに捉えられるのがとてもいいなと思いました。そして、水と油のように思われた二人の関係も思った以上に相性がいい。聞かれたら何でも素直に答えてくれる矢部のまっすぐさもまた相性の良さの一因になってる気がしました。そんな二人の掛け合いには、漫才のようにテンポが良く、語解も思い込みもあっという間に溶けていくのが良かったです。正反対な性格だからこその面白さが詰まっていて楽しく読めました。
    いいね
    0件
  • 先生触診してくださいッ 【電子限定特典付き】

    U

    想像以上にストーリーが良い
    ネタバレ
    2026年4月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 気持ちいいことが大好きなガテン系の男が、誤ってお尻に電池を入れ、抜けなくなり焦って行った病院で出会った医師に後ろの開発をお願いすることから始まる恋のお話。
    始まりがとにかくおバカで、佐伯の単細胞で猪突猛進な行動力が光りました。スタートからえちが濃厚で、えちメインなお話かと思いきや、途中からは切なさも混じるストーリーになり、とてもいいお話に仕上がっていると思います。
    佐伯と先生の関係性は、スタートこそハチャメチャですが、その後の二人の過ごし方や互いを知りたいと思う気持ちは間違いなく恋愛です。最初、あんな迫り方をした佐伯が、先生の迷惑になってはいけないと身を引こうとするいじらしさや、迷惑そうにしていたのに、気付くと佐伯がいないと何をするにも物足りなくなっている先生の日常に愛があり、ある意味理想的!?とも言える恋愛だと思いました。まったく正反対な二人がちゃんと恋愛して恋人になる、素敵なお話です。
  • せんせいの金曜日【単行本版】

    ダヨオ

    ハム村のストレートな素直さがダサカワイイ
    ネタバレ
    2026年4月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 27年間恋もエッチも縁がなかった数学教師が、マチアプで出会った男にトロトロにされ幸せを感じていたら、その男が赴任先の学校の同僚の先生だったお話。
    大好物の先生BL、その中でも過去最高と言っても過言ではないくらいすごく良かったです。最高の出会いからのまさかの展開、感情がジェットコースターのようにバクバクする読者の気持ちを、同じ様に体全部で表現してくれる花村。一喜一憂が体の動きだったり表情にダダ漏れてしまうところが、とにかく可愛いし面白い。また、えちに対して興味津々で、勉強意欲満々。ギャンギャン喚くところとアンアン喘ぐところのバランスが良く、何だか目が離せない小動物感が本当に最高に可愛かったです。そして、そんな花村と対照的なクールな時田も良かった。途中までは何考えてるのか分からない系かなと思ったけれど、彼のため息を聞くたびに、どんどん深みにハマっていくのが伝わりました。焦って合鍵を渡し、花村を囲い込みし始める姿はまさに溺愛。意地悪しちゃいたいくらい可愛くて仕方ない、そんな彼の心の声がひしひしと伝わってきました。
    二人のえちなやりとりだけでなく、先生として生徒に一生懸命に向き合う姿も描かれ、彼らの素のカッコ良さもストーリーに盛り込まれていて、読みごたえは抜群。恋愛だけじゃない、人としての一面は、より深く彼らを理解する助けになっていたと思います。
    ようやく恋人になった二人。ここまでのやりとりも十分面白かったですが、ラブラブな彼らをもっともっと見てみたいです。続編、熱望します!
  • マンガ家先生と座敷わらし

    ぬっく

    ほのぼのしたい気分の時にオススメ
    ネタバレ
    2026年4月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 引っ越し先にいた座敷わらしと、そこに住む漫画家との優しいやりとりを描いたお話。
    引っ越し先に自分にしか見えない、とっても可愛いモノがいた。普通ならもっと不思議な気持ちになる気がしますが、可愛さゆえにあっさりと受け入れる先生。そこから彼らの奇妙な同居?生活が始まります。見えているけど見えないフリをする先生と、見えているとは思わずに、甲斐甲斐しく世話を焼く座敷わらし。お互いをさりげなく思いやる優しさが溢れています。そんな優しい日常が描かれていて、幸せな気持ちになること間違いなし。癒やしが欲しい時にはオススメです。漫画としてはもう少し展開があったら良かったなとは思いますが、いつまでもこんな日常が続くというのも素敵だなと思います。
    いいね
    0件
  • 嘘つきセンセーション

    鳩屋タマ

    恋はやっぱりタイミング
    ネタバレ
    2026年4月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 同棲中の彼氏にフラれて家を飛び出した男が、見知らぬバーの前で愚痴を叫んだ時に、その店の店主と偶然出会い、流れでワンナイトしたことから始まる恋のお話。
    出会った時の運命的な恋の予感が、本当に恋をスタートさせる。ありふれたお話ではあるけれど、読んでいくうちに夜久さんのいじらしさと溺愛っぷりにタマ先生らしさを感じました。最初のイケメンぶりでは、もっとスマートな大人かと思いましたが、どんどん角田に惹かれていくにつれ、イケメンが剥がれて好き好きオーラ溢れるようになるのがとても楽しくて、幸せな気持ちになりました。やっぱり恋はタイミングが重要だよなぁとしみじみと実感。また、顔の好みも大事だよねと改めて認識しました。最初の口説きが吸血鬼というのも、恋に不慣れな感じがして良かったです。
    いいね
    0件
  • 雪は墨にとける

    上田つむぐ

    身分違いの恋
    ネタバレ
    2026年4月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 皇族の三男と、その誕生日に芸者としてやってきた男娼が身分違いの恋に落ちるお話。
    箱入り息子として大事に育てられてきた皇子ユキが、自分が知らなかった世界を教えてくれるスミに惹かれていく。生まれ育った環境や立場の違いこそあれ、素直でまっすぐなユキと自分らしく気ままに生きるスミは、本質的な部分が似ているような気がしました。身分の差がありすぎて、ここからどうやって展開していくのかなと思っていましたが、護衛という立場に上手く収まって側にいられるようにするのは良かったです。ユキの家族も何だかんだでユキに甘く、兄は協力的だし、父も自立するならと意見を聞いてくれる優しい展開。思っていたよりもすんなりスミが認められていくのは多少物足りなさもありましたが、全体的に優しい人たちの多いお話で面白かったです。
  • 未亡人のロボット[単話版]

    クリスティーヌ中島

    正解は人それぞれ
    ネタバレ
    2026年4月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 夫のお葬式を終えた女性のもとに、夫そっくりのロボットが帰ってきたお話。
    夫の死後、夫の記憶と人格を載せたロボットが家に帰ってきた。妻はそれを喜ぶべきか悲しむべきか、戸惑い模索する。何のために帰ってきたのか、どう接したらいいのかと悩む妻の姿は、私としてはとても普通の感覚だと思いました。
    友人のように、今の寂しさを新しい子が埋めてくれるならそれでいいというのも一つの答えだし、ちゃんと死んでほしかったと思うのも、それはそれで一つの答えだと思います。この奥さんは夫がロボットに託した想いを聞いて、新しい名前をつけて新しい関係性を築こうと努力する。故人との関係は千差万別だからこそ、答えもそれぞれであっていいのではと思いました。
    大切な人が突然死んでしまった場合などは、こういうロボットがゆっくりと現実を受け止める時間を作り、喪失感を和らげてくれるという点で意味があるような気がしますが、年を取ってからの別れであれば、自然に受け止めたいなと感じました。死があるからこそ、生きている時間が輝いているのだということを忘れてはいけないような気がします。
    いいね
    0件
  • 私の愛する圧制者

    STUDIOLICO/Cersei

    4巻までは不幸だらけ、この先に希望を
    ネタバレ
    2026年4月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな家族と素敵な夫からの愛を一身に受ける侯爵令嬢が、革命によって幸せな生活が崩壊した後、どのように生きていくかを描いたお話。
    普段はカラーの作品はあまり読まないのですが、無料開放があったので、4巻まで読了しました。4巻までは本当に不幸の連続で、鬱展開が多いです。
    革命後のハイナーとアネットの関係性は、夫婦でありながらも、互いに自分を不幸へと突き落とした相手という複雑なもの。特にハイナーのアネットへの執着に似た愛憎は、一種のストーカーのように感じました。崇拝してしまうくらいの想いから歪んだ愛情への変化。それは彼の過酷な過去を考えると仕方ないですが、そんな過去を知り得ないアネットに対して抱く感情としては八つ当たりに近いものではないでしょうか。その辺は多少理不尽にも思いますが、そういう体制を知らないことへの怒りは理解できます。また、自分の幸せが多数の犠牲の上に成り立っていたことを知らなかったアネットが、立場的には仕方ないことですが、あまりにものほほんとしていて、ハイナーがそこまで執着するほどの魅力を感じませんでした。むしろ、典型的なお嬢様すぎて、世間への無知と不勉強が気に障る感じがしました。ただ、そんな愛憎がぶつかり合い、互いに壊れていく展開はなかなかツライものがあります。
    4巻でようやく離婚し、互いに離れた二人が、今後どのように交わるのか。アネットも今までとは違った環境でどんな風に変わっていくのか。最終的にはハピエンだと信じていますが、今度こそ互いのすべてをさらけ出し、本当の意味で二人が愛し合えたらいいなと思います。
    いいね
    0件
  • ひとを編むひと

