ガンダム作品としては珍しいビッグコミックスピリッツで連載されていた作品。そのせいかガンダムエースで連載されているガチ系と異なり、著者の画力もちょっと劣るせいか作中の描画はかなり物足りず、ガチ系に慣れている方にはツッコミ所が多いであろう。私も
最初読んだときは「ハズレだったかな…」とも思ったが、読み終えるとストーリーも相まって概ね満足できた。
そんな本作は一年戦争時のサッカーのスター選手を軸にするという今までに無かった観点で描かれており、MS戦にも端々にサッカー要素が取り込まれていて、その点は新鮮である。そもそも弾が飛び交う戦場でサッカー如きが役に立つのか?という疑問もあるだろうが、格闘戦や陽動、陣形崩しなど確かにテクニックや戦術に通ずる点もあるなと感じ、よく絡められていると思う。
そしてガンダム作品で重要な原作や他作品との設定の融合であるが、本作ではテムレイとマ・クベがキーマンとして登場している。彼らの設定は原作準拠となっており、個人的にはオリジンに合わせて欲しかったが、特にマクベは文化に造詣が深く優秀という人物像はオリジン準拠っぽくもあるため、良い設定だったかなと。
最後にストーリーはあまりネタバレは書かないようにするが、各登場人物の想いが交錯してしまった結果…、という結末はよく練られていると感じた。悲しいけどこれ戦争なのよね、とは如何に名ゼリフなんだなと思う。
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