異世界×フリマっていうアイディア自体は、独創性があって面白いとは思う。
だけど、開いてみれば中身は量産型なろう冒険ファンタジーの凡作。
しかも、商売したいのか冒険したいのかよく分からん欲張りセットで、しかもどっちつかず。
両方
とも浅いし面白くもないという致命的な欠陥。
やるなら商売特化で冒険要素はおまけ程度の方がまだマシだった説。
それから、一番気になるのはーー
…あのさぁ、商売したいならその世界の基礎的な経済基盤ぐらい世界観練ってからやろうよ。
別に創作作品で、異世界の経済システムとか、交易基盤とかを詳しく描写する必要はないし、そんなの相当腕がないと面白く描けないし、読者にとっても苦痛な説明になるから省くのは全然いいんだが、そもそも全く練られてないってのは論外でしょうに。
ペラペラの世界観で、商売みたいな必ず相手との利益相反から生まれる駆け引きが必要なテーマを扱うのに、その根底の価値観が構築できないのは作品として死んでる。
脳死で楽しむ作品に厳密な考証の必要性を説くのはナンセンスだが、いくらなんでも浅すぎる。
もう少し土台の世界観を練ってから作ればよかったのに。
ところどころで「作者が世界観何も考えてない。経済とか学んだことない。」というのが滲み出てて面白さ半減どころかマイナスである。
作品内に描写しなくても、ちゃんと練られていれば節々で感じられるし、それをしてこその題材でしょうに。
この作品は、ノリと勢いだけで異世界×フリマというオリジナリティーで大海に漕ぎ出したが、そもそも作者が船の扱いを全く知らずに湾内から出れるほどの立派な船でないことを自覚してない悲しい宿命を背負った作品だと言える。
ただ、世界観がちゃんと練られれば、ある程度のクオリティは担保されると予想される。
まぁ、この作品はもう手遅れだけれど。
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