    あべまりな

    人を救うことでしか生きられないジーク
    ネタバレ
    2026年3月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「ジークの左手」の続編とも言える本作、ジークが少し大人になってからが描かれたお話。
    前作は戦争中の人の酷さが徹底的に描かれていて、そんな中で役立たずのジークが誰かを救うことを諦めない一筋の光にみえました。戦争が終わり、コッカ人はいなくなってしまったのでしょうか。その力を託されたジークは、コッカ人のように人を救うことで生き続けていました。
    とはいえ、戦争中とは違い、死体は掘り返して見つけなければならない。そこにある後ろ暗さがジークを廃れた大人にしてしまったような気もしました。人の役に立っても親は考えを変えない、そう言い放ったジークからは希望がなくなっていたように思います。
    それでも人を救い続けるジーク。その生き方しか知らないようでもあり、そうすることしか生きる術がないようにもみえました。人を救い続けるジークの人生に、これで良かったと思える日が来てほしいと願わずにはいられません。ジークとティアに幸あれと思うばかりです。
    いいね
    0件
  • ジークの左手

    あべまりな

    戦争のやるせなさが苦しい
    ネタバレ
    2026年3月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 人を治す力を持つコッカ人はシトール人の戦争の道具として囚われていた。そこで力を失い周りから疎まれていたジークは、自分一人でも出来ることを探すお話。
    戦争というものの残虐さ、兵士たちだけでなくそれに関わる人たちが疲弊していく様子が読んでいてもとてもツライです。誰かが始めた戦争の最前線に立つ人たちの本当の心の叫び、その小さな思いをジークは繋いでいくことが出来るのか。心に消えない灯火を持ち続ける勇気が、誰かを助ける力になることを願ってやまない、そんな気持ちになる作品です。
    いいね
    0件
  • うそつきあくま

    雁須磨子

    グダグダとモヤモヤの狭間の愛
    ネタバレ
    2026年3月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 嫉妬深い毒舌の先輩作家と健気な元アシの売れっ子作家、漫画家同士の何とも言えないやるせない恋愛愛憎劇を描いたお話。
    クセ強な漫画家宇郷とイケメン売れっ子漫画家の余利。元々宇郷に憧れていた余利は、ずっと宇郷に好き勝手にされる状態に甘んじてきた。それでも余利は自分は宇郷にとって特別だと長年思ってきたのに、宇郷が屋良や千葉などと仲良くしているのを見て、嫉妬心から愛憎へと変化していく。
    名前のないはっきりしない関係性や、漫画家というプライドの塊同士のぶつかり合い。相手より優位に立って、ダメになった相手を庇護したいというねじ曲がった愛情が互いにあり、その力関係をずっとグダグダとやっているのが面白くもあり、やるせなくもあり、イライラもする。スッキリ解決という終わり方ではないですが、宇郷が同人誌でもあっても漫画を描けるようになったのを知った時、余利がホッとして泣けたことは、漫画家同士だからこその思いだろうなと感じました。この二人のグダグダしたやりとりが楽しかったです。
    いいね
    0件
  • 兄弟失格【完全版】【電子限定描き下ろし付き】

    りんごの実

    この複雑な感情の正体は
    ネタバレ
    2026年3月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 部活の友達から送られてきた動画に映っていた兄を見て以来、眠れぬ夜を過ごしていた高校生。その兄弟の関係性が少しずつ変化していく様を描いたお話。
    実の兄弟モノは道徳的な意味からも賛否両論集まる場合が多いのですが、この作品は家庭環境の背景やこれまでの関係性からか、ただの兄弟モノとは違った印象を受けました。私自身も、エロさや背徳感よりも、切なさや兄弟の情愛を感じました。その複雑さがこの作品の魅力であるとも感じます。
    ヤヒロとキハチの気持ちは恋愛なのでしょうか。読んでいて感じたのはときめきとかではなく、安心感や庇護愛だと思いました。キハチは兄としてヤヒロを守ることに一生懸命で、ヤヒロは常に兄に守られて生きてきました。その特別な絆には性的なものは一切なく、動画を見るまでヤヒロはキハチに対して性的欲望はなかったように思います。ただ、あの動画がヤヒロの性的欲求と独占欲を刺激して、キハチへの歪んだ愛情に繋がったような気がします。二人のえちシーンでは、欲求をぶつけたい弟と欲求を受け入れたい兄の深い思いは感じましたが、いまだ恋愛感情とは違うような気がしました。
    逃げ出してしまった兄とそれを追いかけたい弟。今後二人の関係はどう変わっていくのでしょうか。続きが楽しみです。
  • In These Words

    Guilt|Pleasure

    海外ドラマさながらのサスペンス
    ネタバレ
    2026年3月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 精神科医の男と連続殺人犯の手に汗握るやりとりから始まるクライムサスペンスなお話。
    作者様は海外在住の二人組。日本を舞台にした日本人のお話にはなってますが、海外ドラマのような疾走感とスケールの大きさを感じさせてくれるストーリーです。1巻を読んだ時は何が何だかさっぱり分からないのに、読み進めていくうちに少しずつ紐解かれ、壮大さを見せてくる。過去を辿り、ようやく現在に追いついた4巻で、1巻の全てが理解出来るという緻密な作りになっています。
    展開としては、クライムサスペンスの要素が強く、BL要素は彼らのプライベートの一片であり、犯罪の一片としても描かれています。そのため、残虐なシーンも多いですが、お話的にはサスペンス要素がメインなので、風味だけでも十分楽しめます。とにかく何よりも殺人犯の謎が最大の謎なので、その部分がどんな展開でどんな風に明かされていくのか、また殺人犯の狙いは一体何なのかが気になって仕方ないです。
    サスペンスの展開の仕方も日本のものとは違っていて、とにかくハラハラドキドキさせる物語です。今後がとても楽しみなのですが、次巻まで時間がかかるのがちょっと難点ですが、のんびり気長に待ちたいと思います。
  • 日曜日にパウンドケーキ

    阿弥陀しずく

    とことん日常、それゆえにイオン最高
    ネタバレ
    2026年3月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 父子家庭で家事を切り盛りする男子高校生が、お父さんの会社に最近転勤してきた部下の美人リーマンと恋をするお話。
    独特の空気感で展開されるストーリー、だけど描かれるのはとことん日常。家にご飯を食べにやってきた西田に恋をし、あれやこれやの手法でグイグイ攻める年下武義。ともすれば劇的でドラマチックなのに、全くそんなことない何気ない日常とのギャップが面白いです。
    冴えない親父が常識人で面倒見のいいチート上司として描かれたり、商店街をちょっと遠回りしたことが普段とは違ったデート風景になったり、ささやかな幸せを上手く取り上げているのにとにかく感心しました。そんな私たちの身近にありそうなありふれた日常に詰まっている武義の幸せ視点にキュンとします。その最たるものがイオンのフードコート。そこでこんなに楽しそうな二人に出会えたら最高だなと思います。素直でポジティブな武義の日常を大切にする姿勢がとにかく良かったです。
    いいね
    0件
  • 涯外殻の番人

    星野リリィ

    練り込まれたストーリー
    ネタバレ
    2026年3月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 城下から遠いところの警備隊に左遷された名門貴族の男と、同じく番人としてそこの閑職を任されていた魔術師の男が惹かれ合うお話。
    とにかくストーリーが面白いです。ファンタジー世界の設定が緻密で、序盤で示されていた内容を徐々に回収する形でストーリーが深く濃くなっていくのがとても良かったです。
    また、アシュアスとデュラント共に立場が違えど孤独な立ち位置で、優しさや寂しさが際立っていて切なくなりました。そんな二人の信頼が親愛として描かれていて、BL要素は薄めですが、理解できる関係性でした。
    ファンタジーとしてとても面白い内容だったので、最後がやけに駆け足で物語が終わってしまったのが少々残念でした。BLとしてはハピエンですが、ファンタジーとしてはもう少し続きが欲しかったなと思います。
    いいね
    0件
  • 恋地獄で待つ

