主役の二人が正しく少年らしくて、すぐに好きになりました。レトロな絵柄が植民地時代の朝鮮という背景にピッタリ。山の上の御屋敷、隠されている少年、美しくも怪しい女主人や使用人、ワクワクの雰囲気のもと、謎が謎を呼ぶ波乱万丈の物語です。日本から渡ってきたらしい願いを叶える神とか、その神が生贄を求めるとか、ミステリというより伝奇ホラーテイストが濃い。主人公たちを取り巻く人々がまた、それぞれに人間らしいリアリティを持ち、難しい時代にあって、運命を乗り越えようと懸命に生きている。不足なく描ききられた素晴らしい作品と思います。