作者さまの作品を読むのは2作目ですが、その美しい描写には惹かれてしまいます。作品レビューにあった「大人の為の絵本」という言葉には本当にそうだなぁと、共感しました。フェア中の機会にと思いこの作品を読んで見ました。一冊まるまる表題作です。
東京の下町…同じ下宿先の大学生 葛木さんと、新人作家 久世さん2人のお話。並んで歩く2人の風景を見て、時代背景は大正時代、震災前の東京なのかな…?と思ったのですがどうだろ。学生時代の久世さんが学友に感じたお前の様になりたい…という気持ちは恋なのか、それとも羨望を含んだ憧れなのか分からないまま、その相手から想いを告げられた。あの時の自分の気持ちがどういった類のものだったのかを、2度目の時で知ったのかな?と。葛木さんに見せた久世さんの涙を見ながら、そんな勝手な想像をしてしまいました。
2人が過ごすコマを見て、まるで特別な時間をゆっくりと味わっている様な感じがしたり。また番外編を見ては、それぞれ歩んで来た互いの人生をひとつに合わせている…そんな作業をしているのかな?とか。何と言うか今回は、耽美だけじゃなく+大人の恋だなぁ…と感じました。読み終わって改めてはぁー面白かった…と、ため息でした
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