    ダヨオ

    明るく楽しい地獄の世界
    ネタバレ
    2026年3月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 事故死した詐欺師の男と、彼に恋していたその同級生とのドタバタ地獄ライフを描いたお話。
    物語が始まってすぐに即死してしまう主人公楽。そしてその楽を地獄で待ち構えていた学。地獄での再会からスタートするお話がこんなに面白くていいんでしょうかと思ってしまうくらい明るく楽しい作品です。地獄というと、そこはかとない暗さや陰湿な雰囲気が漂いますが、この作品の地獄はまさにしっぺ返し。タバコのポイ捨てをした楽の仕事はゴミ拾いだし、嘘をつけばたらいが降ってくる。学が一緒じゃなければ、お湯も出ないしご飯も美味しくないし、寝ることも出来ない。きっと現世で一番したくなかったことを嫌と言うほど味わわせてくる精神的ダメージが、とてもいい薬に思えました。この細かい設定の一つ一つがナイスアイデアだし、罰が分かっていながら抵抗してたらいを降らせる楽の天の邪鬼っぷりが楽しかったです。
    恋に未練がある人が来る恋地獄。シリーズ化してたくさんのCPを生み出してほしいなと思いました。
  • CURE BLOOD

    戸ヶ谷新

    人生におけるたった一人の人に出会えた
    ネタバレ
    2026年3月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ある日突然吸血鬼のような体になってしまった新人医師が、先輩医師と共に人生を生きるお話。
    BLジャンルにたまにある、えちもキスもない人生の愛を描いたストーリー。ブロマンスとも違う、忠雪と十字の篤い信頼関係に焦点を当てた素敵なお話でした。
    突然忠雪の体に起こった異変は、世界でたった一人自分だけが異質なものになったような孤独そのもの。死ぬことすらできない日々は残酷なのに、それでも人を傷つけない生き方を模索した忠雪は、ちゃんと医師だなと感じました。その上で、自分の異質さを受け入れ、理解し、一番近くで共に生きてくれた十字の存在の大きさが、溢れんばかりに伝わってきました。ただ一緒に生きるということ、側にいるということが難しいからこそ、当たり前の日常が幸せの連続だったんだなと気付かされます。恋ではないし、愛と呼ぶのも違う、だけどとてつもなく胸が温かくなる作品でした。
    いいね
    0件
  • 姫野くんはときめきたい

    ハルモト紺

    まさに少女漫画の王道路線ラブ
    ネタバレ
    2026年3月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 崖っぷち少年漫画家の変人高校生が、クラスメイトで少女漫画オタクの王子様にときめきとは何かを教えてもらうお話。
    姫野くんと王子は男同士ではあるものの、設定や展開、ときめきを知る過程などがまさに王道の少女漫画。ここまで少女漫画に寄せたお話も珍しいなと思いました。でも、言い合いの喧嘩をする姿や大好きな漫画に夢中になる姿などはまさに青春を謳歌する高校生男子らしく、少女漫画らしさと男の子らしさの両方が活かされた作品でした。ごもっとも〜強欲の言葉遊びの辺りは一番可愛くて特に好きなシーンでした。
    いいね
    0件
  • 私がオジさんになっても

    村上キャンプ

    興味の矛先が変わっていく面白さ
    ネタバレ
    2026年3月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 自分の可愛さに酔ってるナルシストの男と朴訥な男が、体の関係を持ったことをきっかけに細く長く関係が続き、最終的に一緒にいるようになるまでを描いたお話。
    物語としては山もなくオチもなく、ぬるい日常と時間の経過をなぞっている作品です。だけど、三角と吉丸の変化がとても丁寧に描かれていて、そのニッチな感じが面白いです。
    最初の三角のナルシストっぷりは本当に痛くて、吉丸とのえちでも、自分の可愛さにしか興味がなく、全ての行為が自分本位でした。そんな三角が、年月を経て現実を突きつけられ、ようやく向かう興味の矛先が細く長く関係が続いている吉丸。彼の気持ちを知ろうとすることで、ようやく自分の気持ちに気付いていく。この過程を、自分の外見の変化と共に気付くという時間のかけ方が上手いなぁと思いました。外見はオジさんになっても、三角の内面は変わらずに可愛いと褒め続けた吉丸の愛を感じることができます。
    そんな三角の相手吉丸も私から見ればなかなかの変人です。不思議な流れで体の関係を持った相手を好きになっておきながら、自分からはあまり動かず、常に三角のいいような展開になることを素直に受け入れている。朴訥すぎて何を考えているのか私も分からなかったです。
    でも二人の何気ない関係性を見ていると、自分を受け入れてくれる相手がいることの安心感がいつの間にか二人の間には生まれていて、それが普遍的な愛情になるのかなと感じました。穏やかな日常しかないお話だけど、実際の男同士のCPはこんな人たちも多いだろうなと思いました。
    いいね
    0件
  • 十二支色恋草子・外伝

    待緒イサミ

    恋に特化したシリーズ3作目
    ネタバレ
    2026年3月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「十二支色恋草子」のシリーズ3作目、各CPに注目したお話がメインの外伝です。
    正隆と胡太朗以外のCPも数多く存在するこの作品、別のCPの様子もじっくり楽しめるお話が読めて嬉しいです。様々なCPにも歴史があり、それぞれの深い思いがあることを知ることで、よりこのシリーズの世界観が楽しめるようになっていると思います。
    特に2巻の小波と黒太は意外で驚きました。前作までで小波の面倒見の良さは伝わっていましたが、それが特別な感情だとは思ってもいなかったので全てが新鮮で面白かったです。
    今まで出てきたCPのお話もいいですが、また新たなCPが生まれるのも楽しみです。そういう意味でも長く続いてほしい作品です。
  • 十二支色恋草子~蜜月の章~

    待緒イサミ

    縁が深まるシリーズ2作目
    ネタバレ
    2026年3月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「十二支色恋草子」の続編、それぞれの縁が深まったり、仲間が増えていく様子を描いたシリーズ2作目です。
    前作で一通り登場した十二支たちのキャラがより一層強くなった今作。コマと颯介の恋模様のみならず、様々な縁が繋がって深まる様子が描かれています。一つ一つのお話は相変わらずバタバタと騒がしいですが、その結果幸せが広がっていくのが読んでいてとても素敵だなと感じました。恋もえちも幸せも全部入った作品です。
    いいね
    0件
  • 十二支色恋草子

    待緒イサミ

    動物たちが可愛すぎる
    ネタバレ
    2026年3月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 猫を祀る神社のご祭神と猫憑きの本家の息子が、神使たちのお休み処の宮司と惹かれ合い恋をするお話。
    神使たちがたくさんやってくるお休み処という設定と、十二支の動物の神使が毎月交代で宮司に憑くという展開がものすごくマッチしていてとても面白いです。そして何より動物たちがとても可愛い!ふわふわモフモフの感じがちゃんと絵から伝わってきます。
    干支に関するお話や、コマたちの本殿が火事にあったお話、正隆と胡太朗が番になって認められるまでのお話など、干支とお話の流れを上手く組み合わせているところが自然で良かったです。キャラ一人一人も動物の特徴を捉えていて、十二支もコマも素敵でした。和やかなお話が多いのに、意外とえちが多いのも驚きでした。見ごたえ、読みごたえありの作品です。
  • さんかく窓の外側は夜

    ヤマシタトモコ

    オカルト?ホラー?いいえ、愛です
    ネタバレ
    2026年3月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 霊感が強い体質の書店員の男が、除霊師の男にその才能を見出され、コンビとなって様々な事件を解決していくことから始まるお話。
    以前から気になっていたこちらの作品が無料キャンペーンになったことをきっかけに読みました。ただ、読み応えがものすごい上に、霊感・除霊など一般人には難しい内容なこともあり、全部読みきれず購入に至りました。
    最初はオカルトやホラーの要素が強く、冷川の力が謎めいていたこともあり、ゾクッとする怖さがあります。しかし、徐々に登場人物が繋がっていったり、彼らの過去が紐解かれるうちに、ミステリー的な側面が強くなり、全体像が見えた時には全面戦争に。ストーリー展開が進むにつれて印象がどんどん変わっていくので、とにかく最後まで飽きることなく読めました。
    そして、最後まで読むと、このお話が実はとても愛に満ちたお話だったんだなと気付かされます。人とは違った能力を持っていたことで孤独な思いをしてきた彼らが、三角康介という人物に出会うことで、少しずつ変化していく。彼の澄んだ真っ当な考え方が、じわじわと広がって、巻き込んでいく。その変化の過程を知るために見せられた彼らの過去は壮絶で、悲しく切ないものでしたが、ちゃんと愛を受けて育った康介がいたから、彼らの中に信頼だったり、同調だったりという他者に対する愛情が芽生えていく。愛を知り、愛のために闘う物語へと成長していくお話でした。
    どのキャラもとても個性的でしたが、私が印象的だったのは系多の大人としての目線でした。エリカに対しても、小さい冷川に対しても、何も知らない子供は不憫であり、救われるべきだと一貫して主張しています。そんな常識的な愛が当然だときちんと真正面から言葉で伝えてくれる、唯一無二の存在だったと思います。
    冷川と康介の関係性をBLのように捉える向きもあるようですが、私は違うと感じました。冷川の語彙が少ないことと、精神的な幼さからストレートな物言いになってしまうだけで、彼らの間にあるのはもっと人間的な愛情だと思います。除霊時のエロ要素というのは斬新で面白かったです。
  • シャンピニオンの魔女

