HQで最も好きなのは、星合先生の描かれる、この作品の局長の様な人。ストーリーは、上司とのラブ、命を狙われる事件の真相追求。ダブルオーセブンの「わたしを愛したスパイ」を思い出す。恋愛対象は異なるけれど。
先生のハーレクインコミカライズ作品「
かなわぬ恋」も連想。
こちらは、ニースの最高級ホテル、ネグレスコを活動拠点に華やかなる情報収集の展開。海にパーティに。アルプスでのスキーまである。
有能なひとは、その有能ぶりが人間的魅力となってその圧倒される存在感で目が離せなくなってしまう。諜報活動には、知力体力行動力決断力社交性何もかも揃ってる万能タイプの人が関わっているイメージがあり、局長ニックも、全部持ってる感満載。
上司からでなく、部下からの告白のため、軍隊育ちのヒロインへのセクハラ疑惑は免れるし、人を欺く愛人設定も、諜報関係者であればHQ様式の契約とかなくてもないとは言えないだろう。
国家機密漏洩に絡む国際スパイ、みんな美形では隠密行動は出来ないし、表の顔は実業家なのはアメリカでは国際移動頻繁でも不思議はないためないことではないらしいのだが、スパイにスカウトされるのは、どこの国でもいそうな地味タイプと聞いているので、はじめからリアリティは度外視。
すてきな局長を好きになってるヒロインが、その上司を自分も守りたい、という話に、スリリングなサスペンステイストを加えた、と受け止めればよいだろう。
このストーリー、わたしには、主人公は局長のニックだ。
もっと言えばストーリーより、スパイ同士の恋を見させてもらってるシチュエーションで味わう視覚に訴えている作品。
同盟関係にない国のインテリジェンス活動従事者が自ら身分を明かす、とは実際には考えにくい。
もっと一般的に考えても、推理ものや探偵もののテレビや小説にもある、犯人がペラペラ手の内や犯した悪事などを語りだすのも、実は変だと常日頃想思っている。この種のフィクションというものは、黙秘なんてしないのがリアルでないなと痛感している。
それより彼がスカウトされて一人前の諜報部員となるところを、養成の過程を見てみたかったが、このストーリーの本筋から離れるので触れられていない。
それでも要所要所、目で楽しませてもらった。
ただ、ラブシーン、いつも綺麗でいいのだが、HQには私はそこまでなくても酔える展開を期待する。
タイトルはピンと来ない。
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