ノンケリーマンとゲイの美容師がくっつくまでのお話。
急なキス&告白から始まり、友達でいるのか恋人になるのかというBL的永遠のテーマで思い悩む様子が丁寧に描かれています。巧の戸惑いや驚いたことでの失言の数々などは、全くのノンケがいきなりBL
の舞台に立たされた時に取ってしまう言動で、ノンフィクションなのではと思うくらいリアルでした。それに傷つき、逃げたり身を引いたりやたら謝ったりという基樹の行動も、ゲイという悩みを持った普通の常識人がやりがちなこと。そんな二人の関係性が壊れることなく前進したのは、BL的な恋の気持ちからというよりも、男同士の付かず離れずの友情やうじうじと悩むよりもさっぱりと言いたいことを言い合える信頼からだと思います。男女の恋愛が面倒で男同士の付き合い方が居心地がいいと思っていたら、それから先のことは一緒にいたいかどうかという未来の選択で決まってくるという、ある意味男らしい決断で関係性が変わっていくというあまり見ない類のお話で何だか新鮮でした。そう思うと、この二人の恋愛の熟成はこれからで、始まりの部分だけをこんなにキレイにまとめて描いた作品ははじめてで面白かったです。
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