    樋口橘

    絵本のような優しいファンタジー
    ネタバレ
    2026年2月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 黒い森の奥深くにある毒キノコのお家に住む孤独な黒魔女に訪れた出会いを描いたお話。
    絵の雰囲気、世界観がとにかく素敵です。ファンタジーの世界とはまさにコレだと思わせてくれる、絵本のような作品です。絵の細部までみっちり描きこまれているし、衣装一つ一つへのこだわりもすごく、解説などで作者様の細かい意図を知ることが出来るのも嬉しいです。
    そんな優しい絵とは対照的に、ストーリーはとてもシリアスでなかなかに重い展開です。優しいルーナが感情を押し殺して過ごしていた日々から少しずつ変化していく様が面白くもあり、とても切ないです。ルーナに幸せな日々が訪れることを祈りながら、今後も楽しみたいと思います。
    いいね
    0件
  • 恋をするならひれ伏して

    ハルモト紺

    ひれ伏してに愛を込めて
    ネタバレ
    2026年2月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 地方出身で負けず嫌いの男が、営業のトップを争うライバル同期で御曹司の男と、会社の式典で泥酔し介抱してもらったことをきっかけに、意識するようになるお話。
    同期でライバル同士、酔った勢いなど、よくある設定、展開であるにも関わらず、とても良いお話でした。物語のストーリー運びが上手く、こまめに変わる視点で過去の互いへの印象を少しずつ紐解き、意識していく過程を丁寧に描写していることで、彼らの心の移り変わりがこれでもかと伝わってきます。早瀬、時藤共に、ここでもう一押し欲しいというところで、欲しい言葉、行動をくれる。かゆいところに手が届きまくって満足しか残らない展開でした。
    そして、えちの頻度も良かったです。大体は最後に濃厚なえちを見せるストーリーが多いですが、合間合間にちょこちょこえちがあり、それがまたねっとりとエロい。全体的にバランスが最高だなと思いました。
    いわゆるありきたりな設定でも、丁寧な心理描写とそれを伝える丁寧な流れがあれば、とてもいい作品になるというのが証明されたようなお話でした。時藤の御曹司としての立場など難しい問題は山積みですが、この二人がそれをどう乗り越えていくのか、続編が今から楽しみです。
  • シャンパンタワーの向こう側

    りんこ/三原しらゆき

    ホストが主役とは思えない程重いお話
    ネタバレ
    2026年2月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大阪から歌舞伎町にやってきたナンバーワンホストが、歌舞伎町のホスト四天王の一人に一目惚れし、真の恋人になるまでの紆余曲折を描いたお話。
    ホストを題材にしたBLは今までもたくさんありましたが、こんなに重くてシリアスな展開の多いホストBLは初めてで驚きました。ホストというと、チャラかったり軽かったりするイメージが強いですが、どちらかと言うとこの作品ではキラキラした光の裏側にある影の部分をメインに描いているので、苦しくてツライ場面が多いです。でもその光と影のギャップにホストらしくない人間臭さや弱さを感じられて、重い展開の良さが光ったと思います。
    ただ、その重さゆえの難しさがあり、リューズの危機に恋人とはいえ優雅がなぜそこまで身を切らなければいけなかったのか、紫音には蓄えはなかったのか、それこそ腕時計や資産を整理すれば何とかなったのではないか、などの設定に関する甘さが気になりました。恋人としての別れを選択し、さらにリューズに優雅を縛り付けるという責任を負わせるのは、紫音の甘えだったと思います。そういう多少の疑問点はありましたが、煌夜のブレない人柄や嘘をつかない姿勢は、ホストというより王子様のようで、彼が常に一途にまっすぐな気持ちを優雅に注いでいることがこの作品の最大の見せ場だと思いました。経営の危機が終わったら、三人の密約がバレ、EDになるなどツライ展開が続きますが、煌夜が常に優雅を側で支えていたことにとても愛を感じました。この煌夜の愛が物語の核であり、一本芯を通したような強さであり、未来への幸せへと繋がったような気がしました。とても難しく重いテーマを最後まで描ききった作者様に感謝したくなる作品です。
  • #50日後に離れるBL

    りんこ/三原しらゆき

    4コマ形式の漫画
    ネタバレ
    2026年2月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 百貨店の婦人服店オーナーと外商を担当する男、友人同士であった二人の関係に変化が訪れ、その後別れるまでのお話。
    有名になったワニ作品と同じ形式で作られた作品。なぜ50日であるかに気付いた後は、読むのが少しつらかったです。また、不思議系のお話ではありますが、洋ちゃんの存在は一体どうなってるんだろうと考えてしまい、入り込めない部分もありました。こういったお話は当事者と近い関係の人にしかその存在が見えていないという場合が多いので、多くの人の目に触れ、普通に存在していた洋ちゃんがいなくなる不自然さが気になってしまいました。ただ、50日の間に関係性が変わるほど濃密な時間が過ごせたのは、洋ちゃんにとっても雅美にとってもとても幸せな時間だったのかなと思うととても切ないです。最後の手紙には愛と切なさがたくさん詰まっていて、生きることの尊さを改めて実感しました。
    いいね
    0件
  • 円仁ちゃんがだいぼうけんする本まとめ~九尾の狐と子連れの坊主~

    りんこ/三原しらゆき

    フワフワモフモフ多め
    ネタバレ
    2026年2月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「九尾の狐」シリーズに登場する円仁をメインにしたお話やシリーズの特典などがたっぷり入った描き下ろし集です。
    円仁ちゃんの可愛さと九尾のフワモフがいっぱい詰まった一冊です。ラブラブなお話から始まった二人の物語が本当に家族のお話になり、その幸せっぷりがたくさん見れて幸せな気持ちになれます。可愛さが欲しくなったら円仁ちゃんを見にこようと思います。
    いいね
    0件
  • ネガ

    はらだ

    ゾクッとするようなお話たち
    ネタバレ
    2026年2月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 幼馴染み同士の三角関係を描いたお話を含めた短編集です。
    私が印象に残ったのはやっぱり最初の幼馴染みのお話。若さゆえ、初恋ゆえの難しさと、残忍さ、したたかさが三者三様の生き方に反映されていました。黒髪攻めは白髪が告白を断るように仕向け、黒髪受けを慰めつつ、自分の想いを成就させた罪悪感と虚しさに心を痛め、白髪は周りの人の反応を怖がって酷い言葉で幼馴染みを傷つけたことを後悔して過ごす。黒髪攻めと白髪は、好きという想いや相手を大切にする気持ちよりも、自分の気持ち最優先での行動ばかりで、でもこれが若気の至りなのかなと感じました。白髪は時を経て黒髪受けに告白しますが、あれも仲間はずれにされた悔しさと自分の罪悪感を軽くするためで、友達としては好きだっただろうけど、恋愛とは違っただろうと思います。黒髪受けの視点はありませんでしたが、同性を好きになったことに悩み、ツライ時側にいてくれた人を愛そうとする、一番大人の考え方を持っていたのではと思いました。そこを描かないというはらだ先生の思惑をひしひしと感じずにはいられない作品でした。
    いいね
    0件
  • ひーくんと昴さんは犬猿の仲

    表ではケンカ、裏ではラブラブ
    ネタバレ
    2026年2月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 叩き上げの組対の刑事と警察庁のキャリア組、相性最悪の犬猿の仲と見せかけて、実は半同棲中のラブラブな恋人同士というお話。
    設定がとても活きる程、表と裏が全く別人の2人。表では口が悪く喧嘩っ早い昴と、冷酷無比で嫌味たっぷりな巌谷。それが二人っきりになると、「ひーくん」「昴さん」と呼び合い、甘々に。声のトーンの違いを想像するだけで、そのギャップの高低差が伝わります。
    同じ職場のやりづらさを解消しようと仕事に励むにつれ、昴がひーくんの気持ちを疑うという展開ですが、読んでいると二人の想いは疑いようがないので、その考えは少し違うかなと感じました。疑うなら、あの出会いは偶然ではなく仕事の延長だったということ、そしてひーくんがそのことを隠していたということ。そのことにショックを受ける方がしっくりいくような気がしましたが、どちらにしても丸く収まって良かったなと思いました。
    続編があるようなので、続きを楽しみに待ちたいと思います。
  • 太郎 DON’T ESCAPE!

