妻とは仲良しだがレスで寂しい思いをしている雑貨本屋の店長が、新しく入ってきたイケメン従業員の男と不倫するお話。
まずこのタイトルにビックリする人が多いのではないでしょうか。斬新で衝撃的な一文に、様々な情報が入っていて目にした人に色々な思い
を抱かせるものだと思いました。不倫という言葉に嫌悪感を持つ人もいるかもしれませんが、私はそんな状況に興味が湧きました。
読んでみると、肉欲的な内容ではなく、もっと色々な心情が複雑に絡まっていて何とも言えない気持ちになりました。新婚なのにレスで寂しい思いをしている明人が体の触れ合いを欲しいと思うことも、片想いをしていた相手がちょくちょく訪れる不思議な関係に戸惑う怜史が新しい恋をしたいと思うことも、お互いにいい印象があって心の距離が近づく過程も伝わります。また、女性として明人の妻の、えちはしたくないけど明人との穏やかな生活が幸せだと思う気持ちも分かります。明人と怜史を軸に、当人だけでなく様々な人たちの思いが描かれているのがとても面白く興味深いです。
実際、ノーマルの男が寂しさ故に男と不倫する、なんて特殊な状況はなかなかないとは思います。気が合うというだけなら友達でいいし、同性に性的欲求を持てるかというのはまた別問題。だからこそ、この二人がこのあとどんな風に展開するのか、周りの人はどんな反応をし、どんな変化が訪れるのか楽しみです。
もっとみる▼