好きな人が寝た人を寝取っていくという設定は、でりこ先生の「犬も喰わない」と同じだが、こちらはずっと生臭い。
寝取る趣旨も、好きな人の「好き」を追体験したいという、お子さまの直情的な欲求だ。
精神的に自立できない甥が身近にいた歳の近い
叔父を慕い続ける。
あまりにも馬鹿げた破滅的な行動だが、一笑に付すには忍びない真剣な思いがある。
萌えポイントは、何もかも解っていながら甥を翻弄する叔父の闇にある。
好きな人の渇望を愛するのではなく、渇望する甥を愛している。
言い換えれば、渇望に愛を注ぐ行為を無上の悦びとしている。
一見、甥の方が叔父を監視し追い詰めて見えるようで、実は叔父の身勝手で傲慢な下卑た欲求を満足させ続けていた。
この反転が見えた時、えも言われぬ昂りを得た。
叔父の外見が美しく得上に品が良いので、ことさら醜い愛の在り方にゾクゾクするのだ。
ミダス王になぞらえた心情描写や、脇キャラの使い方も良かった。
なぜこんなに評価が低いのか不思議だ。
私は面白く読めた。
修正は白塗りつぶしでした。
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