    mememe

    何がこんなに惹きつけるのか
    ネタバレ
    2026年2月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 内気な高校生が、寂しさから始めたSNSで知り合った男と仲良くなり、その相手と恋に落ちるお話。
    発売からあまり時間が経っていないのに、レビューが1000件を超えるという驚異の人気作。独特な絵柄の表紙から人気の秘密を知りたくなって購入しました。
    まず面白いのが構成。SNSで知り合ったアイくんと対面する、この一点に注目して物語が展開されるのです。そして、その対面が摩訶不思議。アイくんは着ぐるみで最後まで素顔を晒さないという一種ホラーのような出会いの中に、アイくんの優しさと思いやりが詰まっている。そしてそんな不思議な状況の中でも、彼の愛情を着ぐるみごしにしっかりと感じ取る太郎。ハチャメチャなのに溢れるばかりの幸せが読み取れる。特にたびたびアップになる太郎の表情は最高でした。
    そして、BLなんだけど、ものすごく少女漫画っぽさがある気がしました。えちがない、エロさが皆無だからではなく、恋をするピュアな気持ちや恋をした高揚感などが丁寧に描かれているからなのでしょうか。太郎編、鉄編でそれぞれの視点が分かるので、怪しさ満点なのにいつの間にか応援したくなってしまっている感じでした。
    太郎と鉄のラブラブっぷりをもっと見ていたかったです。ぜひ二人の続編を読みたいです。
  • またね、神様

    ヴヤマ

    執着からの救済へ
    ネタバレ
    2026年2月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 怪しい噂のある美しい同級生に惹かれた男子が、闇落ちしていくが、時を経ることで執着が浄化され救済に繋がるお話。
    男子高校生の日常から始まったお話が、まさかこんなに闇へと繋がるお話に展開するとは思えないほど爽やかな始まりでした。それゆえに、幸太郎の家の怪しすぎる宗教には驚いたし、一度は逃げ出したものの、幸太郎を救うためという正論をぶちかまして闇落ちしていく両の姿は圧巻でした。闇をさらなる真っ黒い闇で覆い尽くすようなストーリーに漂う危機感は、ゾクゾクするという言葉では物足りなさを感じてしまうような狂気だったと思います。
    それでもそんな両の危うさに気付き、冷静になろうと距離を取った幸太郎はすごいです。誰よりも傷つき、つらかったはずだけど、彼の人生の歩みにあったのはやっぱり愛情で、母も両も後にそれが歪んでしまったとしても、まっすぐに向かってきたほんの一握りの愛情を彼がしっかりと受け取っていたからこそ、立ち直れたのだろうと感じました。そんな幸太郎の素直さが、彼の屈託のない笑顔に表現されていたと思います。
    なぜ突然両に電話してきたかなど物語としての疑問点もありましたが、救いようのない展開からの切り替えは見事でした。ハピエンなので、闇BLが苦手な方にも手に取りやすい作品だと思います。
    いいね
    0件
  • シェパードくんはあきらめない

    佐倉リコ

    新CP爆誕
    ネタバレ
    2026年2月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「オオカミくんはこわくない」のスピンオフ、けもみみシリーズ6作目のお話。
    志狼の兄として登場していた美人で優しい雅綺と、宇佐美のサークルの先輩直生。過去に知り合っていた二人の劇的な再会からスタートしたこのお話が、シリーズの中で一番複雑で練られたストーリーで、一番良かったです。
    完璧だと思っていた雅綺のポヤポヤした一面はとにかく可愛くて魅力的。年長者としてしっかりしなきゃと気を張ってきた雅綺が、年下ワンコの一途で真っすぐな想いを受けて、ようやく安心して甘えられる場所を見つけられて、何だかとてもホッとしました。直生も決して勢いだけじゃなく、とても思慮深い子で良かったです。あれこれ世話を焼かれたり手塩にかけて面倒をみてもらえる、そんなまっすぐな愛情の心地良さが伝わる素敵な作品だと思いました。
  • オオカミくんはゆずらない

    佐倉リコ

    宇佐美の方が男らしい
    ネタバレ
    2026年2月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「オオカミくんはこわくない」の3作目、けもみみシリーズでは5作目のお話です。
    志狼と宇佐美の大学生編。相変わらず宇佐美を溺愛し、自分のヤキモチに翻弄される志狼と、そんな面倒な独占欲すら理解して受け入れる宇佐美の男らしさが光るお話です。シリーズを重ねるごとに、肉食なのにウジウジしてすぐにへこむ志狼のダサさが面白く、草食だけど考え方がハッキリしていて男らしい宇佐美の性格がとてもマッチしたCPになったと思いました。独占欲やヤキモチなどを肉食の本能だと片付けず、常に宇佐美の邪魔にならないように気を付ける志狼の優しさ、そしてそれをきちんと理解して愛情として受け入れる宇佐美の懐の深さが伝わってきます。問題が起こっても安心して楽しめるストーリーに成長したなと感じました。
    いいね
    0件
  • サラブレッドはゆるがない

    佐倉リコ

    歩み寄ろうとするのも愛
    ネタバレ
    2026年2月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「サラブレッドはなびかない」の続編、けもみみシリーズ4作目です。
    ライオンの王我とサラブレッドの駿匡。今作では同じサラブレッドの冬馬との婚約話が持ち上がるなど、二人の将来に向けて親や周りを巻き込んでのお話でした。それでも二人の想いはまさに揺るがないの一言。対外的には俺様な王我も駿匡の為なら恋人らしいことをしようとするし、肉食の王我の性欲を受け入れ駿匡はどんどんエロくなる。当て馬も反対する親にも負けずに愛を貫く姿勢がとても素敵でした。
    いいね
    0件
  • オオカミくんははなさない

    佐倉リコ

    前作よりもキャラの良さが目立つ展開
    ネタバレ
    2026年2月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「オオカミくんはこわくない」の続編、けもみみシリーズ3作目です。
    前作より、志狼の優柔不断さや惚れっぷり、宇佐美のハッキリとした性格がより際立ったストーリーで熟成度が上がった気がしました。今回は志狼の家族が登場しましたが、宇佐美家も吠崎家も子供の決断に理解があるご家族で素敵でした。全体的なほのぼのとした雰囲気は変わらずで、可愛いお話が好きな人にはオススメです。
    いいね
    0件
  • サラブレッドはなびかない

    佐倉リコ

    ケンカしてでも構いたい
    ネタバレ
    2026年2月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「オオカミくんはこわくない」のスピンオフ、司馬と獅子堂のお話。
    前作に登場した司馬と獅子堂。顔を合わせれば一触即発状態の二人が実は幼なじみでとても仲が良かったが、肉食・草食の関係性の難しさゆえ仲違いしてしまったというのがとてもリアルで、前作の志狼&宇佐美CPよりストーリーがあって、面白かったです。互いに惹かれ合い、大切だったからこその拗れっぷりが切なく、そこから仲直りするまでの過程に二人のキャラの良さがとても良く表現されていたと思います。また、司馬のソックスガーターなどはサラブレッドの上品さと司馬のエロさを伝える最高のアイテムでした。
    いいね
    0件
  • オオカミくんはこわくない

    佐倉リコ

    設定がカワイイ
    ネタバレ
    2026年2月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 動物から独自の進化を遂げた獣人が暮らす世界で、カワイイものが好きなオオカミの肉食獣人がウサギの草食獣人に恋をするお話。
    獣人姿のキャラたちがとにかく可愛くて癒される世界観です。ただ、設定が全てでそれ以上の深みはありません。肉食と草食が暮らす世界あるあるの問題点を恋の力で乗り切ってしまう勢いだけなのがちょっと残念。動物の可愛さはとても伝わるし、志狼の一途さや優しさは良かったです。
    いいね
    0件
  • 辺境ぐらしの魔王、転生して最強の魔術師になる

    村市/千月さかき/吉武

    未来への転生
    ネタバレ
    2026年1月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 生まれ持った強大な魔力を恐れられ「魔王」として討伐された魔術師が、200年後の未来に人間として転生するお話。
    自分が生きていた世界の未来への転生。タイムスリップ的な転生話は珍しく、とても面白かったです。自分が知っている過去と今生きている現在、両方の知恵を活かしながら今度こそ誰にも迷惑をかけずにしようと心に決めるユウキ。しかし、類稀なる魔力とフィーラ村の人達への深い愛情が、彼の運命を翻弄していく。自分が死んだ後の世界に何があったのかというミステリー的要素と、フィーラ村の人たちのマイロードへの深い愛情、そして魔王と恐れられていたが実はものすごくいい人なディーンの性格が上手く混じり合って、面白いだけでなく心にしみるストーリーになっていると思います。出てくる人たちの強さと優しさが、読者に心地良さを与えてくれ、冒険ファンタジーとしても秀逸です。マイロードが本当に平穏な日々を過ごせるように、色々な人の想いや成長が丁寧に描かれた素敵な作品です。
  • 悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される

