子爵令嬢・藍は、父の事業失敗により借金まみれの生活を送っていた。
家を守るため、商家の息子・秋生からの結婚の申し出を受けざるを得ないが──秋生には裏の顔があった。
両親のために望まぬ結婚を決意する藍。
「もう生涯、恋をすることはできないとしても―…」
そんなある日、母の仕事の手伝いで訪れた洋館で、謎めいた美貌の青年・詩月と出会う。
詩月は、藍を見るなり、愛おしげに抱きしめた。
「こうしてまた、君に会えるなんて…」
「それじゃあ、結婚しようか」
詩月からの突然のプロポーズに戸惑う藍。
詩月の甘く深い愛情を、藍はまだ知らない──