    ほしな/ぷにちゃん/成瀬あけの

    ゲーム展開に固執しすぎ
    ネタバレ
    2026年1月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな乙女ゲームの悪役令嬢に転生し、国外追放となるはずだったが、隣国の王子にプロポーズされるという予想外の出来事が起こることから様々に展開するお話。
    いきなり自分が断罪されるというクライマックスのイベントから描かれているのは面白いですが、あっさりとその場を救ってくれる別の王子が現れ、後はすっかり溺愛されるだけのお話が続くので、展開に飽きてしまいます。また、アクアとくっついてからも、ゲームのイベントだとこうなるはず、ゲームのヒロインには勝てない、など、ゲームの展開ばかりを気にして、目の前の相手を信じようとしないティアラの姿勢に共感できず、それでも周りの人にチヤホヤされることにイマイチ納得できませんでした。主人公が魅力的ではないのが物語として大きくマイナスだったと思います。
  • 聖女の魔力は万能です

    藤小豆/橘由華/珠梨やすゆき

    巻数の割に内容は薄め
    ネタバレ
    2026年1月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 仕事中毒な20代OLが異世界に召喚され、暇を持て余していたので研究所に勤め、ポーション作りに精を出すうちに聖女であることが明らかになっていくお話。
    間違って2人同時に召喚、聖女なのでスキルがチート、いつの間にかモテモテ、という異世界転生にはよくある設定です。新鮮味はありませんが、異世界に召喚されたことで気落ちすることなく、持て余した時間を目的を持って過ごそうとするセイの姿勢は前向きで好感が持てます。元々薬草などに興味があり、それゆえによりよいポーション作りを目指す研究者気質の展開はなかなかに面白いですが、10巻もその内容だけで続けると少々飽きてしまうところ。最終的に目指すゴールはどこなのか、もう戻れないから異世界で生きていくという心持ちなのか、イマイチ見えてこないのでモヤモヤしてしまいます。恋愛に対しても、いくら喪女設定とはいえ、20代がする行動ではないような部分が多いです。展開がスローすぎて内容が薄くなってしまっているのが残念でした。
  • 触らないで、抱きしめて

    理解して受け入れる優しさが光る
    ネタバレ
    2026年1月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 潔癖症と噂される大学の同級生をゼミの飲み会で介抱したことをきっかけに、その同級生と仲良くなり、恋人になっていくお話。
    強迫性障害を患う鷲園と彼を理解しようとしていくうちに惹かれていく梅谷。ともすればとても重いテーマで、暗くなりがちなお話ですが、梅谷の明るい性格と鷲園の素直さが悲壮感を払拭してくれます。新しい世界を知るたびにキラキラとした顔で喜ぶ鷲園はとても可愛く、また、彼のペースに合わせながらあえて踏み込まない優しい距離感を保つ梅谷は彼の良き理解者。この二人が少しずつ距離を縮めていくのが、丁寧に描かれています。
    鷲園の母の反応は少し前のBL的拒否反応あるある。あそこまで酷い仕打ちをされながらもお母さんを嫌いになりたくないという鷲園の優しさに胸が痛みました。実家を離れ、自分を理解してくれる大切な人が出来て初めて、親への反抗期を迎えられたのかなと思いました。何にせよ、梅谷の真っすぐな優しさが光る展開でした。
    上巻、下巻共に最後はえちなシーンがあって、それは少々強引な展開にも感じましたが、最後は無事に結ばれて良かったなと思います。
    いいね
    0件
  • くち嘘 Memories collection‐くちづけは嘘の味完結記念‐

    サガミワカ

    完結記念、ボリュームたっぷり
    ネタバレ
    2026年1月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「くちづけは嘘の味」完結記念、各種特典ペーパーや短編が入った大ボリュームの1冊です。
    1巻からの特典ペーパーや小冊子、短編などが単行本1冊分たっぷり楽しめます。基本は和智と槙尾二人のイチャイチャですが、槙尾とママとの出会いからの関係性(特に槙尾の子供時代)や、杜江と白州との腐れ縁など本編では知り得なかった様子が見られたのがとても良かったです。くち嘘ファンなら必見の1冊です。
    いいね
    0件
  • やましさの熱に抱かれて 【電子限定特典付き】

    ウノハナ

    これぞ大人のBL恋愛漫画
    ネタバレ
    2026年1月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ドイツに海外赴任していた製薬会社のトップ営業が、帰国直前のクリスマスマーケットで大きなぬいぐるみを抱えた日本人に出会い、期間限定の彼氏として共に過ごす。その相手が実は因縁のある相手だったが、日本に帰ってからも互いに忘れられず続いた関係が本物の恋になるお話。
    異国の地で運命的に出会った相手が、自分が蹴落とした因縁の男だった。まるでドラマのような風景と設定で話が進みますが、これぞ王道の恋愛と言える展開で胸が熱くなりました。仕事に邁進してきた大人の男が、本気の恋に落ち、良心の呵責に苛まれながらも相手に誠実でいようとする。東湖の苦悩と忍への真剣な想いに揺れ動く様子が痛いくらいに伝わってきました。
    このお話の東湖と忍、キャラがとてもいいです。東湖は本当はとても甘えん坊でまっすぐな人。兄が亡くなったことで、目的を達成するために自分を作ってでも無理をしてきた自分をやましいと言って苦しんでしまう真面目な人です。また、忍は冷静で落ち着いているけど、時に強引なほど情熱的で、嘘のつけないまっすぐな人。そんな二人が、共に最愛の相手になっていく様子にキュンキュンしました。
    お話は一見するとシリアスな展開ですが、二人のほっこりするやり取りだったり、たまに入るポップな絵がいい塩梅で物語を明るくしてくれます。こういう所はさすがウノハナ先生だなぁと感じました。ストーリーも雰囲気も展開もこれぞ王道、最高のBL恋愛漫画だと思います。
    この二人、これだけではもったいないです。忍の教授選だったり、時々匂わせられた過去だったりと、まだまだ面白い展開が残っています。ぜひ続編描いてほしいです。もっとイチャイチャしてる幸せな二人が見たいです。
  • fish - フィッシュ -

    三宅乱丈

    予想を超えた結末
    ネタバレ
    2026年1月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「pet」の続編、司とメイリンの奪還を狙う悟とヒロキと、社長代理として会社を動かすジンたちとの長い闘いを描いたお話。
    とにかく難解だけど、どっぷりとハマってしまう独特な世界観。「pet」を読んでからでないと理解をするのが難しいので、必ずそちらから読んで欲しいです。
    物語はジンを主軸とした会社側のお話と、奪還を目指した悟とヒロキの話の二つのお話で展開されます。大きな組織の全てを背負うジンの苦悩と、命からがらギリギリの生活を続けるpetたち。両者の緊迫した闘いが中心に描かれますが、その中で彼らの心を支えてくれた人たちとの絆が徐々に深く大きく影響を残していきます。そしてその闘いは急な直接対決からの両者の和解という急展開で幕を閉じました。前作「pet」でもそうでしたが、起承転結の結の部分がものすごく短く、余韻なくブツっと終わるのが物語としてはとても斬新。それでも最後皆が安堵した顔を見て納得してしまうのは作者様の力量だろうなと思います。
    あんなに激しく闘ってきて、和解なんて考えは1ミリも浮かばなかった展開での結末には、やはり代替わりというのが大きく影響したように感じました。ジンが司やメイリンと一緒にいた時間で築いた絆や周囲の人たちとの信頼が会社の利益よりも大事だと思えたのは、やっぱりジンが女性であり、彼らを家族のように大切に想う母性本能ゆえではないでしょうか。女性ならではの愛と度胸、それがこの根深い闇を解決する糸口になったのは間違いないと思います。彼らが穏やかな幸せを手に入れていることを願う、心揺さぶられる物語です。
    いいね
    0件
  • ペット リマスター・エディション

    三宅乱丈

    難解な設定だが面白い
    ネタバレ
    2026年1月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 人の脳内に潜り込み、記憶を操る能力者。彼らの力を使って裏の世界で暗躍する会社は、彼らをpetと呼び蔑んでいた。その能力をいいように利用されていたpetたちが自立する過程を描いたお話。
    人の記憶には「ヤマ」と「タニ」と呼ばれる場所があり、petたちは「イメージ」を使って他人の記憶を操作する。この独自の設定がとにかく難解で、その世界観を理解するのにとても時間がかかりました。2巻くらいまでは設定を理解することに頭をフル回転させますが、序盤から物語の伏線も多数練り込まれているので、何度も読み返しながら伏線を復習していく、という独特な読み方になりました。設定は複雑で分かりにくいですが、それはこの独自の世界観が他の誰にも思いつかないような突飛なもので、今まで読んだことのない唯一無二の世界を表現しているからだと思います。一度理解してしまえば、三宅ワールドにどっぷりとハマってしまうことは間違いなしです。
    今作は作者様が言うには三部作の1部と2部とのこと。物語の全てが終わった訳ではないので、最後は悟の強い意思表明で終わっています。今作だけでは消化不良の部分もありますが、petたちがヤマ親から離れ、自分たちで物事を考えていくようになる。そんな彼らの成長と葛藤を見届けると、一つの大きな節目を迎えたのかなとは思いました。
    ヤマ親・林の巧みな戦略と子を想う気持ちがサイキックロマンとして壮大に描かれたこの世界を存分に楽しんで欲しいです。
    いいね
    0件
  • 穏やか貴族の休暇のすすめ。@COMIC

    百地//さんど/8KEY/孫之手ランプ

    穏やかな異世界冒険ファンタジー
    ネタバレ
    2026年1月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ある日突然異世界に飛ばされた宰相の男が、頭脳と話術を活かして冒険者に転身し、強力な相棒や仲間と共に異世界生活を満喫するお話。
    異世界に飛ばされたという設定で物語が始まるお話で、こんなにもあっさりと現状を受け止め、穏やかにスタートするお話は初めてで新鮮でした。そして、今現在までとにかく話の展開がひたすら穏やかです。魔物との戦いがあっても、偉い人たちとの難しい交流であっても、リゼルは常に冷静で落ち着いていて、難なく問題をクリアしていく。波乱万丈なワクワク感などがないので物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、平穏な幸せを感じられる物語です。
    BLっぽいというレビューもたくさんありましたが、BLとは違います。描かれているのは男同士の親愛や信頼であり、人間性への尊敬や憧れです。好意を公言し競い合うのは恋愛ではありません。女性の登場も少なく、恋愛要素がないというのも、いざこざが少ない要因だと思います。
    異世界に飛ばされてしまっても、「休暇だと思って楽しみます」と言えるリゼルの心意気が詰まった楽しいお話です。
  • 線上の犬

    墨田モト

    設定活かせず物足りない
    ネタバレ
    2026年1月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 人と人ならざるものの均衡を守る法務省特類種管理局で働く職員と、特類種と呼ばれる吸血族。交わらない世界が交錯していく世界観を描いたお話。
    人と特類種とが共存する世界、そしてそれを管理する松葉と、イギリスから出向してきた謎の吸血族特類種ネイト。設定や世界観の作り込みがとても上手く、そんな二人が相棒となっていくということで、謎の機関エリアスや特類種の力の秘密、二人のバディとしての熟成が同時進行で楽しめるとても面白いお話です。ただ、様々な特類種が登場する割にそれぞれの力などは明かされず、ネイトの特殊な力も、危険性の高さばかりが注目され、実際の力の解明などは全く行われないという不明瞭さのせいで何となくモヤモヤが残る展開でした。設定などを考えるともっと壮大なお話だったのでしょうか。3巻でサクッと終わらせてしまうのでは物足りないし、とてももったいないと思いました。松葉とネイトがバディとしてたくさんの事件を解決していくお話ももっと見たかったです。
    いいね
    0件
  • ハレとモノノケ

    民俗学の知識は豊富で面白い
    ネタバレ
    2025年12月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 山で一人で暮らす高校生の元に、祖父の知り合いだという不老不死のモノノケが現れ、ケガレを取るために同居するお話。
    ケガレが気枯れという発想の転換はとても面白く、気が枯れないように日常の生活を丁寧に行い、ハレの日という非日常を大切にするという、民俗学的な丁寧な暮らしを送る日々が描かれています。その一つ一つの知識がとても詳しく、一昔前には当たり前に行われてきた日本人の暮らしぶりにも、きちんと意味があるんだということが伝わってきました。
    ただ、ストーリーは相変わらず多くを語らないスタイルなので、キャラの心情だったり、トキと八潮がその後どうなったのかなどは読者の想像に委ねられている部分が多く、受け取り方に幅があるのが気になりました。山に魅入られた血筋のせいで、小さい頃から寂しい思いをしていたことや、それでも自分の側にいてくれたミツや山奥にある実家そのものを大切に思う気持ちなど、八潮の心情を一つ一つ丁寧に汲み取ってきた読者としては、何となく消化不良な部分が残ってしまうのが残念に思います。八潮とトキの恋も少々唐突に感じました。恋愛という枠に収めないという選択もあっても良かったかなと思います。
    いいね
    0件
  • それは春の終わりに

    野白ぐり

    穏やかな人が情熱を感じるように
    ネタバレ
    2025年12月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 入社2年目の若者が異動初日に出会った先輩社員に心奪われ、恋人になるまでのお話。
    穏やかでThe・いい人の春。人当たりの良さや常に凪いだ感情は、他人への興味のなさからくる無関心でした。そんな春が心奪われたのは一風変わった先輩、中原。遊びから始まった関係性が急速に熱を帯びる様子が丁寧に描かれています。
    中原がなぜ軽い恋愛しかしてこなかったのかや、春の隣人との関係性など、バックボーンや細かい人間関係で気になる部分はありますが、二人の恋心に焦点をビタっと当てたストーリーはなかなかに珍しく面白かったです。何よりも、穏やかな春の恋の駆け引きが何とも上手くて感心しきりでした。相手を追う視線でその気にさせ、子犬のような表情で気持ちをダダ漏れにしてしまう恋愛下手かと思いきや、相手のNOの雰囲気を感じ取るとサッと身を引く潔さ。これは中原も虜になってしまうのも時間の問題だったと思います。本当は甘えたい中原との相性は抜群、二人の甘いやりとりが最高でした。
    いいね
    0件
  • 君に降る言の葉は【単行本版】【シーモア限定特典付き】

    イズミハルカ

    言葉の選び方が素敵
    ネタバレ
    2025年12月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 本好きの高校生が通学電車の中で偶然出会った自分の大好きな小説の作者が、一度も学校に来ていないクラスメイトで、彼から突然の告白をされたことから始まる恋のお話。
    主人公は恋愛経験のない高校生同士ですが、若さや勢い、ノリとは無縁の、とても不器用で真面目な二人です。本が好きということもあり、落ち着いた静かな世界観が描かれています。
    特に雪人は小説を書くだけあって、自分の気持ちを言語化する為に考えていることがモノローグになっていて、その言葉の一つ一つが迷って悩んで選ばれた言葉たちだからか、とても綺麗に聞こえました。自分が知らない感情を表すために納得できる言葉を探しているその姿は、言葉をとても大切にしていると感じられます。そんな雪人が書いた小説を私も読んでみたいと思いました。
    高校生同士の恋愛で「愛してる」は普通なら違和感を感じてしまうところですが、何だかこの二人にはとても合っていたような気がしました。えちもなく、キスのみの淡い恋模様ですが、こういうのもいいなぁと思える作品でした。
    いいね
    0件
  • 飴とキス

    秋平しろ

    カワイイお話
    ネタバレ
    2025年12月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 自分に自信がないショップ店員と、そのファッションビルの本部社員が恋をするお話。
    いつもカワイイお話のしろ先生のデビュー作品。やっぱりカワイイ男子の真摯な想いが伝わるキュンが詰まっていました。前田くんはちょっぴり卑屈過ぎるところもありますが、真面目で一生懸命でまっすぐな子。そんな前田くんが可愛くて仕方ない楊井さん。二人の想いが通じ合い、トラブルを乗り越えてラブラブになるまでが丁寧に描かれています。
    前田くんの自信のなさでお付き合いがなかなか上手くいきませんが、憧れていた大好きな人と付き合えても不安な気持ちや、自信が持てない気持ちなど、痛いほど伝わってきました。それを一つ一つ愛情で埋めていく楊井さんはやっぱりとても紳士だなぁと思います。しろ先生の作品の攻めはいつも紳士だし、男同士ということに疑問を持たない真摯な姿勢が素敵です。そして紳士な部分だけでなく、人間らしさもあってとても良かったです。
    いいね
    0件
  • Subになれたら褒めてやる【単行本版】

    まっけ

    エロさがどんどんパワーアップ
    ネタバレ
    2025年12月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高級クラブで黒服として働くSwitchの男が、サブドロップしたキャストにかわってVIPの相手をしたことから始まる恋のお話。
    Switch×Domという珍しい組み合わせのドムサブユニバース。東乃がSwitchの要素を活かして黒服として働く設定は上手いなと思いました。元々Sub性が強いのか、Dom値が高い西條と出会い、Sub性が開花していく様子がじっくり描かれ、それがとてもエロくて良かったです。ストーリー的にもSwitchであるが故に互いに躊躇してしまう展開ももどかしくも切なさに溢れて、一筋縄では行かない関係性が伝わってきました。
    ストーリーはとても良かったしエロもたくさんあって満足でしたが、Switchであった悩みの根源やSwitchらしさみたいなものがあまり活かされていないのが少々残念。また、タイトルも西條目線でのセリフのようですが、西條のキャラ設定とこのセリフは不釣り合い。傲慢な感じのこのタイトルが内容とは少しズレているように感じました。とても面白かっただけにタイトルはもう少し吟味しても良かった気がします。
  • たったひとつのことしか知らない

    本田

    友情のカタチは多種多様
    ネタバレ
    2025年12月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 平凡なサラリーマンは、小学生だった時に同級生だった男からの不定期にかかってくる電話にいつも応じている。20年以上も会っていない男との奇妙な友情関係を描いたお話。
    男同士の友情っていいなぁと心から思えるようなストーリー。同級生だったのはたったの3週間なのに、その後20年以上も他愛もない会話をする電話だけで成り立つ友情に男同士らしい関係性が詰まっていました。非通知で不定期にかけてくる赤岩に、どこで何をしているかなんて野暮なことは一切聞かず、ただの世間話を話す藤ノ木。そのことに違和感を感じない藤ノ木の素直さが、危ない橋を渡る仕事をしている赤岩にとっては安心感であり、普通の日常との唯一の接点だったのだと思います。相手のことは詳しく知らないけど、過去に培った友情は本物で、その場限りの会話を楽しむ二人の間には、間違いなく信頼と親愛がある。それがちゃんと伝わるお話でした。特に最後の赤岩の昔と変わらない泣き方を見て、ホッとする気持ちになりました。
  • トレース 科捜研法医研究員の追想

    古賀慶

    最後があっさり、スッキリしない
    ネタバレ
    2025年12月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 科捜研で働く被害者遺族である男が、実の家族が殺された本当の犯人、真相を追い求めながら、日々の仕事に真摯に取り組む姿を描いたお話。
    以前から気になっていたこの作品、全巻無料キャンペーンで一気読みさせていただきました。元科捜研で働いていた方が描いた漫画ということで、科捜研での仕事の様子がとても細かく描写されていて、真実味がありとても面白かったです。
    それとは対称的に、なかなか見えてこない事件の真相と犯人。ミステリーな事件と日々の細かい業務、それが少しずつ真実に近づいていく様子にハラハラドキドキしました。途中で犯人が分かり事件の真相にはたどり着きますが、壇が最終的に捕まっても何だかスッキリしない最後だったのが少し残念でした。事件の真実にはたどり着いたけど、壇のことについては全く謎のままだったからかもしれません。結局彼の考えはブルータルで語られていくのかもしれませんが、こちらでももっと納得出来る解決が欲しかった気がします。
    いいね
    0件
  • 猫かぶりの恋煩い【電子限定描き下ろし付き】

    園瀬もち

    猫をかぶっても側にいたい健気さがいい
    ネタバレ
    2025年12月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 社内で有名な営業部のエースとこっそりお付き合いしているデザイン部の男が、自宅の水漏れ被害により彼の家に居候することになり、猫被りに耐えられなくなるお話。
    大人の落ち着きがあり公私ともに完璧な亮二と、亮二の理想のタイプである大人っぽくて綺麗な人を演じる瑛。二人のお付き合いはまさに大人の恋愛。だけど実は瑛はコテコテの関西弁を喋るズボラなおこちゃま。亮二に好かれるために一生懸命猫を被っている姿はとてもいじらしいです。
    24時間一緒にいる日々が続き、猫被りが限界になり、ついにはバラしてしまうものの、それすらも実は亮二の掌の上。全てを知って付き合ってたのなら、もっと早く教えてあげてよと思ってしまいましたが、そんないじらしさを楽しんでいたのかと思うと、亮二はなかなかに独占欲の強いタイプだなと思いました。
    激甘スパダリな亮二とまっすぐで素直な瑛。二人の恋愛は可愛くてとても良かったですが、亮二の愛が重めな黒い部分をもっと見てみたかったと思いました。ぜひ、続編でもっと感情を露にする亮二を描いてほしいです。
    いいね
    0件
  • 牢獄の王子と騎士の密約

    案丸

    BL要素は薄め
    ネタバレ
    2025年12月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 貧しさを理由に兵士に志願した男が第二王子の世話係になり、その王子と共に国家を再建するために奔走するファンタジーのお話。
    前作「籠の中のアステラ」がとても良く、ファンタジーBL作品を描くのが上手い作家様だなと期待して購入しました。前作に比べると、えちシーンは少なく、BL要素も薄め。国家再建のお話が中心で、フェルノとユリウスが互いに惹かれ合っていても、国が安定していないので、恋愛している場合じゃない感が強かったです。ある意味とても現実的だし、抑圧的なんですが、もう少しイチャイチャが挟めたらより良かったのになぁと思いました。
    ただ、やっぱりお話作りがとても上手く、仲間の子供をユリウスの養子にしたり(男同士CPによる跡継ぎ問題)、有力貴族が最後に自爆して反乱解決など、そこに至るまでの伏線作りから回収まで、問題をうまく乗り越えていくストーリーに齟齬がなく、納得の道筋が作られていることに感心しました。ファンタジー世界の作り方も上手いので、今後もぜひファンタジー作品を描いてほしいと思います。
  • 君の夢を見ている

    コウキ。/ARUKU

    SF要素がちょっと突飛に感じる
    ネタバレ
    2025年12月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ カフェで偶然出会った男に突然愛の告白をされた出版社の男が、旅行ライターとしてその男と再会し、「予知夢で出会った」と言われ続けるうちに惹かれていく不思議なSFBLのお話。
    予知夢で出会ったと雨森の熱烈なアプローチを受ける由比。雨森が苦労しながらも、由比に会うための旅を続け、その旅が縁で出会い、惹かれ合うというストーリーは運命的なものを感じさせます。ただ、途中からのタイムトラベラー的なお話が出てきてからは、ちょっとSF要素が強すぎて、予知夢という不思議なものはあるけれど、地に足をつけた現実的だった物語が、一気にファンタジーっぽくなってしまってリアルさから遠ざかってしまったような気がしました。
    それでも、由比が、過去の雨森がしてきたことと同じ様に雨森に接していくというお話には健気さや想いの強さが見えて、良かったなと思います。最後の熱烈な告白、そして照れる二人は何だか初々しくて可愛かったです。
    いいね
    0件
  • 嫌い、大嫌い、愛してる。

    ARUKU

    壮絶すぎる人生が穏やかな笑顔に
    ネタバレ
    2025年12月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 寂れた地方都市でつつましく暮らす作業員の男が、東京から赴任してきたエリート所長に出会い、脅し脅される関係から特別な関係になるまでのお話。
    ストーリーがとにかく壮絶で、劇的な物語です。小さな田舎で優しく素直に生きてきた湊が都会のクズ男凍月に性的搾取されることから始まる地獄。罠を仕掛け、堕ちたところをさらに追い込んで脅し、無理やり関係を続ける日々が描かれた最初の方は、かなり心苦しく、地雷の人もいるでしょう。湊が復讐に舵を切ったことで物語の様相は変わっていき、クズ男だった凍月が自らの恋心を認識し始めると少しずつ二人の空気に甘さが加わります。手段は最悪だったものの、唯一自分を本当に愛してくれる凍月に心を許し始める湊ですが、当初の予定通り凍月の告白を無惨に断って復讐を果たした彼を襲った不慮の事故。そこからの凍月の行動は、自分勝手ではあるものの、湊のために全身全霊で介護する姿には、もうクズ男の影はありませんでした。こんな関係性からでも愛が芽生えていくなんて、無茶ではあるものの、ありえなくもない彼らの背景がちゃんとあって、その全部が設定として上手く活きていて、世界観の作り方がものすごく上手い作者様だなと感心しました。
    最後の描写は夢か現実か意見が分かれるところのようですが、私は現実であると信じたいです。壮絶な湊の人生が、少しでも穏やかで幸せなものであること、またその側には凍月が誰よりも尽くしてくれていることを願います。
無料会員登録でもっと見る